『ユートピア』(トマス・モア著)の本質は、何でしょう?
彼は、何を訴えたかったのでしょう?
これについて、
『ユートピア』(中公文庫)の訳者である澤田昭夫文学博士は、
“ あとがき ” の中で、こう述べています。(304頁〜309頁)
「ユートピアという新世界の幸福な社会についての報告を手がかりにして、
社会の理想政体について読者に考えさせる、
善人が理想的制度を作るのか、
制度が善人を生むのか、
よい生活風習がよい法秩序を生むのか、
法が生活風習を作るのか、
と読者にさまざまなことを考えさせるのが『ユートピア』という書物なのである。
(中略)
ヒューマニスト的古典教養のある読者には初めから解っているのは、
ユートピアは『ないところ』であり、
その島の実在の証人、
そこの社会秩序の目撃者ヒュトロダエウスは『うそ博士』だということである。
しかし、
オルターナティヴの虚構社会、
哲学的な無の世界に託して人間的社会実現のために道徳哲学の根本問題を提起し、
読者に考えさせること、
平和で幸福な社会とは何か、
真の快楽とは何か、
私利私欲で凝り固まった社会をみんながみんなのことを考える公共社会にどうしたら転換できるか、
そういう久遠の問題について読者に考えさせること、
それがモアの執筆意図であったと思われる。
本書が理想社会を求める、
あらゆる時代、
あらゆる民族のすべての人々に対して、
普遍的なアピールをもつのもそのためであろう。」
平和で幸福な社会とは何か?
真の快楽とは何か?
16世紀の大ヒューマニストが
『ユートピア』
という形で人類の根本問題を提起したのが、本書です。
『お金が幸せの源泉である』
『技術が私たちを健康にしてくれる』
『武器や軍隊が安全の源である』
という間違った信念を払拭し、
『真の理想郷とは何か?』
を共に考え、実践していきましょう。
トーマス・モアは、私たちに
“ 真の理想郷 ”
について考えるための叩き台を用意してくれました。
『地球ユートピアを実現させるためには、具体的にどうすれば良いのか?』
一緒に考えてみませんか?
皆んなでアイデアを出し合えば、
ヒントが得られるかもしれません。
“ 地球ユートピア ” を実現させるべく、
共に天性を活かし、
世の為人の為天の為に、
最善を尽くしましょう
『人が動いてなんぼ、人を動かしてなんぼ』
です。
『ユートピア』
(著者 トマス・モア 訳者 澤田昭夫 中公文庫)
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