『小我(エゴ)を捨てて、大我(愛)に生きましょう!』
とはいえ、
これは究極の理想です。
小我も造物主がつけてくれたものですから、
全否定する必要はありません。
晩年になって、
小我(エゴ)がゼロ(0)になり、
大我(愛)が百(100)になるのが理想です。
偉大な詩人のヘイデン・カルースは、
晩年に書いた詩で、
『今の自分にあるのは愛情だけだ』
と述べています。
〔『人生で大切なたったひとつのこと』(著者 ジョージ・ソーンダーズ 訳者 外山滋比古・佐藤由紀 海竜社)参照〕
今はエゴが百(100)であっても、
少しずつエゴを削りながら魂を磨いていきましょう。
私が高校一年生の時、
クラスメイトの高濱正伸君(花まる学習会・代表)に
『高原は打算的なんだよ』
と指摘されたことがあります。
確かに当時の私はエゴイストでした。
それから少しずつエゴを削りながら、今に至っています。
未だ完全にエゴを払拭することはできていませんが、
『肉体が亡ぶ時エゴがゼロ(0)になっていたら良いな』
と思っています。
エゴについて、
多摩大学大学院名誉教授の田坂広志博士は、著書
「未来を拓く君たちへ なぜ、我々は『志』を抱いて生きるのか」 (PHP文庫)
の中でこう述べています。
(142頁)
「 たとえ、一つの国家を建設した国王でも、
それが、ただ
『自分の権勢を拡大したい』
との思いだけで
成し遂げたものであるならば、
その人物の人生の意味は、
単なる
『エゴの衝動』。
ただ、自分のエゴに振り回されて生きたに過ぎない。
しかし、
たとえ、日々、街の片隅で
ささやかな仕事に取り組んでいる人物でも、
もし、その人物が、
広い世界を見つめ、
遠い彼方を見つめて
仕事に取り組んでいるならば、
その人物の人生には、
素晴らしい意味がある。」
『エゴの衝動』には価値がありません。
大我(愛)に生きてこそ意味があります。
では、どうすれば私たちは
『小我を捨てて大我に生きる』
ことができるようになるのでしょうか?
田坂広志博士は、著書
「逆境を越える『こころの技法』」
(PHP文庫)
の中でそのヒントについて、
こう述べています。
(218頁)
「 この『世の中のために、多くの人々のために』
という意識が深まっていくと、
これも自然に、
『こうしたら自分に有利だ』
とか、
『どうすれば自分が得するか』
といった自分中心の発想、
『私心』
が消えていくのです。
言葉を換えれば、
『私心』、
すなわち
『小我』
が消えていき、
『世の中のために、多くの人々のために』
という
『大我』
が、心の中に育ってくるのです。」
キーワードは
『世の為、人の為』
です。
換言すれば、
『博愛主義』
『慈悲心』
『フィランソロピー』
です。
ディーパック・チョプラ博士は、著書
『富と成功をもたらす7つの法則』
(渡邊愛子=訳 角川文庫)
の中で、
大我を培うワークについて次のように述べています。
(131頁)
「 毎日自分に
『どうすれば役に立てるでしょうか?』
『どうすれば人の助けになるでしょうか?』
と質問します。
これらの質問の答えは、
仲間である人類の役に立ち、
愛情をもって奉仕できるようにしてくれます。」
小我(エゴ)を捨てて
大我(愛)に生きる人々が増えると
世界は平和になり
文化の様相も変わっていきます。
これについて、
チョプラ博士は、著書
『ゆだねるということ(下)』 (サンマーク文庫)
の中でこう述べています。
(145頁)
「 より広い意味で、
世の中、地域社会、制度のなかに
ある考えを抱く一定数の人間が現れてくると、
集団全体の態度も決定されていきます。
抑圧された自己が多数を占める文化では、
利益、
無慈悲な競争、
経済的帝国主義、
極端なナショナリズム、
軍事的対立、
暴力、
恐怖が支配することになります。
しかし、
拡大された自己をもつ人間が同じ数だけ現れてくれば、
願望が自然に叶えられるようになるだけでなく、
文化の様相も変わっていくでしょう。
暴力を使わない対立の解決、
思いやり、
謙遜、
平和、
社会的・経済的な公平などが実現されていくのです。」
大我に生きる高い意識を持った人々が増大し、
クリティカルマス(物事が劇的に広がり、定着するために必要な最低人数)に達すれば、
『世界平和』
と
『人類の幸福』
は実現します。
ということで、結論はこうなります。
(結論)
『 “小我” を捨てて “大我” に生きよう!』
「未来を拓く君たちへ なぜ、我々は『志』を抱いて生きるのか」
(著者 田坂広志 PHP文庫)
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「逆境を越える『こころの技法』」
(著者 田坂広志 PHP文庫)
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『富と成功をもたらす7つの法則』(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 渡邊愛子 角川文庫)
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『ゆだねるということ(下)』
(著者 ディーパック・チョプラ 訳者 住友進 サンマーク文庫)
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