春は、必ずくる

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「来週一週間出かけて居ないから」
何も口を開かない夫が突然そう言いました。

どこへ行くの？
聞きたかったけど、「そう」と返事するのが精一杯。
心と口には堅くカギがかかって容易には開けなくなってしまいました。

もはや自分から話しかける気持ちは湧かなくて、夫への関心もほぼ消えかかっているようです。

行先を告げるのも嫌なら、好き勝手にどこへでも行けばいいんだ。
お好きにどうぞ！

また嫌な心がそうつぶやきます。

意味のない、だんまりの根競べみたいな2人。

ぽつんと落ちた小さなしずくが広がりに広がって、もう引き返せないところまできてしまったのかも知れないな。

どちらかが新たなしずくを落としたら、また新しい広がりができていくのだろうけど、それがなかなかできなくて、意固地になってしまっている。。。

そんな状態だったけど、出かける前夜は
「明日早くいくから、青森方面」と。

青森のどこ？
何しに行くの？

聞けばいいのに聞けない。
また「そう。」としか言えなかった私。

夫は話すきっかけを作ろうとしていたの?
少しだけそんな思いがよぎったけど。

一週間後「ただ今」って帰ってきたら、私も冷たい氷を解かす努力をしなくちゃ。
私の心にも春を呼ばなくちゃ。

自分のことも反省して雪解けを待っていたけど、帰ってきた夫は・・・
・・・・・・
やっぱり無言のままなのでした。




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