春は、必ずくる

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「久しぶり〜」
その一言から時計は逆回り。

数十年間の時を埋めるかのように、今から過去へ。
話はつきずどんどんさかのぼっていきました。

彼女は大きな農家に嫁ぎました。

それゆえか、もともとの人間性なのか、昔ながらの考えから抜けられない姑にいじめられ、大変な思いをしてきた。

箸の上げ下ろしから注意され、躾がなってないと実家の親まで非難されるという屈辱的な思いを味わってきた。

そのお蔭で、今はそれなりに色々なことができるようになったのかも知れない。

そんな話を聞いてて、そう思える彼女は偉いなと思いました。

私だって舅、姑にかなりなことを言われてきたけど、そのお蔭で今があるなんて絶対に思えない。
この間だって「くそじんじー」と叫んだばかり。

ストレス半端ないです。

苦労してきたせいで卑屈になって心がゆがむ私のようなものがいれば、苦労を糧に成長させてもらったと思う彼女のような人もいる。

苦労の咀嚼の仕方でこんなにも受け止め方に違いが出るんですね。

私はまだまだだなーと思わされました。

そして高校時代の思い出話。
箸が転がってもおかしかったあの頃は、いつもいつも笑って食べて過ごしてた。
お昼も放課後も学食でつるんでいたので、「食堂っこ」なんてあだ名までつけられて・・・

楽しかったねー（遠い目）
うん、楽しかったねー。

高校から社会人になって結婚するまでの７年間は、第一の青春時代だった。
結婚後は苦しいことの方が多かったけど、自分なりに一生懸命やってきたし、姑にも尽くしてきた。

この後元気で動けるのは７０歳くらいまでだろうと思うと、ここから私は第二の青春を始めようと思う。
だから、やりたいことをやることに決めた。
定期的に旦那さまや、お友達と旅行にも行く。
姑に遠慮しないで楽しむことにしたから、これからは一緒に旅行に行こう。こうやってちょくちょく会おう。

萎れていくだけのこの年になって、これから第二の青春の思い出を作るんだと活き活きしている彼女が眩しかったです。

そうか、まだまだこれからだって元気をもらいました。

下流老人になっていく心配ばかりしていた私は、なんて心が老いぼれていたんだろうって思わされました。

彼女に会ってよかった。
新しい世界が開けてきそうな予感がします。


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