彼らに伝わる予言というものがあります。この予言は代々口述で伝えられてきており、その伝承の中にある9つの予言というものが的中していると云われています。その9つの予言の内容を見てみましょう。
ホピの9つの予言
1の予言
【現在の世界は白い肌の人間の文明が栄える。
次第に彼らはおごり高ぶり、まるで地上の支配者になったかのようにふるまう。
白い兄弟は、馬に曳かれる車に乗ってやってきてホピ族が暮らす土地を侵略する。】
白人がアメリカ大陸を発見し、穏やかに暮らすホピ族たちの土地を侵略しました。これは事実ですね。また、彼らは馬車という乗り物にも乗っていましたから、この予言も当たっています。
2の予言
【大地には馬に曳かれない車の車輪の声で満たされるだろう。】
馬に曳かれない車といえば自動車のことでしょう。これも見事に当たっています。
3の予言
【牛のような姿で大きな角を生やした獣が多数現れるだろう。】
当時のアメリカ大陸にはバッファローがいましたが、現在生息する牛はいなかったようです。そのことを言っていると云われていますが、どうなんでしょう?予言するほどの驚きだったのでしょうか?
4の予言
【我々の土地を鉄の蛇が横切るようになるだろう。】
鉄道のことですね。線路を蛇といっているのでしょう。
5の予言
【我々の土地に巨大な蜘蛛の巣が張り巡らされるであろう。】
まさに電線は蜘蛛の巣のように見えますよね。
6の予言
【我々の土地に石の川が流れ、陽を浴びると絵を生み出すだろう】
道路を石の川といっているのがわかります。しかし、陽を浴びると絵を生み出すという表現は何を指しているのでしょう。道路に陽が当たっても絵を生み出すようには見えません。
7の予言
【海が黒く変色し、多くの生き物が死ぬだろう】
海が黒く変色というと、オイルが流れ出した様を言っているのでしょうか?
8の予言
【我々の一族と同じように長髪の若者が沢山あらわれ、我々の生き方と知恵を学ぶために部族国家に参加するだろう】
1960年代のヒッピームーブメントのことでしょう。これも当たっています。
9の予言
【天上にある天国の居住施設が地球に落下し衝突する。その時、青い星が現れてその後、ホピ族の儀式は幕引きとなる。】
この予言はまだ起きていない予言として、未来を予言していると云われています。
ホピの岩絵
9つの予言のほかに『ホピの岩絵』というものが存在する。
十字の印は、ホピ地にキリスト教徒である白人が来ることを示している。十字の右の二つの円は、第一次、第二次世界大戦を示す。三つ目の円は第三次世界大戦を予言している。上の道がバランスを欠いた物質文明の道でジグザグの道は混乱を現わしている。このままだと先の道がないことから破滅してしまうと云われている。
下の道はホピと人類が自然の法と調和を保つならば、世界的な平和の世になると現わされている。第三次世界大戦を示す円の前に縦線が上と下の道を繋いでいる。この縦線は物質世界から精神的世界への分岐点になる。今がその分岐にいるという事のようです。
岩絵には一つのハートを持った人と二つのハートを持った人が描かれています。一つのハートを持った人たちが3つの円を潜り抜けて新しい地球、新しい世界の幕開けをする人たちになる。二つのハートを持った人たちは物質的なものを神として破滅の側に行く人たちだといっている。
ホピの神話
ホピ族に伝わる神話によると、現在の世界は第4の世界と云われています。
つまり、第1世界、第2世界、第3世界は神の怒りに触れて滅亡しているという事です。
世界は3回の滅亡を繰り返しているといわれ、その中で神を信じた少数の人たちだけが次の世界に生き残るという事です。その民がホピ族という事になります。
第1の世界
最初の世界はトクペラと呼ばれる終わりのない空間。
創造主であるタイオワ以外、何も存在しない。
始まりもなく終わりもなく時間も形も命も存在しない。
まず初めに、タイオワは無限を有限に変え、生命をもたらすためにソツナンを創った。
タイオワはソツナンに陸地と海、空気を創らせた。
ソツナンは生命を創る助手としてコクヤンウーチーを創り出し、更にポクァンホヤとパロンガゥホヤの双子を創りだし、生命に「音」と「動き」をもたらした。
役目を果たした双子は地球が安定して回り続けるようにそれぞれ北極と南極に派遣した。
コクヤンウーチーは、最初の人類を誕生させ、調和や創造主への感謝を教えたが、言葉を話すことが出来なかったためソツナンを呼び出し人種ごとに違う言葉を与えた。
最初の人類は増え続け、幸せに暮らしていたが次第にソツナンの教えを忘れ、尊敬の念を忘れていった。
タイオワはこの世界を壊し、世界を創りなおすことにした。
ソツナンの教えを守っていた僅かな人々は、この世界の出口に導かれ脱出することが出来た。
人々が脱出した後、タイオワはソツナンに世界を火によって破滅させた。
第二の世界
トクぺラを脱出した人々は地下世界で蟻と暮らしていた。
やがて食料が少なくなってくるとソツナンが第二の世界を創り始めた。
陸地を創り水を撒き、完成すると人々を招き入れた。
この世界は人々に必要なものは、すべてそろっていた。
しかしすぐに人々はそれ以上のものを求め始めていった。
そして翌に駆られた人々はついに戦を始めてしまった。
ある日突然ソツナンが現れ、タイオワの教えを守っている少数の人々を避難させるようにコクヤンウーチーに命じた。
コクヤンウーチーは、第1の世界の時と同じように蟻の巣へ避難させた。
そしてソツナンは両極にいる双子に命じ、地球の回転をめちゃめちゃにさせた。
山が壊れ海に落ち、巨大な洪水が起こった。
やがて氷の中に命が閉ざされた。
これが第二の世界トクパの終わりである。
第3の世界
何年もの間、第二の世界は氷に閉ざされていたが、人々は蟻の巣で平和に暮らしていた。
今回は食料に気を配り、食べすぎないように気を付けていた。
ソツナンは双子に命じ、地軸をもとに戻させ第3の世界を創り始めた。
海を創り山を置き、動植物を創った。
第1の世界はシンプルに動物と暮らし、第2の世界は道具を作り家や村を作った。
この第3の世界では大きな街や国を作り始めた。
しかし、こういった発展はタイオワやソツナンへの感謝の気持ちを薄れさせ忘れさせてしまった。
そして人々は再び戦争を始めてしまった。
このままでは教えを守っている人々の命が危ういので、ソツナンとコクヤンウーチーに救出を命じた。
コクヤンウーチーは中が空洞になっている植物の茎の中に人々を避難させ、コーンミールと水を入れ密封した。
これと同時にソツナンが世界を破滅させるために現れた。巨大な波が山を砕き大陸をバラバラにし、海に沈んだ。人々が入った茎は長い間海に浮かび続けた。
第4の世界
ソツナンは言った。
ここは第4の世界で完全な世界だ。
この世界は以前のようにすべてが美しいわけではも、簡単な世界でもない。
高さも深さもあり、厚さも冷たさもある。
自分たちで選び世界を造り上げて行け。
助けが必要な時は神の声を聴け。
こう言い残してソツナンは去っていった。
人々が歩き出すとハンサムな神マサウが現れた。
彼は第3の世界を管理していたタイオワに対して尊大になってしまい、この世界の世話係を命じられた。
「今、お前たちはこの世界の西側の斜面にいるが、旅が終わったわけではない。
自分たちの住む土地を探しなさい。」
マサウはこう言って見えなくなった。
人々は再会を誓い、グループや氏族に分かれて移動を始めた。
こうして第4の世界が始まった。
それぞれの氏族は様々なルートをたどり、現在のホピメサ付近で再度終結することになった。
太陽氏族や蛇、フルートなどの氏族は北のルートをたどり、オウムや鷹などの蝶系氏族は南のルートをたどった。
南へ行ったグループの一部は戻って来ずにアステカやマヤの祖先になったと云われている。
以上がホピに伝わる予言や神話の内容です。
神話はなぜ存在するのか?
世界を見渡してみると、様々な民族がいて、その中に神話や予言のような言葉が伝承されています。これはホピだけのことではありません。
キリストなども神話、予言のような言葉が残されていますよね。世界に残る神話もなぜか似たり寄ったりの構成をしています。日本の神話も似たような構成になっています。
無があり、神が命を吹き込むことでこの世が誕生する。長い年月の中で幾度か大災害が起きた痕跡がある。洪水伝説はあちこちに残された文献、口伝により伝わっています。
今までの歴史の中で大きな災害が起きたことは確かなのではないでしょうか。それを神話のように伝えているのだと感じます。すべてを架空の空想とみるのは間違いのようですね。
大災害が起きるたび、人々は天の怒りだと感じたのでしょう。そこから神話が誕生したのではないでしょうか。日本では自然を神として崇めている神道が伝わっています。まさしく自然災害は神の怒りと同じという事になりますね。
予言は何故あるのか?
予言というものも人々の歴史から切り離せないもののようです。これは予測不可能な災害から身を護るための智慧なのではないでしょうか。または、人々の心が欲に惑わされないための戒めでもあるように感じます。
悪いことをすれば天罰が下る、そのように戒めることで人々を正しい道に軌道修正させるための言葉のようにも感じます。ですから、予言には悪いことが起きるというものがほとんどで、良い出来事に関しての記述はほとんど見られません。
例えば、月に人類が行った功績も予言では悪いことの起きる前兆のような書き方をします。人間はこんな風に進歩していき、素晴らしい世界が待っている、なんて書き方をする予言はないんですよね。科学の進歩が神の怒りに触れるようなイメージの書き方しかしないのです。
科学の進歩、物質界は神から見たらすべてが悪への道になっているような感じで書かれるのは何故でしょう。医学や科学の進歩で、人々の生活が便利になっていく中で起きる人間の精神状態を危惧しているのでしょうか。
しかし、昔も今も悩みのない人間はいないでしょう。人々の世界が完璧になったこともないでしょう。どんな世の中であろうとそこに苦しみも喜びもあります。お金持ちにも貧乏人にも悩みや苦しみがあるのと一緒です。人々の中にある恐れや恐怖が予言という形をとって現れているようにも思われます。
ホピの予言の真意
ホピの予言の9番目がこれから起きる出来事であると云われています。天上の居住施設といえば、今現代では宇宙ステーションのほかには当てはまるものがありません。ただし、この9番目の予言が現在を指しているのならの条件付きです。
何故なら、この先に宇宙に居住施設のようなものが他に現れる可能性もあるからです。そうなれば、この9番目の予言はもっと先の未来という事になります。
また、その時には青い星が現れるとありますが、そのような青い星を特定できるような現象は起きていません。そしてその時に、ホピの儀式が終わるのですが、ホピの儀式が何を指すのでしょう。世界の破滅とは書いていないですよね。
ホピの儀式が何を指しているのかが、重要なカギの言葉ではないでしょうか。ホピの人はこの儀式の意味をどう解釈しているのでしょう。2012年にマヤのカレンダーが終わる=世界の終わりと予言されたことがありました。しかし、それは間違っていましたよね。
予言とは読み手の解釈によってどのようにも取れるような曖昧な言葉になっているものがほとんどです。予言のような事が起きるといってもいつ?どこで?などの記述はないものがほとんどです。
人の遺伝子の中に、『いつかこの世が終わる』といったものがインプットされているのかもしれません。
始まりがあるものには必ず終わりがあります。そんなものに一喜一憂するよりも一日を一生懸命生きることの方が大事ではないかとも思います。
神とは?
世界にある神話のほとんどが似たような構成になっている気がします。元は一つの話があり、それが世界に広がることで尾ひれや神の名が変わっただけなのではないかと思えてなりません。
ホピの植物の茎の中は、カソリックではノアの箱舟になっていますよね。しかし、広い視野で見れば洪水が起こり、少数の人が何かに乗って助かったという基本の話は同じですよね。そのような事が起きたのでしょう。
また、大陸が海に沈んだという記述も、プラトンが言ったといわれるアトランティス大陸の話に似ています。これもまた、大きな大陸が海に沈んだという事実があったのでしょう。
人智を超えるような災害が起きた時、人は神の怒りという言葉で納得させてきたのだと思います。そんな大災害が起きたら理不尽としか言いようがないですからね。
神の責任にすることで、納得させていたのでしょう。この先も大きな災害は起こるでしょう。それは自然界の摂理であり、宇宙の摂理であり、人間がどうこうできるものではありません。
そんな大きな力はすべて神の御業という事になるのでしょうね。
人の歴史
人類が生まれてどのくらいの時間が流れているのか、真実はわかりません。しかし、このような昔の人の言い伝えや神話などからその当時の人々の思考を垣間見ることは出来ます。何が起きたのかも、大雑把には予測できますよね。
ホピ族が北極と南極の存在をいつから知っていたのかという疑問も出てきました。地球が丸いこと、回転している事を知っていたような話が神話にありましたね。あの神話はいつからあるのでしょうか?
そんな疑問が増えてしまいました。