自然は残酷なのだということを認識しないと、大きな過ちを犯すことになる。
ヒグマの恐ろしさを甘く見たために起きた恐ろしい事件があります。
北海道北西部の苫前村で発生した事件が三毛別ヒグマ事件です。
(ウィキペディアより)
生き残った10歳の少年が視た惨劇!
1915年(大正4)12月、その惨劇が幕を開けたのです。
この村の人たちは、自然と共存する生活を長年している中で、物事を甘く見始めていた状況が続いていたようです。
例えば、民家の軒下にトウモロコシが吊る下げてありました。
そのトウモロコシを熊が二度にわたり食い荒らしたことがあったのにもかかわらず、熊に対しての警戒心がなかったので吊る
この時に民家の場所まで熊が来ていることを重要視して、村人に知らせておけばこのような惨劇も防げたかもしれません。
しかし、熊に対しての警戒心が甘く、イノシシぐらいの感覚でいたのかもしれません。
慣れというものや怖さを忘れた人間ほど愚かな行動をするものです。
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最初の被害者!
ヒグマの最初の被害者になったのは9歳の島川家の少年でした。
用事があったか、その家を訪ねた者が炉端で身動きをしない少年を不審に思い近付いて仰向けにさせると、のどの部分の肉がえぐり取られ、そこから血が噴き出して胸から膝へと流れ落ちていたのです。
さらに左頭部は大きな穴が開き、血が耳から方へ流れていました。
家の中を見回すと息子の母親の姿が見当たりません。
この異常な光景に村人たちが集まり、島川家の家の中をくまなく確認します。
すると布団は裂かれ、多量な血が染みついていました。
さらにあたりを見て回ると、窓枠の裂け目に根元から抜け落ちた母親であろう長い毛が絡まっていることに気が付きます。
村人たちはこの惨劇を引き起こしたものが熊だと気づくのです。
おそらく母親は熊に運び去られたのだろうと推測します。
無残な遺体!
翌日に50名近い村の男たちが集まり、山を散策することになります。
散策して日が傾きかけたころにやっと連れ去られた母親の遺体を発見します。
その遺体は見るも無残な肉体の切れ端の状態になっていたのです。
見つかったのは、頭蓋骨と一握りの頭髪、黒足袋に脚絆を付けた膝下のみになった片足のみでした。
捜索隊の一人が「おっ母が少しになっている!」といったそうです。
惨劇を見てしまった10歳の少年!
島川家の祭祀の艶が営まれたその時に、さらなる惨劇が襲うのです。
何とその通夜の席に壁をぶち破って熊が侵入してきたのです。
近隣の家に身を寄せていた2家族4名も殺害されてしまいます。
生き残った3名も重傷を負い、家の内部は血が床に流れ、柱や天井にまで血しぶきが飛び散っているような凄惨極まる状態でした。
4名の使者のうち3名は子供で1名は臨月の女性でした。
この妊婦が襲われた瞬間を隠れていた10歳の少年が視てしまうのです。
熊の荒々しい呼吸が聞こえる中、土間の陰に隠れていた少年は骨をかみ砕く音も聞いたといいます。
さらに妊婦を襲う熊に対して「腹を破らんでくれ!」と懇願する女性の声も聞いていたのです。
その女性の叫び声にも似た最後の懇願の声を聴いて少年は気を失ってしまうのです。
目撃者の老婆の話
妊婦が殺された部屋で布団をかぶり難を逃れた老婆がいました。
老婆は熊が侵入してきた時から一部始終を見ていたといいます。
熊は壁をぶち破り、炉を飛び越えて入ってきたといいます。
荒々しい熊の動きで大なべはひっくり返り、火が消えて部屋の中は逃げ惑う人たちがランプを蹴って暗闇状態になってしまいます。
闇になる直前に見えた熊は牛馬よりも大きく、頭は岩石のように見えたと伝えています。
老練の猟師に助けを求める!
集落の近くにクマ打ちの老練の猟師が住んでいました。
村人は彼に助けを求めます。
長年、熊と戦ってきた猟師だからこそ知っている知識で村人に説明します。
島川家の母親は食べられていたのに、息子はなぜ食べられていなかったのか?
「なぜ子供を食わぬのかわかるか?最初に女を食った熊はその味になじんで女ばかりを食うようになる。男は殺しても食ったりするようなことはない。」
猟師が言った言葉を裏ずけるように、熊が侵入した家々の中は女性が使っていた湯たんぽや腰巻がずたずたに裂かれていたといいます。
その後、この熊はこの老練のクマ打ちによって絶命します。
しかし、1発心臓に命中しても倒れず、2発目の弾が額に命中してやっと絶命したといいます。
ヒグマを甘く見てはいけない!
最近、熊を殺したことに、かわいそう!残酷だ!という苦情が多く寄せられているらしいですね。
ヒグマを打つ猟師もそのような苦情が殺到したせいでやめてしまったような話も聞きます。
甘い感情論でヒグマが増えて、人を襲う被害が増えた時に彼らは責任をとれるのでしょうか?
自然は人間の感情など理解してはくれません。
共存の意味をはき違えて、最悪な結果にならないことを祈ります。
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