現地時間12日、クラブに対して書面で移籍を志願したマンチェスターC(イングランド)のFWカルロス・テベス。クラブは同選手の事情に配慮してきたとし、移籍希望を認めなかったが、テベスは意思が固いことを強調し、一部のクラブ関係者との折り合いが「修復不可能」な状態であることを明かした。ロイター通信が報じている。
2009年にライバルのマンチェスターUからマンCへ移籍し、リーグ戦50試合で33ゴールと好調を維持しているテベス。だが、以前から家族がいる南米へ戻りたいとの希望を口にしていた同選手は、8月に現役からの引退も考えることをほのめかしていた。
だが、クラブはテベスの移籍希望に対し、「このように気が逸らされるのは、残念であり、歓迎されない。クラブは非常に有望なシーズンにおける今後の試合に集中し続ける」と発表。テベスの要請を却下した上で、「ドアはカルロスに開かれたままだ」と、同選手の“復帰”の道は残っているとした。
しかし、地元メディアが報じた声明の中で、テベスは「しばらく前から感じていたことで、長い時間をかけて考えてきた」とコメント。「今は頭をすっきりさせる必要がある。これはキャリアの重要な局面だからだ。僕の気持ちは変わらないし、こういう状況になったのは遺憾だよ」と、移籍の意思を覆すつもりはないと強調している。
さらに、テベスは「一部の役員や関係者と僕の関係は壊れてしまった。今ではもう修復不可能だ。現時点ではこれ以上明らかにしたくない。僕は彼らと話したから、彼らは分かっているはずだ」と、クラブ内部での確執があることを認めた。メディアはロベルト・マンチーニ監督との確執を報じているが、テベスは「個人的にマンチーニ監督と問題がないことを明確にしておきたい」とこれを否定。オーナーのシェイク・マンスール氏に対しても、理解と支援に感謝の意を表した。
「夏に移籍したかったけど、そのときはクラブに残ることで納得した。残念だけど、僕の気持ちはそれからも変わらなかったんだ」と語るテベス。一方でクラブは、移籍要請却下の声明の中で、テベスの代理人であるキア・ジョオラビシアン氏が契約内容の更改を度々求めてきたこと、最近も1年間の契約延長を迫ってきたことを明かしている。
クラブは代理人側の動きに「落胆」を示すとともに、「シーズン中に契約更改について交渉はしないという方針に従い、これは認められなかった」と発表。「カルロスの5年契約はあと3年半残っており、彼はクラブで最も高額な報酬を得ている選手だ」と、契約延長を求めるのは間違っていると主張した。
だがこれに対し、テベスは「他人から間違った影響を受けていると、クラブがほのめかしたことは遺憾に思う」とコメント。クラブの主張に反論している。