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2015年11月26日

Scoovo C170 造形の基本ノーハウ2

DSCN2291.JPGファンのかどのアルミテープ


 ScoovoC170を購入して右も左もわからずに造形をはじめてしばらく、うまくいかずサポートに電話して相談しました。そのときの症状は

「(a) ホットエンドの温度がなかなか上がらなくなった。
購入した当時はすぐに造形が始まったが、温度上昇の待ち時間がすごく長くなった」 また

「(b) 造形時にトントンという音が出るのでエクストルーダーのカバーをはずして観察すると送り歯車が回りきれずに回転が一瞬もどっている、これが起こっているときは造形が滞っている」

というものです。
(b)についてはステップモーターからの力の伝達機構に欠陥が生じたのではないか、したがって部品の交換が必要ではないか、と疑いました。
しかし、それは「ダッキング」という現象で一定以上の力でフィラメントが送られないときはフィラメントが削られるのを防ぐために力を逃がすという仕様だということです。
確かにこのような仕組みは必要だと思いました。
そもそも(b)のダッキングがおこるというのはフィラメントの温度が低く(a)と関係しています。
温度についてはヒーテッドプロックにヒーターや温度センサーが芋ねじでとめられているのでそれを調べる必要がある。場合によっては一度送って調べましょう、などということで
話を終わりました。

 ここで学んだことは「温度管理が優先的に重要である」ということです。
あらためてエクストルーダーをみると、ファンの風がヒーテッドブロックに当たっていることに気づきました。「ファンは何を冷やしているのだろう?」と考えたときにそれは、「送り機構の位置のフィラメントが軟らかくならないようにするため」と思いました。
「ならば風はヒーテッドブロックに当たらないようにしたらどうだろう」ということで上図のようにアルミテープをファンのかどをおおってみました。何とこれで劇的に温度が上昇するようになりました。
 ダッキングの回数が減るように温度を240度にしたりして造形が成功するようになりました。
「造形中にフィラメントの流出がとまってしまう」ときはともかく「温度を上げてそれから問題の起こらないところまで下げる」ということで対応できました。
 ただし、ScoovoC170の限界温度は250度程度のようです。上げすぎるとエラーが発生する可能性があります。
 さて、これでScoovoC170をサポートに配送することをせずにしばらく造形を続けることができました。
今回のノーハウは
「造形中にフィラメントの流出が滞るときはともかく温度を上げてみる、それから問題のない温度まで下げる」
「温度が上がらないときはファンのかどにアルミテープをつけてヒーテッドブロックが冷やされないようにする」
ということです。記事「造形の基本ノーハウ1」も忘れないでください。
 今日はこれくらいにしておきます。
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