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2016年12月17日

Scoovo C170 くせものフィラメント、ノズルの劣化、ヒーテッドブロック(リモコン格納ボックス、郵便物ボックスの製作において)

 小物の製作をしました。

 テレビやエアコンを操作しようと思ったときリモコンの探索にいらいらしたことはありませんか。
 リモコンボックスを準備してそこに格納します。

 毎日やってくる郵便物はすぐには読むことはできません。これはゴミ箱行き、これは保管、これはすぐに手続き、と分類するまで少し時間がかかることがあります。
 そこでテーブルの上に郵便物一時格納ボックスを準備することにしました。

 リモコンボックスは写真手前中央です。

 リモコンボックスを作成してみたら、これはボールペンや道具を立てて格納するのに便利なことに気付きました。右の2つは高さを少し低くして作成しました。

 左2つと中央後ろは、容器の仕切りを斜めにして幅のある郵便物も格納できるようにしました。
 リモコンボックスは14×14×高さ10センチ、郵便保管ボックス(突き出た仕切りは除く)と道具立ては同×高さ8センチです。
DSCN3221.JPG



《ノズルの劣化》


 リモコンボックスにしても郵便物保管ボックスにしても壁面に穴があっても不都合はありません。むしろ中がよく見えてまたフィラメントの節約にもなります。

 そこでかなり大きな円形のくりぬきをしました。
DSCN3233.JPG



 しかし、これがトラブルを引き起こしました。

 図のように円の上部がつながるときに、突き出た部分が跳ね上がってノズルの先端をはげしくこする現象が起こりました。最初の図のようにいくつかはなんとか製作できたのですが、あるときから跳ね上がりが激しくなってとても危険な状況になったので制作を中断しました。

 このあと、ブルーのScoovoの造形が不調になりました。

 『ノズルの目詰まりはない』のにスカートからしてなめらかにプリントできません。フィラメントの流出が太くて短かくくびれるか気泡が混ざっている感じです。

 やむなくノズルを交換しました。

 ノズルの寿命を調べるためにフィラメントの使用量を記録しています。
 データがたまったら公表したいと思っていますが、現在の中間報告では、

      1本のノズルでのフィラメント流出量は10キロ弱(つまり10リール弱)

と思われます。

 ところがこのブルーのScoovoのノズルはまだ4キロにも達していません。目詰まりも起こしていません。

DSCN3218.JPGDSCN3219.JPG


 ノズルを取り外して新品と比較してみました(上図)。

 左のようにノズルの穴が大きくなっています。原因は右図のようにノズルの先端が摩耗したためです。

 摩耗の原因は前図の跳ね上がった造形物との摩擦と考えられます。PLA樹脂は以外と固く何回もこすると銅はすり減ります(Scoovoのエクストルーダーの移動の力はすごいです)。
 この現象は避ける必要があります。

 目詰まり以外でノズルがだめになる現象をはじめて確認しました。

 ノズルの先端をぎゅっとつまんで穴を小さくする道具があれば使用可能にできるでしょう。しかし、そのような道具が手元にありません。


《ヒーテッドブロックの損傷》

 そして、トラブルはそれだけではありません。

 ノズルを交換するときにヒーテッドブロックを割りますが、アルミの中の雌ネジの溝が黒く焦げたようになってネジが効かなくなりました。推測ですが、ノズルが跳ね上がりにぶつかるときにブロックが激しく振動してネジをだめにしたと思います。

 このような予定外の振動は、記事「Scoovo C170 造形の基本ノーハウ3」では「赤い耐熱カバーのついた配線の圧着接続」を黒く焦がしてだめにしました。似たような現象だと思います。

DSCN3216.JPG そこで以前から考えていた方法を実践しました。

 図のように手元にあった0.9ミリ径の銅線を2回まわしてノズルとブロックを固定しました。

ネジは使用しません。


銅線の端をひねって固定するときにはこびりついたフィラメントかすを溶かして結合するためにヒーターを加熱する必要があります。注意の要する作業です。しかし基本的にはアルミネジをしめるときと同じです。

 ちょっと痛々しい感じですが、実は私はこれで十分だと思っています。

 「Scoovo C170 造形の基本ノーハウ3」で述べたようにこれで機能します。むしろ溝が飛びやすいアルミネジよりこのほうがしっかり結合できます。

 現在のところこれで快調です。


 参考までに、右は造形の不具合を調査中に撮影したものです。ノズルはまだ交換していません。アルミネジは未練がましくまだ入れてあります(左の方が効かない)。
 太くなった穴の先端からフィラメントが垂れていますが、造形時の流出状況もこんな具合です。目詰まりしているわけではないので密度100パーセント近くでのプリントは可能です。しかし低い密度での内部の格子構造はかすれてしまって造形できません。
 細いなめらかな流出が必要です(下方の写真参照)。

 このようになると円の上部の跳ね上がりが起こりやすくなるはずです。

DSCN3190.JPG



《くせものフィラメント》

 インターネットを探していたら1キロ1980円(これまで使用しているものと同じ値段)で出品されているフィラメントを発見しました。試しに3リール購入しました。

 これはくせものでした。PLAというだけで使用温度などのスペック記載がありません。色はやや緑がかった透明色なのですが、暗くするとしばらく緑の蛍光を発します。

 これを用いた造形物はまた別の記事に載せたいと思っています。

DSCN3187.JPGDSCN3203.JPG


 上左の図はこれまでの性格の良いキロ1980円フィラメントです(白)。右が今回購入した蛍光フィラメント(キロ同じ値段)です。ともに造形可能な流出状態です。しかし右はフィラメントがなめらかではないことが分かります(ぶつぶつが見える)。これは目詰まりを起こしやすいようです。

 左はシルバーのScoovoで、右はノズル交換したブルーのScoovoです。左のノズルでのフィラメント使用料は現在3キロ弱ですが、こちらのノズルで蛍光フィラメントを使用すると途中で流出が止まってしまいがちです(完成までもつこともある)。

 右の新しいノズルでは問題なく造形できました。しかし最近は右のノズルでもときにダッキングが出てプリントがかすれるようになりました。

 現在、残りの1リールと少しは特に蛍光色の造形が必要になるまで保管状態です。


《結論》

 今回のトラブルの原因は壁面に大きな円形の穴をあけたことです。
 製作中に円の上部での跳ね上がりを防止するには何らかのサポート材を準備する必要があります。三角形のような穴ならば跳ね上がりは起こらないはずです。

(1)大きな円形の穴はあけない(小さなものは問題がない)。

(2)どうしても大きな円形の穴が必要な時は適切なサポート材を作成する。

サポート材を使用しないとき、構造物の空中へのせり出しの角度による造形の乱れについて簡単な実験をしてみました。

 次回以降で記載したいと思います。それではまた。

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