2022年07月30日
季語「盂蘭盆(うらぼん)」俳句十選
7月13日から16日の間は、お盆です。お盆は正式には盂蘭盆(うらぼん)と言います。
古来より、先祖が浄土より地上へ戻ってくると考えられています。
ですので、先祖の精霊をお迎えして供養する期間として、お彼岸とともに、日本人が大事にしている仏教行事です。
うらぼんとはあまり聞きなれない言葉ですが、これはサンスクリット語で、「逆さ吊りの苦しみ」を意味するウラバンナから来ていると言われています。
釈迦の弟子に目連という人がいました。目連は神通力で亡き母が地獄で逆さ吊りの刑を受けていると知りました。そこで、目連は釈迦に教えを乞います。釈迦は「7月15日に多くの高僧を心から供養すれば、三途の苦しみから救えるでしょう」と説きました。目連がそれを行ったところ、母が無事往生することができました。
これがお盆(盂蘭盆)のはじまりとされています。日本では、推古天皇が606年に「推古天皇十四年七月十五日斎会」を行ったのが、最初です。
俳句では、盂蘭盆会・盆・新盆・魂祭・精霊祭・魂棚・霊棚という季語でも表わすことができます。
一.土間よりの 馬の匂ひの 盂蘭盆会 滝澤伊代次
二.携帯の チチロチロチロ 盂蘭盆会 榎並恵那
三.うらぼんの 降る気で降って 甲斐の雨 廣瀬直人
四.立ちかこむ 杉真青に 盂蘭盆会 水原秋櫻子
五.ここたどる 盆花ぬれて にぎやかに 飯田蛇笏
六.すたすたと 盆道を来る 仏かな 鈴木真砂女
七.アパートの 鉄梯盆僧 ただ登る 中村草田男
八.新盆の 砂山に焚く 千羽鶴 飯島晴子
九.旧盆や 浅間大影 日が暮れぬる 村山故郷
十.流木の 盆供に遅れじと急ぐ 鷹羽狩行
いかがでしたか。今回は、盂蘭盆(お盆)の俳句を選んでご紹介しました。
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