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2022年12月04日

東海地方で知られているなごや七福神巡り 七福神についてもわかりやすく解説します


日本では、古来より「七福神詣で」という風習がありました。

新年を迎えた年始に、七福神をまつる七つの寺社を参詣し、その年の開運招福を祈願します。

江戸時代に盛んになり、現代でもこの風習は残っています。

今回は、七福神についてわかりやすく解説するとともに、東海地方で知られている「なごや七福神」について取り上げます。

七福神についてわかりやすく解説


お正月に宝船に乗った七福神が描いている絵を目にします。

七福神は、布袋尊・寿老人・福禄寿・毘沙門天・恵比寿天・大黒天・弁財天の七つの神様からなります。

意外と知られていませんが、七福神のうち、日本の神様は恵比寿天だけで、他は中国とインドの神様になります。

それでは、それぞれの七福神についてご紹介してまいりましょう。

布袋尊(ほていそん)


布袋尊は、弥勒菩薩の化身と言われています。

いつも笑顔を絶やさず人々に接していたといいます。

大きな袋には、宝物がいっぱい入っていて、信仰の厚い人に与えられたといいます。

御利益は、笑福円満・幸福招来・平和です。

寿老人(じゅろうじん)


南極老人星の化身で、にこやかな微笑みをたたえ、手には巻物を括り付けた杖、そして、団扇や桃などを持ち、鹿を従えた姿が一般的に知られています。

団扇は難を払い、桃は長寿のしるしで、鹿もまた長寿の象徴であります。

御利益は、家庭円満・無病息災・健康長寿です。

福禄寿(ふくろくじゅ)


福禄寿は、幸福の福、身分をあらわす禄、寿命をあらわす寿の三文字からなる、中国道教の長寿神です。

南極老人星の化身であり、中国の村々に住み、人々の信仰を集めたといわれる仙人です。

長い頭、長いあごひげ、大きな耳たぶを持っていて、その容姿は印象的です。

年齢は千歳というから驚きです。

そのため、長寿や幸福の徳を持っています。

鶴と亀を連れて、左手に宝珠を、右手に巻物を括り付けた杖を持つ姿が特徴です。

御利益は、子孫繫栄・長寿長命です。

毘沙門天(びしゃもんてん)


毘沙門天は、四天王の一仏で、別名「多聞天」といいます。

七福神の中では唯一の武将の姿をしているのが特徴です。

右手に宝棒を、左手に宝塔を、足の下に邪鬼天の邪鬼を踏みつけています。

御利益は、出世開運・勝運招福です。

恵比寿天(えびすてん)


恵比寿天は、七福神の中で唯一の日本の神様です。

イザナミとイザナギの二神の第三子「蛭子」といわれています。

満三歳になっても歩かなかったので、船に乗せられて捨てられてしまいます。

やがて、漂着した浜の人々によって、手厚く祀られたのが、信仰のはじまりと伝えられています。

左手に鯛を、右手に釣竿を持った親しみ深いお姿は、とても馴染みのあるお姿です。

御利益は、商売繫盛・豊漁繫栄・五穀豊穣です。

大黒天(だいこくてん)


大黒天は、大自在天の化身といわれ、大国主命と神仏習合したものです。

一度、仏になったが、人々に福徳を授けるために、再びこの世に現れたといいます。
大地を掌握する(農業)神様でもあります。

大きな袋を背負い、打ち出の小槌を持ち、頭巾をかぶられたお姿が一般的に知られています。

御利益は、蓄財増進・五穀豊穣です。

弁財天(べんざいてん)


弁財天は、七福神の中で唯一の女性の神様です。

元はインド河(水)の神であったが、やがて、音楽の神・言語の神となり、日本へ伝わってきました。

当初は、弁才天と呼ばれていました。

その後、財宝や芸術に関係深い吉祥天の性格が吸収され、弁財天といわれるようになりました。

御利益は、金運上昇・芸道上達・音楽上達です。








なごや七福神について


なごや七福神は、名古屋市内にある七か所の真言宗に属する寺院が七福神の札所と定めた霊場のことをいいます。

開創は1987年(昭和62年)4月で、比較的に新しい霊場となっています。

車で回ることも可能ですが、名古屋都心部にある寺院もあるので、地下鉄と市バスを利用して巡ることをおすすめします。

地下鉄・市バス共通の一日乗車券もあります。


大須観音寶生院 〜布袋尊〜


始めは、大須郷(現在岐阜県羽島市大須)にありました。

能信上人が600年ほど前に、伊勢神宮のお告げにより、観音菩薩を本尊としたのが始まりとされています。

後醍醐天皇のご勅願により、「北野山真福寺寶生院」という寺号を賜りました。

その後、徳川家康が名古屋城建築の際に、現在の地に移りました。

江戸時代には、五重塔も建てられましたが、戦災によってなくなりました。

現在の本堂は、昭和45年に再建されたものです。

アクセスは、地下鉄鶴舞線大須観音駅下車徒歩すぐです。

八事山興正寺 〜寿老人〜


1686年(貞享三年)に、弘法大師の五鈷杵を授かった天瑞圓照和尚が草案を結んだことに始まります。

2年後には、尾張徳川家二代藩主徳川光友公の帰依により、開山しました。

以後、尾張徳川家の祈願寺として繫栄しました。

「尾張高野」と呼ばれて、厚く信仰されています。

境内には、東海三県唯一の五重塔が興正寺の象徴として建っています。

アクセスは、地下鉄名城線八事駅下車徒歩すぐです。

成田山萬福院 〜福禄寿〜


開山した時は、清須にありましたが、清州越しの際に、中区南鍛冶屋町に移転しました。

戦災にあい、消失してしまいましたが、昭和30年に再建。平成14年に、現在地に移りました。

成田山新勝寺の分院で、「名古屋栄の成田山」として親しまれています。

アクセスは、地下鉄名城線矢場町駅下車徒歩5分です。

如意山福生院 〜毘沙門天〜


名古屋市きっての賑やかな歓楽街錦にある福生院は、1386年(至極三年)に順誉上人が大聖歓喜天を奉安し、建立したのが始まりです。

名古屋城築城に伴い、現在地の袋町筋に移転しました。

「袋町お大聖天」と呼ばれて、繫華街の一角にあることから、老若男女問わずお参りが絶えないおてらです。

アクセスは、地下鉄東山線伏見駅下車北東へ徒歩5分です。

笠寺観音笠覆寺 〜恵比寿天〜


笠寺観音で親しまれている笠覆寺は、尾張四観音のひとつで多くの参詣者で賑わっています。

お告げを受けた禅光上人が浜に打ち上げられた霊木に十一面観音を刻み、小松寺を建立し安置したことが始まりです。

その後、寺は荒廃してしまい観音様も雨ざらしになっていました。

信心深い娘が笠をかぶせて雨露からお守りしました。

後に、娘は関白藤原基経の息子兼平に見初められ結婚しました。

信仰心に篤い二人は観音様に感謝し、仏殿坊舎を建てました。

そして、娘が笠をかぶせたことにちなみ笠覆寺と改称しました。

アクセスは、名鉄名古屋本線本笠寺駅下車徒歩5分。市バス笠寺西門下車徒歩すぐです。

如意山宝珠院 〜大黒天〜




宝珠院.jpg




宝珠院は泰澄大師が、1300年前に薬師瑠璃光如来を勧請し、開創したのが始まりです。

この地域では最古の寺院となります。

御本尊の薬師瑠璃光如来は、諸病平癒の御利益があります。

宝珠院の大黒天は、楠の一本彫りで大きさは五尺もあります。

右足を大きく前に踏み出しているのが特徴です。そのお姿から「はたらき大黒天」と呼ばれて親しまれています。

アクセスは、地下鉄東山線高畑駅下車西へ徒歩5分です。



宝珠院御朱印.JPG


宝生山辯天寺 〜弁財天〜


辯天寺は、大正14年に名古屋市港区周辺の土地区画事業に尽力した服部善之助氏(諱は惟信)が寄進を受けて、琵琶湖に浮かぶ竹生島弁財天の名古屋分院として建立したのが始まりです。

御本尊の弁財天は、彦根藩主大老井伊直弼が天守閣に安置して、信仰していたものです。

アクセスは、市バス多加良浦行き「弁天裏」下車徒歩5分です。





今回は、七福神についてわかりやすく解説したほか、東海地方では知られているなごや七福神についてもご紹介いたしました。

年始に七福神詣りをすることが良いですが、一年中行っても、御利益がなくなるわけではありません。

四季折々にお参りにするのも、一興かもしれません。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。







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今回ご紹介いたしましたなごや七福神の各寺院も掲載されておりますので、なごや七福神巡りでお出掛けする際には、ガイドブックとしてお使いいただける一冊です。

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