2023年01月12日
季語「左義長」俳句十選
今回、取り上げます季語は「左義長」です。
左義長というと?と思う方もいらっしゃるかと思います。よく呼ばれるのが、どんど焼きです。
左義長というと?と思う方もいらっしゃるかと思います。よく呼ばれるのが、どんど焼きです。
左義長とは
地域によって異なりますが、大抵は、小正月(1月15日)を中心に行われることが多いです。
以前は、1月15日が成人の日で祝日になっておりました。
しかし、現在では成人の日が1月第2月曜日になったために、それに合わせて行うところもあります。
私が住んでいるところも、これに合わせて実施しています。
全国各地で呼び名が違っています。
左義長、どんど焼き、道祖神祭り、鬼火たき、おんべ、三九郎など、確認されているだけで、30種類以上の呼び名があるそうです。
どんど焼きの火は神聖なものと考えられており、その火でお餅や団子などを焼いて食べると無病息災になる、あるいは災難が除かれると言われています。
また、書き初めをした紙を燃やし、舞い上がると習字が上達するとも言われています。
左義長は、もともと平安時代の宮中行事だったことがルーツとなります。
一月十五日の夜に、青竹を束ねて毬杖(ぎっちょう)三本を結び、その上に短冊や扇子などを添えて、正月飾りやお札などを焚き上げていました。
さらに、陰陽師が謳いはやしながら、行っていたそうです。
季語「左義長」俳句十選
どんど焼どんと雪の降りにけり 小林一茶
松尾芭蕉と与謝蕪村とともに、江戸時代を代表する俳人小林一茶の句です。
「七番日記」に所収されています。
小林一茶の俳句は、独特な表現方法や、題材の選び方から「一茶調」と言われて、「七番日記」が執筆された文化年間に確立しました。
その独特な表現方法で目立つ特徴として、擬声語・擬態語・擬音語を駆使することにあります。
一茶は早い段階から、擬声語・擬態語・擬音語を使っていましたが、「七番日記」以降に多用するようになりました。
この句はどんと焼と擬態語でどんとを掛けてあるところが面白みのある句かと思います。
雪深い信濃国柏原の情景が浮かびます。
左義長や星にとどけと火の柱 鷹羽狩行
現代俳句界の重鎮鷹羽狩行さんの一句です。「狩」に所収されています。
鷹羽狩行さんは、知的写生に独自の叙情性を加えて、自己肯定性やユーモア・ウィットを持つ句風と評されています。
私が住んでいる地域は、まだ明け暮れぬ早朝に点火をしていますが、地域によっては夜に点火します。
夜空に向かって火の勢いが良いことを詠んでおり、どんど焼の情景を率直に詠んだ句だと思います。
お飾りを焚いて真冬に戻りけり 長谷川櫂
朝日俳壇の選者でもある長谷川櫂さんの一句です。
「初雁」に所収されています。
正月飾りを焚き上げるのが左義長(どんど焼)です。
それまでの華やいだお正月気分が、左義長を境に日常生活に戻っていく心情を見事に表現されています。
左義長や婆が跨ぎて火の終 石川桂郎
左義長の火に照りどれも農夫の貌 後藤綾子
どんど焚く初めにことば次なる火 岡本眸
左義長の波に消えゆく火の粉かな 星野椿
どんど焼舞って折れたる新聞紙 川崎展宏
ひんがしに鈴鹿は青し飾焚く 大峯あきら
蒲公英の座を焦がして飾焚く 山口青邨
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