2022年12月22日
季語「柚子湯」俳句十選
今回取り上げる季語は「柚子湯」です。
冬至の日に無病息災を祈るために、家庭や銭湯でも行われます。香りが高い柚子の実をそのまま入れたり、細かく刻んだりしてお湯に入れたりします。
柚子の香りが日頃の疲れを癒してくれるほかに、温浴効果も相まって、体の芯まで温めてくれます。
冬至の日に無病息災を祈るために、家庭や銭湯でも行われます。香りが高い柚子の実をそのまま入れたり、細かく刻んだりしてお湯に入れたりします。
柚子の香りが日頃の疲れを癒してくれるほかに、温浴効果も相まって、体の芯まで温めてくれます。
季語「柚子湯」俳句十選
南無や南無 あと幾たびの 柚子湯かな 小沢変哲
小沢変哲は、俳優やラジオパーソナリティーなどで活躍した小沢昭一さんの俳号です。
俳句については、落語家入船亭扇橋を宗匠として、永六輔さんや江国滋さんらとともに「やなぎ句会」を発足させて、多くの俳句を詠みました。
この句は、今から20年ほど前に、NHK―BSで放送されていた「BS俳句王国」の番組内で小沢昭一さんが詠んだものです。
当時、私は点数が多い句などをノートに書き写していました。
この句を見た時に、何かしらハッとした感じがして書き写したことを思い出しました。
この時はまだ若かったので、南無や南無という表現がユーモラスに感じていました。
しかし、年を重ねるにつれて、あと幾たびのが実感しています。
天窓に 日のあるうちの 柚子湯かな 鷹羽狩行
日のあるうちのということから、昼間のうちに柚子湯に入ることの贅沢な気分が感じられます。
天窓とありますから、銭湯ではないかと思います。
ひと昔前の良き時代の情景かなと私は感じた一句です。
しまい湯の ふやけて重き 柚子袋 辻井桂子
柚子湯の情景を正確に詠んだ句であるなぁと感じました。
柚子を入れた袋をお湯の浮かべたのが、柚子湯です。
最後に入るしまい湯。
柚子袋を片付けようと、持ち上げると重いと感じます。
大抵は、お母さんがしまい湯に入るので、女性ならではの一句でしょうか。
今はお母さんがしまい湯に入るということはあるのでしょうか。
昭和の時代の話かもしれません。
野末まで 柚子湯を捨てに行くところ 中原道夫
峡宿の 柚子湯に燦と 日の浮けり 大橋敦子
柚子湯して 逝かねば逢えぬ 夫思ふ 柴田美佐子
腰痛の 夫の長湯へ 柚子を足す 鈴木栄子
金溜まることに 縁なき 柚子湯かな 鈴木真砂女
柚子湯出て 慈悲観音の ごとく立つ 上田五千石
柚子湯出し 顔つやつやと 古女房 日野草城
いかがでしたか。今回は、季語「柚子湯」を取り上げてみました。
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