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2019年05月23日

女の子の食卓(志村志保子著)の「妹の極上スクランブルエッグ」

VKnhzy1e.jpg


誰かのために料理をすることって、面倒くさくも楽しいですよね。
志村志保子先生の少女漫画「女の子の食卓」2巻に登場するのは、そんな「誰かのための料理」です。

スクランブルエッグといえば、油をジャーっと引いてガーっと作ってしまっても「それなりに食べれる」ものですよね。
けれど、この作品に登場するスクランブルエッグは一味違います。

卵を炒めるのではなく、バターでじっくりと湯煎していくのです。
そうすることでまるでホテルのスクランブルエッグのようにフワトロになるとのこと。

いいですね、フワトロ。
聞いているだけで心が躍る、声に出して読みたい日本語です。フワトロ。
これはもう作ってみるしかないでしょう!

作り方

cjZ9I1bR.jpg
マンガ内にレシピはないので、分量は自己流です。
といっても、材料は卵・塩コショウ・牛乳・バターととってもシンプルです。

FTh3gA39.jpg


今回は卵3個につき牛乳大さじ1杯半で作ってみました。
味は塩コショウで調整しておきます。

OFvcZLbJ.jpg

卵液の準備ができたら、お湯をわかしたお鍋に一回り小さいお鍋を入れ、バターを溶かします。

82_Y8kc6.jpg

バターがとけたら、卵液を投入。
火をごく弱火にします。

そして、ここからが長いのです。
泡だて器を取り出して、固まらないようにかきまぜ続けます。

お鍋の周りからゆっくり固まっていくので、焦らず、ともかくゆっくりとかき回し続けます。

ks2KqjgU.jpg


かき回すこと、おおよそ10分弱。
固まらないのではないかと心配になっていた卵液が、すっかり固まりました。

やることはとってもシンプルだけど、なんとも根気が必要になるレシピなのです。

食べた感想

VKnhzy1e.jpg

ふ、フワトロだー!
見ている分にはそこまで期待していなかったのですが、口に入れた瞬間ふわりととろける卵は確かにホテルっぽいお味。

バターをとかしているからかなんとなくリッチな味わいです。
泡だて器でずっとかきまぜていた効果なのか、「白身とったっけ?」というレベルに鮮やかな黄色もなんとなく嬉しいですね。

ただ、少し火にかけすぎてしまったのか、若干固くなってしまったところもありましたね。
これはまたリベンジしなければ。
完璧なフワトロにたどり着くまで、リベンジしなければ!


今回再現に使った「女の子の食卓」は、女の子の恋愛・友情・親子関係などが繊細なタッチで描かれる少女マンガです。
少女マンガではあるものの、なにも都合がよくない、どこかほろ苦いエピソードが多いのが印象的。

その中で、このスクランブルエッグが登場するのは、とても暖かい後味を残すエピソードです。
早くに嫁いだ妹が姉のもとに旦那さんの愚痴を言いに来る。
けれど、そんな彼女が作るのは、旦那さんのためだけのスクランブルエッグで―――…という内容。

詳しくはぜひ作品を読んでほしいのですが、読んでいると心があたたかくなります。
自分のためだけに適当に作る料理は適当においしいのですが、丁寧に作った料理はそれだけでおいしいんですよね。本当に。
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