2016年01月03日
ところ変わっても犬は同じ!?
今から約5〜6年前、初めて行ったネパール。
箱入り娘であった自分にとって、第三世界は刺激的過ぎた。
お腹は当然壊した。帰国後もしばらく続いたことには参った。
透明な水がいつでも出ることが恵まれた環境であることも実感した。
電気もしかり。
日本で暮らしていると気づくことができない当たり前のことが、当たり前でなくなる。
良くある話だが、実際に経験してしまうとそれまで構築していた価値観が崩壊してしまうのだ。
そんなネパールの山岳地帯で、1匹の犬と出会った。
真っ白い犬で、大きさはオオカミのよう。
ノミやダニがいるので触れなかったが、その風貌ははっきりと覚えている。
目は薄紫色。
まるで宝石のようだった。
犬種はおそらく雑種。
オオカミの血も入っているのかもしれない。
そんな一匹の犬が、朝食のとき現れた。
現地のモノではなく、カレーを食べていた。
この珍しい食べ物の臭いにひかれたのか、自分の周りをぐるぐる回り始める犬。
大きいので少し脅威を覚えた。
しかし、よく見るとその表情は穏やかで、少し甘えているようにも見える。
「ご飯ください」
家の犬がよく訴える、そんなまなざしに似ていた。
「ダメだよ。食べられない。」
事実、カレーは犬が食べてはいけない。
刺激が強すぎるからだ。
家の犬のように、その犬に声をかけてみる。
声に反応し、しっぽを振る。
そんなやりとりをしばらく続けると、犬はなんとお座りをした!
正真正銘の「ご飯ください」というおねだりだ。
自分はそう思った。
「ご飯は食べれないの。」
声を少し和らげて、しゃがみ、犬と目線をそろえた。
目がキラキラしている。
犬の右前足が遠慮がちに上がる。
本当は握手したいところだが、ぐっとこらえて肉球を触った。
そのとき、この犬と私の間で、心が通じ合う感覚があった。
仲良くなれた。
友情が結ばれた。
そんな感覚。
一期一会の出会いだった。
しかし、この出会いで気づいたことは、環境は違えど、犬は犬。
家の犬と全く同じ。
ネパールの山岳地帯で暮らす犬であっても、食べ物をねだったり、人間に甘えてみたくなったりするのだ。
それは、代わらぬ犬の性。
そんなことを目の当たりにしたとき、やっぱり犬はかわいいなあ、なんて考えてしまう。
ふと、あのときの犬との記憶が蘇るときがある。
あまりにも目が美しく、神々しくもあった。
その風貌と犬らしい甘えの表情とのギャップ。
ところ変われど、犬は犬なんだと思えた経験は、やはり自分が動物との共生にこだわる理由のひとつのように思えてならない。
あの犬は今も元気だろうか?
もしくは子孫が生き延びているだろうか?
二度と会えないけれど、あのとき結んだ友情は永遠に続く。きっと。
『POCHI』
箱入り娘であった自分にとって、第三世界は刺激的過ぎた。
お腹は当然壊した。帰国後もしばらく続いたことには参った。
透明な水がいつでも出ることが恵まれた環境であることも実感した。
電気もしかり。
日本で暮らしていると気づくことができない当たり前のことが、当たり前でなくなる。
良くある話だが、実際に経験してしまうとそれまで構築していた価値観が崩壊してしまうのだ。
そんなネパールの山岳地帯で、1匹の犬と出会った。
真っ白い犬で、大きさはオオカミのよう。
ノミやダニがいるので触れなかったが、その風貌ははっきりと覚えている。
目は薄紫色。
まるで宝石のようだった。
犬種はおそらく雑種。
オオカミの血も入っているのかもしれない。
そんな一匹の犬が、朝食のとき現れた。
現地のモノではなく、カレーを食べていた。
この珍しい食べ物の臭いにひかれたのか、自分の周りをぐるぐる回り始める犬。
大きいので少し脅威を覚えた。
しかし、よく見るとその表情は穏やかで、少し甘えているようにも見える。
「ご飯ください」
家の犬がよく訴える、そんなまなざしに似ていた。
「ダメだよ。食べられない。」
事実、カレーは犬が食べてはいけない。
刺激が強すぎるからだ。
家の犬のように、その犬に声をかけてみる。
声に反応し、しっぽを振る。
そんなやりとりをしばらく続けると、犬はなんとお座りをした!
正真正銘の「ご飯ください」というおねだりだ。
自分はそう思った。
「ご飯は食べれないの。」
声を少し和らげて、しゃがみ、犬と目線をそろえた。
目がキラキラしている。
犬の右前足が遠慮がちに上がる。
本当は握手したいところだが、ぐっとこらえて肉球を触った。
そのとき、この犬と私の間で、心が通じ合う感覚があった。
仲良くなれた。
友情が結ばれた。
そんな感覚。
一期一会の出会いだった。
しかし、この出会いで気づいたことは、環境は違えど、犬は犬。
家の犬と全く同じ。
ネパールの山岳地帯で暮らす犬であっても、食べ物をねだったり、人間に甘えてみたくなったりするのだ。
それは、代わらぬ犬の性。
そんなことを目の当たりにしたとき、やっぱり犬はかわいいなあ、なんて考えてしまう。
ふと、あのときの犬との記憶が蘇るときがある。
あまりにも目が美しく、神々しくもあった。
その風貌と犬らしい甘えの表情とのギャップ。
ところ変われど、犬は犬なんだと思えた経験は、やはり自分が動物との共生にこだわる理由のひとつのように思えてならない。
あの犬は今も元気だろうか?
もしくは子孫が生き延びているだろうか?
二度と会えないけれど、あのとき結んだ友情は永遠に続く。きっと。
『POCHI』
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/4584995
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック