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posted by fanblog

2018年07月20日

河童が出てくるアニメ映画「河童のクゥと夏休み」

今日ご紹介するのは
アニメ映画「河童のクゥと夏休み」です。

主人公の少年が河童の子供を見つけて
「クゥ」と名付け、
一緒に暮らすことになるというほのぼのとした話で
河童の「クゥ」が可愛らしく描かれています。

また、映画に出てくる音楽や情景も美しく
物語の世界に引き込まれます。


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クゥは元々自然豊かな地で
お父さんや仲間たちと共に生きていました。
それが現代ではたった一人の河童となっています。
そんなクゥの心境や、昔と今との環境の違いなどが
見事に表現されていると思います。


この映画はわりと大人向けと言われています。

家族みんなで楽しむこともできると思うのですが、
結構残酷な描写もあるので、子供たちに見せるべきかどうかは
賛否両論ありそうです。


「河童のクゥと夏休み」は 原 恵一監督による作品で、
この方はクレヨンしんちゃんの映画
「嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」
「嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦」
の監督でもあるそうなので、
この二つの映画の雰囲気が好きな方にもオススメです。



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※この先は投稿者の感想です。
 ネタバレありなのでご注意ください。



この映画は、見る人により
何をメインと感じるか、どう受け取るかが違ってくると思うのですが
自分には全体的に人間社会に対する批判のように感じられました。

「ああ、やっぱり人間って良いよなぁ……」
と感じられるようなシーンも、あるにはあるのですが、
「妖怪や生き物の視点から見た人間の残酷さ」
の方が多く表現されているように思います。

もし本当に河童がいるとしたらどういう生き物なのか
現代に河童が現れたらどうなるのか
実際のところは分かりませんが、
登場する人間たちはリアルに描かれていて
「確かに人間ってそういうところあるな……」とか
「そういうこと、しそうだな」と思わされます。

人間以外の生物たちから見た「人間あるある」のような感じです。


なぜ「河童」じゃなく「生物」なのかというと
この映画に出てくる、主人公たち一家の飼い犬
「オッサン」(←犬の名前です)のエピソードが
作品にとってかなり重要なところであると思うからです。

「河童のクゥと夏休み」はタイトル通り河童の話であり、
DVDのパッケージに記されたあらすじなどにも
人間と河童の交流を描いた物語であるように書かれています。
犬が出てくるとか、犬の話だというところは
強調されていません。

しかし実際のところ、
クゥの最大の理解者であり心の支えであるのは、
オッサンなのではないかと思います。

そしてオッサンが登場することにより、
この話は河童という珍しい生き物だけでなく
すべての生き物や、自然をテーマにしたものなのだなと感じられます。


物語の後半では、クゥの存在が世間に知られてしまい
河童を一目見ようと人々が押し寄せ、
人気者のクゥを利用しようとする人も現れます。
そしてクゥはそんな状況に怯えることになります。


現実の世界でも
たまにUMAを追いかける番組などがテレビで放送されていて、
私もUMAや妖怪が好きなのでそういったものを見ることがあるのですが
UMAたちからは人間はどう見えているのか、
どう感じているのだろうかなどと色々と考えさせられます。

どこにでもいる生き物はさほど注目されないけれど、
絶滅したはずの生き物や新種が見つかった、となれば
きっとニュースなどで取り上げられ、急に注目されますよね。

でもその珍しい生き物たちも、昔はどこにでもいる
普通の生き物で、静かに幸せに暮らしていたのかもしれないと
感じさせられます。

好奇の目にさらされることや
特別視されることは人間であっても辛いものだと思うので、
生き物たちからしても大変なストレスだろうなと思います。


前述のように、この映画には
人間社会に対する批判が多く含まれているように感じられ、
見終わった後「ああ良かった!」と感動するというよりは
違和感、モヤモヤが残ります。
もっと正直に言えば、ちょっと憂鬱になります。

結局「もっと自然を大切にしなきゃ!」という話なのかもしれませんが、
それだけでもないかもしれません。
「人は完璧ではない」ということも言いたいのではないでしょうか。

そして人の社会で生きるがゆえに生まれる
失敗や悩みや問題に対し、
「こんなところが悪い!」
「こうだからいけない!」
「もっと直すべき!」
と批判しているだけ、というわけでもなく
「失敗があっても、問題があっても、みんなで生きていくことが大事なのでは?」
と言われているように感じました。


いずれにせよ耳が痛い映画でした。
良い意味で。



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