2021年07月12日
グロリアスーパー6 ノンスリップデフ
どうもです。
またしてもしばらくぶりの更新です。
梅雨の季節はやる気指数が大幅に下がります。
とは言いながら、関東地方の梅雨明けはそろそろ見えてきたようですね。
さて、今回はグロリアに装備されていたノンスリップデフについて軽く書いてみます。
S41Dグロリアスーパー6にはオプションでノンスリップデフが装備できましたが、これは元々一足先にトラック系(クリッパー、マイラー)に装備されていたものを乗用車にも応用したものでした。
ぬかるみや濡れた路面でのスリップの危険性が減少し、コーナリング時の安定も増すので安全性の向上に貢献する機構です。
原理はこの後のチラシにある程度記載されているので後ほど読んでいただければということで、当時乗用車に装備するというのは海外の高級車やスポーツタイプのクルマの一部に見られるだけで、恐らく国産乗用車では初だったのではないかと思います。
グロリアにオプション設定されたのは、発売後8か月ほど経った1964年の2月頃のようです。
1964年1月号のプリンス社報に新春よりオプション装着できるようになるという記事が載っており、今回紹介するチラシの発行初年度が39.2となっていることから判断しました。
ではチラシをご覧ください。
古いものですのでかなり痛みがありますが、本文は問題なく読めますので大きくして読んでみてください。
グロリアはプリンスのフラッグシップだったこともあり、先進装備は積極的に採用されたようなので、クリッパーとマイラーでその効果と実績のあったこのノンスリップデフを採用するのはある意味当然のことだったのかもしれません。
オプション設定当時、実際どの程度装着されたのかは資料がありませんが、残っている実車を見る限りそれほど多く装着されたとは思えません。
僅か2万円ほど(現在の貨幣価値と比べれば十分高価ですが)で装着できたのですが、その効果を理解できるユーザーが果たしてどこまでいたのか?
恐らくほとんどのユーザーは、もし装着されていたとしても言われなければ気が付かなかったのではないのかなと勝手に想像しています。
もちろんぬかるみなどでスリップするような状況になればすぐにわかりますが・・・
しかしその後、スペースフロー(2速半自動のプリンス独自のオートマチックミッション)装備車にはセットで装着されたので、もしスペースフロー車が残っていれば装備されているはずです。
まあ、ノンスリ装備車を探すよりもスペースフロー車を見つける方が大変そうですね。
因みにスペースフロー付きのスーパー6が発売されたのはこの年の9月からです。
このノンスリップデフはケースが赤く塗装されているのが目印で、通称赤デフと呼ばれていました。
後年車検の際にシャシーブラックで一緒に黒く塗られてしまっていることが多く、赤のままで残っていることは少ないようです。
デフオイルも通常の物とは別で指定されており、純正指定油種がデフオイル給油口のふちに取り付けられたリング状のプレートに記載されていました。
かなり昔の話ですが、知人が当時所有していたグロリアにはノンスリップデフが入っていたそうで、その当時整備に出していた整備工場ではわざわざ黒く塗られていたデフケースを赤く塗装してくれたらしいです。
まだその頃は当時を知っている方が居たからでしょうが、普通中々そこまでやってくれるお店はないでしょうね。
今はもう手放してかなり経つので、その整備工場ともお付き合いは無くなっているようですが、さすがにその頃の整備士さんも引退されているでしょう。
当時所有していたその知人によれば、山道などでのコーナリングはかなり通常デフよりもスムーズさを感じたそうです。
ノンスリップデフ付きのグロリアを後追いしているとコーナーでの動きが違うとも言ってました。
自分は実際に違いを確認したことは無いので上手く文章に出来ませんが、やはり装着されていると効果はしっかり体感できたようですね。
そういえば日産で復元したレース仕様のグロリアにはやっぱりノンスリは入っているのでしょうか?
昔、日産の記念車庫(現在のヘリテージコレクション)で見る機会があった時に、一緒に行った仲間と床下を覗いたりして結構色々見た記憶はあるんですが、ノンスリ付きだったかどうかの記憶が残っていません。
赤ければ覚えているはずなんですけどね〜
今回は以上です。
そのうちスペースフローについても書ければなと思います。
ではまた
またしてもしばらくぶりの更新です。
梅雨の季節はやる気指数が大幅に下がります。
とは言いながら、関東地方の梅雨明けはそろそろ見えてきたようですね。
さて、今回はグロリアに装備されていたノンスリップデフについて軽く書いてみます。
S41Dグロリアスーパー6にはオプションでノンスリップデフが装備できましたが、これは元々一足先にトラック系(クリッパー、マイラー)に装備されていたものを乗用車にも応用したものでした。
ぬかるみや濡れた路面でのスリップの危険性が減少し、コーナリング時の安定も増すので安全性の向上に貢献する機構です。
原理はこの後のチラシにある程度記載されているので後ほど読んでいただければということで、当時乗用車に装備するというのは海外の高級車やスポーツタイプのクルマの一部に見られるだけで、恐らく国産乗用車では初だったのではないかと思います。
グロリアにオプション設定されたのは、発売後8か月ほど経った1964年の2月頃のようです。
1964年1月号のプリンス社報に新春よりオプション装着できるようになるという記事が載っており、今回紹介するチラシの発行初年度が39.2となっていることから判断しました。
ではチラシをご覧ください。
古いものですのでかなり痛みがありますが、本文は問題なく読めますので大きくして読んでみてください。
グロリアはプリンスのフラッグシップだったこともあり、先進装備は積極的に採用されたようなので、クリッパーとマイラーでその効果と実績のあったこのノンスリップデフを採用するのはある意味当然のことだったのかもしれません。
オプション設定当時、実際どの程度装着されたのかは資料がありませんが、残っている実車を見る限りそれほど多く装着されたとは思えません。
僅か2万円ほど(現在の貨幣価値と比べれば十分高価ですが)で装着できたのですが、その効果を理解できるユーザーが果たしてどこまでいたのか?
恐らくほとんどのユーザーは、もし装着されていたとしても言われなければ気が付かなかったのではないのかなと勝手に想像しています。
もちろんぬかるみなどでスリップするような状況になればすぐにわかりますが・・・
しかしその後、スペースフロー(2速半自動のプリンス独自のオートマチックミッション)装備車にはセットで装着されたので、もしスペースフロー車が残っていれば装備されているはずです。
まあ、ノンスリ装備車を探すよりもスペースフロー車を見つける方が大変そうですね。
因みにスペースフロー付きのスーパー6が発売されたのはこの年の9月からです。
このノンスリップデフはケースが赤く塗装されているのが目印で、通称赤デフと呼ばれていました。
後年車検の際にシャシーブラックで一緒に黒く塗られてしまっていることが多く、赤のままで残っていることは少ないようです。
デフオイルも通常の物とは別で指定されており、純正指定油種がデフオイル給油口のふちに取り付けられたリング状のプレートに記載されていました。
かなり昔の話ですが、知人が当時所有していたグロリアにはノンスリップデフが入っていたそうで、その当時整備に出していた整備工場ではわざわざ黒く塗られていたデフケースを赤く塗装してくれたらしいです。
まだその頃は当時を知っている方が居たからでしょうが、普通中々そこまでやってくれるお店はないでしょうね。
今はもう手放してかなり経つので、その整備工場ともお付き合いは無くなっているようですが、さすがにその頃の整備士さんも引退されているでしょう。
当時所有していたその知人によれば、山道などでのコーナリングはかなり通常デフよりもスムーズさを感じたそうです。
ノンスリップデフ付きのグロリアを後追いしているとコーナーでの動きが違うとも言ってました。
自分は実際に違いを確認したことは無いので上手く文章に出来ませんが、やはり装着されていると効果はしっかり体感できたようですね。
そういえば日産で復元したレース仕様のグロリアにはやっぱりノンスリは入っているのでしょうか?
昔、日産の記念車庫(現在のヘリテージコレクション)で見る機会があった時に、一緒に行った仲間と床下を覗いたりして結構色々見た記憶はあるんですが、ノンスリ付きだったかどうかの記憶が残っていません。
赤ければ覚えているはずなんですけどね〜
今回は以上です。
そのうちスペースフローについても書ければなと思います。
ではまた
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いつもコメントの返しが遅くてすいません。
ノンスリップデフは装着車がどれくらいあったのかはとても興味があるんですが、実際にお目にかかったことは殆どありません。
オートマ車を複数台見たことがあるので、それらには恐らく装着されていたと思うのですが、床下を覗いて確認したわけではないので断定はできないんですね。
まあ、装着されていたとしても赤くはない(よほどこだわりのあるショップで整備されているとかしっかりレストアされた車でない限り)と思うので、もし装着されている車だったとしても気付ていないかもしれないです。
スペースフロー車については以前所有していた友人は居るのですが、それもかなり昔のことで私が知り合う以前の話なので実車は見ていません。
実際には一台見ているのですがこちらは少々特殊な車でしたので、この辺りはいずれ書いてみたいと思ってますので、詳細はそれまでお待ちください。
とは言いつつも、写真や資料が大してあるわけではないのでほとんど文字だけになりそうですが・・・
他に2型のボルグワーナー3速オートマ付きを何台か見ているので、恐らくそちらもノンスリップデフ装備だったと思います。
実はオプション設定されたのと同じ頃にスカイラインとグロリアのスポーツキットが発売されているんですが、そのキットにはノンスリップデフが含まれているんですよね。
このあと発売になるS54も確か最初はオプションでした。
商用車のマイラーやクリッパーのカタログでノンスリップと誇らしげに書いてあるのは見たことがあり、ノーマルデフと区別するためか自慢するためか?赤色塗装されていたのも知っていましたが、グロリアにも装着できたとは初耳です。
当時の悪路に過積載は当たり前の商用車に対して、ショーファードリブンとして大人しい使い方をされることが多かったであろうグロリアにどれだけの需要があったかは疑問ですが。
当時マイカーとしてグロリアを所有できるのは極一部の富裕層に限られたと思われ、LSD自体の認識もどの程度だったのでしょうか?逆にセールスマンの「装備すると走りが全然違いますよ」などという甘言にのせられて意外に装着車が多かったかも?この頃には生まれていないので時代の空気は想像でしかありません。
2速半自動ATのスペースフロー装着車、私は未だにAT嫌いですが興味はありますね。現存車はあるのでしょうか?