2023年02月24日
【日本三大怪魚】イトウはなぜ幻の魚なのか?
日本三大怪魚の一つに数えられる『イトウ』。
絶滅危惧種のため“幻の魚”と称されています。
釣り人なら一度で良いから出会いたい夢の魚ですよね。
なぜイトウは幻の魚なのでしょうか?
イトウって?
出典・photoAC
低い体高と細長い円錐形の魚体が特徴的な『イトウ』は、サケやマスの仲間になります。
口に入る生き物なら何でも襲いかかる獰猛な性格と、婚姻色で真っ赤に染まることから「魚鬼」でイトウと読みます。
その一方で、糸のように細いサケやマスの仲間という意味で「糸魚(イトウ)」と呼ばれるようになったという説も。
イトウの生息域
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現在のイトウの生息域は、北海道からロシアのサハリン州にかけて。
基本的には河川に生息していますが、海に下り沿岸域を回遊する降海型の個体も一定数存在します。
ちなみにイトウは英名で「サハリンタイメン」と呼ばれ、世界には5種類のイトウの仲間がいます。
イトウの生態
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日本に生息しているサケ・マスの仲間は秋に産卵します。
しかし、イトウは春に川を遡上して産卵します。
寿命も、日本に生息するサケ・マス類は4年前後である一方、イトウは20年上生きる個体も。
また、繁殖活動に参加するまでに4~8年ほど掛かるとされていて、一般的な魚類よりも成熟するのに時間が掛かるようです。
イトウ伝説
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イトウの最大記録は、1937年に北海道十勝川で捕獲されたという“215cm、26kg”という話が有名です。
写真や魚拓、剥製などが残っているわけではないので本当のところはわかりませんが、一般的なイトウの大きさとしては全長100~130cm、体重10~20kg前後まで成長すると考えられています。
そんなイトウですが、北海道の先住民族アイヌが語り継ぐ伝承の一つに、イトウに関する伝説があります。
熊が然別(しかりべつ)湖に飛び込んで泳いでいたところ、急にぶくぶくと沈んで見えなくなってしまいました。熊を追っていた狩人は、船を漕ぎ出して確認へ向かいます。すると、四、五十メートルもあろうかというイトウの主が、飲み込んだ熊を喉に詰まらせていたというのです。
イトウが“幻の魚”と呼ばれるワケ
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現在、北海道に生息する川魚としては最大種であるイトウ。
生態系の頂点に君臨するトッププレデターと言えます。
自然の摂理とは、“食われる者”よりも“食う者”が少なく存在するもので、イトウも例外ではありません。
生息数が少なく、メーター級ともなるとなかなか釣れない魚だからこそ、「憧れの魚」として“幻の魚”と称されます。
ちなみに、環境省が発行するレッドリストでは、20年または5世代以内に20%の確率で絶滅する可能性のある種。
絶滅危機に直面している種とされる絶滅危惧種に登録されています。
海と違い川という環境は人との距離が近く、人間活動による環境変化が起こりやすいです。
人が起こす急激な環境変化に適応できず、数が減ってしまっている事を意識しながら、接していきたいですね。
幻の魚が管理釣り場で釣れる!
今回は、釣り人の憧れでもある幻の魚イトウについて紹介しました。
幻になりつつあるイトウですが、環境が残されている場所や人が環境を整えている釣り場では決して珍しい魚ではありません。
とは言いつつも、春に河川へ繁殖のために遡上するイトウを狙った釣りは控えましょう。
「北海道まで釣り行くのは難しい......でもイトウを釣ってみたい」そんな方にオススメなのが、イトウが放流されている管理釣り場です。
イトウという魚は、北海道でも、管理釣り場であっても簡単に釣れる魚ではありません。
それでも「イトウを釣りたい」という目標を持っていれば、誰でも挑戦することはできます。
準備期間が長ければ長いほど、夢に見た魚を釣り上げたときには大きな感動を味わえるのではないでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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