2024年09月06日
冬になると全滅する?!『死滅回遊魚』って何だ?
生まれた場所とは違う気候の海域にたどり着いてしまい、季節変化によって死んでしまう魚を『死滅回遊魚』(季節来遊魚)と呼びます。
今回は、そんな死滅回遊魚について紹介します。
死滅回遊魚(季節来遊魚)って?
出典・photoAC
死滅回遊魚とは、『生まれた地点とは違う気候の海域にたどり着いてしまい、季節変化によって死んでしまう魚』のことを指します。
例えば、海水温の高い季節に沖縄で生まれた熱帯魚の稚魚や卵が、海流に乗って本州まで流れてくるなんてことがありますよね。
自らの力では回遊はできないこと、“死滅”は印象が悪い言葉であることから、「季節来遊魚」と呼ばれたりもします。
海流にながされてくる
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死滅回遊魚は、海流に流されて遠くまで流れ着きます。
普段は暖かい海に住んでいる魚が、回遊することができないにもかかわらず海流に流されてしまう。
流れ着いた場所では生きていくことができず、冬になり水温が下がることで、動きが鈍くなり死んでしまいます。
小さな魚や遊泳力の弱い魚は、海流に逆らって泳ぐことができないので、死滅回遊魚になってしまうというわけですね。
「メッキ」は釣り人にとって身近な死滅回遊魚
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釣り人にとって一番身近な死滅回遊魚と言えば「メッキ」ではないでしょうか。
アジの仲間の死滅回遊魚を総称して「メッキ」と釣り人は呼びます。
メッキの種類としては、ギンガメアジ、ロウニンアジ(GT)、カスミアジ、オニヒラアジがいます。
秋から初冬にかけて15~30cm程度に育ったメッキをポッパーやミノー、ジグやワームなどのルアーで狙えて、釣り人を楽しませてくれますよね。
意外な死滅回遊魚
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暖かい海に住む熱帯魚の代表格とも言えるクマノミも実は死滅回遊魚。
クマノミと同じく、水族館などで人気者なチョウチョウウオやツノダシの仲間も死滅回遊魚です。
意外なのがハリセンボン。
誰もが一度は名前を聞いたことがあるであろうハリセンボンも、本来は暖かい海に住む魚。
また、南方系のフエダイやハタの仲間も死滅回遊魚として知られています。
死滅回遊を繰り返す理由
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海流に流されてしまい、着いた先で季節進行による水温の低下に対応出来ずに、死んでしまう死滅回遊魚。
一見すると、無駄死にしているようにも見えますが、視点を変えると未来への投資にも見えます。
周期的に上下していると言われる海水温の変動に、「いち早く適応し生息場所を変えたり広げたりするための戦略」と考えると、非常に面白い生態に感じますよね。
現存している生き物たちは、言ってみれば様々な環境の変化に対応して生き残った、エリート集団。
さまざまな生存戦略や進化の中で、死滅回遊魚が取っている戦略が今は意味の無いことでも、いつか有効になるかもしれないのです。
実際に、近年の海水温の上昇で、死滅回遊魚が越冬するということも起きているようです。
冬を越せない尊い命
死滅回遊魚は、本来生息している暖かい海よりも海流によって遠くまで流され、季節の進行による海水温の低下に耐えられず死んでしまう魚です。
とは言っても、釣り人やダイバー達を楽しませてくれる存在です。
越冬はできないかもしれないけど、流れ着いてきてくれたことに感謝を持って接したいですね。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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