自民党派閥の「政治とカネ」の問題を巡り、自民は12日、旧安倍派の萩生田光一・元政調会長ら政治資金収支報告書に不記載のあった15人全員が衆院政治倫理審査会に出席する方針を野党に伝えた。自民執行部が、萩生田氏らが提示した衆院政倫審の年内開催などの条件を受け入れたことで「全員出席」が実現した。
衆院政倫審の与党筆頭幹事を務める自民の村井英樹氏は12日、国会内で立憲民主党の寺田学・野党筆頭幹事と対応を協議した。村井氏は協議後、「来週中に15人の審査を行う前提で話をした」と明かした。開催日などは13日の幹事会で議論する。
15人は萩生田氏のほか、稲田朋美・元防衛相や福田達夫幹事長代行ら旧安倍派の13人と、平沢勝栄・元復興相ら旧二階派の2人だ。15人は12日に審査申出書を提出した。審査は公開で行われる方向だ。
衆院政倫審を巡り、旧安倍派内では、11月末頃まで出席に否定的な意見が大勢だった。「出席意向」を表明しても開催が大きくずれ込み、問題が引き延ばされる可能性があったためだ。野党が再出席などの要求を強めれば、「執行部が応じるのでは」(中堅)との不信感もあった。