「自民党最後のドン」二階が自ら身を引くことを決断した。土の匂いのする政治家がまた一人去る。一方、厄介者を退場させたと官邸で小躍りする岸田。しかし、彼は重大な変化に気づいていない。
不出馬会見の真意
50年の長きにわたり政界に身を置き、「永田町の妖怪」と恐れられた男の最期は一見、あっけなく見えた。しかし、わずか10分の会見の中に込められた真意に気づいた者は一体どれだけいるだろうか―。
3月25日午前10時半、自民党本部4階にある会見場で元幹事長・二階俊博の不出馬会見が開かれた。次の衆院選には出ず、事実上の引退を決めた二階。うつむき加減でボソボソと原稿を読み上げる声はいつになく小さい。ところが中盤、突然背筋を伸ばしたかと思うとカッと目を見開いて、次のように語った。
「初めて国政に立候補したころ、名も無い私に、初めて会った人が朝ご飯を食べさせてくれました。私は大変感激をいたした次第であります」
何者でもない私に、ご馳走してくれた人がいる。そのことを生涯忘れない。「妖怪」がまだ人間でありし頃のエピソードを披露したのだ。二階派の中堅議員が言う。
「二階先生の信条は『どんな奴とも飯を食う』。分け隔てなく人と付き合うことで慕われてきました。
総理を輩出することがなかった二階派は『寄せ集めのガラクタ集団』と揶揄されることもあったけれど、みんな二階先生の人柄に惚れ込んで、鉄の結束を誇りました」
その言葉を象徴するかのように、懐刀である元幹事長代理の林幹雄が隣にピッタリと寄り添い、会見を支えた。
2024年04月02日
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