立憲民主党は、国会で審議中の首相や閣僚を含む特別職の国家公務員の給与を引き上げる給与法改正案に関して、法案が成立した場合には12月に支給される議員のボーナス(期末手当)の増額分を集め寄付する方針を、7日の常任幹事会で決定した。
この決定を受けて14日、衆院本会議前の代議士会で岡田幹事長が、「みなさんへのお願い」としてマイクを握り、寄付への理解を求めた。
「このままでは、12月8日の歳費の支給の際に我々(国会議員)の期末手当も、増額される。やはり法案を出して増額は反対と言った以上、そのお金を受け取るわけにはいかない。したがって、これを皆さんに党に寄付していただいて、公益性のある団体に寄付させていただく。大変恐縮ですけれどご承認いただきたい」
そもそも今回の法案では、首相や閣僚など特別職の公務員の給与が増額されるが、これに自動的に連動する形で、国会議員の期末手当についても年額で約18万円増額されることになり、かつ国庫への返納はできない仕組みになっている。
立憲民主党は、首相や閣僚の給与アップに反対するとともに、国会議員のボーナス増額も国民の理解を得られないなどとして、首相らの給与とともに国会議員の期末手当も据え置く修正案を10日に提出したが、衆院内閣委員会で与党などの反対により否決されていた。
こうした経緯を踏まえ、対案を出した立憲民主党の立場と党独自の寄付の方針について丁寧に説明する岡田幹事長の言葉に会場内からは「そうだ」と賛同の言葉があがった一方、自らの“ボーナスダウン”に渋い顔をしたり、苦笑いして隣と顔を見合わせる議員も少なくなかった。
そして後方に陣取ったあるベテラン議員は、「何でもかんでも常任幹事会で決めやがって」と、岡田氏には聞こえないくらいの声でヤジを飛ばした。
さらに「やるなら全党でやれよ、この貧乏神」とヤジはエスカレートしたが、岡田氏はじめ幹部に聞こえることはなく、スピーチが終わると岡田氏の後ろに控えた幹部はばらばらの拍手を送った。
立憲民主党には95人の衆院議員が所属するが、党内最大の「サンクチュアリ」など従来のグループに加え、最近は小沢一郎氏率いる「一清会」や、重徳和彦氏がトップを務める「直諫の会」などのグループ活動が活発化し、多極分散化している。
泉代表の「5年以内に政権交代」発言が党内から反発を招いたのは記憶に新しいが、「政権交代」の前に、多様な議員をとりまとめて野党第一党として存在感を発揮できるか、執行部は厳しい冬と共に、正念場を迎えている。1stバースデー
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