本稿は何度も追記したいです。
それは私にとって、関心のある
低温電子物性の話だからです。
今回は極低温での現象理解を進めた
バーディンについてご紹介致します。
バーディンは二回のノーベル賞を受けています。
一回目はベル研での仲間とのトランジスタの発明、
二回目は以下に記載するBCS理論です。
前述したカメリー・オネスの超電導現象の発見以後、
その現象を説明する為に色々な理論が試みられ
たでしょうが、イリノイ大学のバーディンを中心
とした3人がBCS理論を確立します。バーディン、
レオン・クーパー、ロバート・シュリーファー
3人の名前の頭文字を並べてBCS理論と呼ばれます。
このコンビの始まりはバーディンがクーパーを招聘する事から始まります。そこにバーディン研究室の大学院生、シュリーファー が加わり研究が進みます。
BCS理論の内容はフォノン(音子)を介した電子が対になった結果(クーパ対の考え方)、そのコンビがスピンを打ち消し合って結合するという理論でした。相転移温度をその理論で説明し、今日、超伝導を考えるうえで理論の基礎となっています。
このBCS理論の妙はフェルミオンである電子が凝縮状態をとるところにあります。本来、同じ状態をとる事が出来ない電子が対になってボゾン化することで巨視的な現象にとして観察される超伝導現象が実現するのです。
そもそも、金属中を移動する電子を単純な質点のモデルで考えると正の荷電をもった原子核の間を負の電荷が自由自在に無抵抗で動き回る事は到底出来ません。何らかの相互作用が起きて抵抗に繋がります。ところが、電子の波動関数を考え、波動的側面が顕著に現れる状態を作っていくのが超伝導現象だと言えます。その条件として大事な尺度の一つが温度だったのです。現時点での関心は遷移を起こす温度のメカニズムを解明する事です。現在での転移温度は高温超電導と言ってもマイナス百℃以下ですので転移温度に至るまでは液体ヘリウムや液体窒素を使って冷却しなければいけません。実用化しているリニアモーターカーや量子コンピューター等の応用技術も冷却した上で超電導現象を実現しているので、コストと安定性が課題となっています。転移温度が変わっていって、より常温に近い温度で現象を起こすことが出来ればメリットは非常に大きいです。温度に関わるメカニズムとして中嶋貞雄がバーディンに与えたヒントが繰り込み理論の応用でした。そのヒントは手法だったともいえますが、電気伝導に関わる要素(素粒子)が「どういった条件で」、「どういった役割を果たすか」が重要です。その手掛かりの一つが「ゆらぎ」に関するメカニズムではないかと考えている人が居ます。今後の大きな課題です。
以上、間違い・ご意見は
以下アドレスまでお願いします。
時間がかかるかもしれませんが
必ず返信・改定をします。
nowkouji226@gmail.com
2020/09/15_初稿投稿
2021/09/18_改定投稿
舞台別のご紹介へ
時代別(順)のご紹介
アメリカ関連のご紹介へ
熱統計関連のご紹介へ
量子力学関係へ
詳しくはコチラへ→【テキストポン】
【このサイトはAmazonアソシエイトに参加しています】
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image