超電導現象の理論的裏付けを解き明かした3人です。草稿を記載するのでご参考にして下さい。
ジョン・バーディーン_1908年5月23日 ~ 1991年1月30日
レオン・クーパー_1930年2月28日 ~(ご存命中)
ロバート・シュリーファー _1931年5月31日 ~ 2019年7月27日
【@バーディン原稿9/15投稿】
本稿は何度か追記する事になるでしょう。
とても関心のある低温電子物性だからです。
さて、バーディンは二回のノーベル賞を受けています。
一回目はトランジスタの発明、二回目は以下の
BCS理論です。
前述したカメリー・オネスの発見以後、
色々な考えが試みられたでしょうが、
イリノイ大学のバーディンを中心とした
3人がBCS理論を確立します。
バーディン、クーパー、シュリーファ
3人の頭文字を使いBCS理論と呼ばれます。
このコンビの始まりはバーディンが
クーパーを招聘する事から始まります。
そこにバーディン研究室の大学院生、
シュリーファが加わり研究が進みます。
その中身はフォノンを介した電子対が
スピンを打ち消し合って結合する
という理論でした。相転移温度を
その理論で説明し、今日の超伝導理論の
基礎となっています。
そもそも、金属中を移動する電子を単純な
質点のモデルで考えると正の荷電をもった
原子核の間を負の電荷が自由自在に
動き回る事は到底出来ません。何らかの相互作用
が起きて抵抗に繋がります。ところが、
電子の波動関数を考え、波動的側面が顕著に
現れる状態を作っていくのが超伝導現象
と言えます。その条件として大事な尺度
の一つが温度だったのです。
【Aクーパー原稿_9/16投稿】
初めに、本稿は関連用語の解説が
中心となリます。今後も含め、
分かり易い内容にしたいので
超伝導現象を明らかにした方が良い
と感じたからです。既に内容を
ご承知の方にはしつこく感じるかと。
そうでしたらごめんなさい。
クーパーはバーディン等と共に
BCS理論を確立しました。
クーパーはユダヤ系です。
賢い人種ですね。
そもそもBCS理論の大事な考え方
であるクーパー対をクーパーは
26歳の時に纏めています。
さて、本題。1911年のカメリー・オネス
の発見により通常の伝導性とは異なる
超伝導状態が存在すると明らかになりました。
定量的には絶対零度近くの
マイナス273℃=ゼロ・ケルビン(k)に近づくと
超伝導現象が起きます。その時は抵抗値ゼロです。
例えばニオブ(Nb)は9.22ケルビンで
超伝導状態になります。超伝導状態への
転移を上手く説明した理論がBCS理論で
あってそこでのCはクーパーの名前に
由来します。
ここで別の側面から超伝導状態を考えます。
温度を下げ相転移温度で超伝導現象が起きると
電流を流した時に抵抗値がゼロになりますが
同時に相転移温度で磁界に対して
変化が生じます。現時点での応用として
リニアモーターカーがあげられます。
細かくは超伝導体の内部で内部磁場が
ゼロになり、外部からの磁界を遮断します。
超伝導状態になった時に磁石が浮かぶ
写真は有名な例えですね。更に磁石は
極性を持ちますから、ラダーと呼ばれる
軌道で極性を切り替えていく事で
リニアモーターカーは進むのです。
この完全反磁性またはマイスナー効果
と呼ばれる現象は超伝導現象での
特徴の一つです。
ここで関連して磁力線について
整理したいと思います。
ご存知の通り磁石はNとSからなり
磁力を持ちます。一般的に模式図で
示される様に磁力線は片方から他方へ
ゆったりした曲線で繋がっていきます。
所が超伝導現象では内部へ磁力線が
侵入出来ない様な現象が起きます。
相転移の前後で形が突然変わります。
更には変化の違いで第一種超伝導体
と第二種超伝導体に物質によって分かれます。
これらの現象を理解する為にクーパー等
が確立したBCS理論が役立つのです。
この考えが発展していき、現代では相転移の温度が
どんどん高くなっています。実用上は常圧化で相転移を
起こすことが大事になっていますので
液体ヘリウムよりも安価な液体窒素で冷やせる
事が望ましいのです。実際、液体窒素の沸点は−196℃
ですので現在は、液体窒素で冷やす事で
相転移を実用出来る素材を中心に研究が行われて居ます。
さらなる進展に期待しましょう。
【Bシュリーファー原稿_9/17投稿】
BCS理論を作った3人のなかで
SはシュリーファのSです。
シュリーファはもともとMITで
半導体の研究をしていました。
半導体表面での電子の振る舞いを
研究していて、後に超伝導に移ります。
シュリーファがBCS理論をまとめた後、
世界での研究は常温での超伝導実現
に向けた研究が進んでいます。
高圧環境下で現象を起こしたりして
マイナス百数十ケルビン程度まで
転移温度は近づいてきています。
私が研究していた時代には
青学の秋光先生や東工大の細野先生
が挑んでいました。それぞれご存命
かと思われますので詳細は控えます。
科学史と言うより最前線に近いかと。
話し戻って、シュリーファは
晩年に自動車事故を起こし
人を殺めてしまい、懲役を課されています。
晩年に残念な事です。
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