2008年08月11日
桜田門外の変
昨夜のNHK大河「篤姫」は、桜田門外の変の話でした。
今まで、白虎隊や騎兵隊のページを、さも、判ったように作ってきた僕にとって、恥ずかしい話ですが、「歴史の見方が少し変わった日」となったと言えます。
白虎隊から始まり、騎兵隊・田原坂・壬生義士伝という一連の幕末ドラマを漠然と観ていた僕にとって、桜田門外の変や安政の大獄は、反体制側の視点でしか見ることのできないもとなっていました。極端な言い方をすれば・・・・井伊大老暗殺は幕末史においての象徴的な事柄に過ぎず、これから始まるプロセスへの過渡期でしかない・・・といった認識だったと思います。
井伊大老(中村梅雀さん)が断行してきたあらゆる強硬な政策に対して、事あるごとに反目してきた篤姫は、井伊の考えていることが徳川を守るという一念であったことを得心したことから、雪解けムードになりかけたところに起こる井伊大老暗殺。しかも、首(しるし)を挙げたのが篤姫と同郷の薩摩浪士だったという事実に驚きを隠せない篤姫・・・というところでドラマは終ります。
なんとも、複雑な暗示を含んだ展開だと今後の興味を抱かずにはおれません。
特に今日の話は、薩摩人でありながら、徳川家への忠誠へと傾いた篤姫と、馴染み深い薩摩人である西郷(小澤征悦さん)・大久保(原田泰造さん)・尚五郎(小松帯刀:瑛太さん)、そして、幕臣の中でも重要な役割を担う勝海舟(北大路欣也さん)との関わりなど、今後重要になっていく人々が総出演していたことも見逃せないことでした。
この後、徳川幕府が弱体化の一途を辿るドラマであることがすでにわかっています。ですから、そこへ至るまでの人間模様が今後の「篤姫」の最大の魅力だと思います。
繰り返しになりますが、この度の「篤姫」という大河ドラマは、今までの作品とは違って徳川幕府側から観た体制側のドラマです。
篤姫を観終わった時に、僕の幕末への認識にどれ程の変化が生じるか?
幕臣側としての最左翼の役割を演じた白虎隊・維新側としての最右翼の役割を演じた騎兵隊・そしてその中心にあり江戸時代の終末期にある篤姫。
少なくとも篤姫という存在は、僕が今まで重要だと考えていた徳川幕府最後の将軍・慶喜などとは違った意味で、幕末にとってもっとも重要な人物だと思えてきました。
所詮ドラマ。「史実は小説よりも奇なり」とはいうものの、篤姫が描いてくれる幕末は、僕の時代認識を一新してくれるほどのインパクトを持ったドラマになるかもしれません。
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