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2021年08月28日
米報告書、コロナ起源特定できず 中国に協力要求
米情報機関は新型コロナウイルスの起源を特定できなかった=ロイター
米報告書、コロナ起源特定できず 中国に協力要求
日経WEB版 2021年8月28日 6:34 (2021年8月28日 7:02更新)
【ワシントン=永沢毅】米国家情報長官室は27日、新型コロナウイルスの発生源に関する調査報告書の要旨を公表した。@動物から人間に感染A中国のウイルス研究所からの流出――の2つのどちらかを結論づける決定的な証拠を得られず、特定できなかったと説明した。真相解明には中国の協力が必要と指摘した。
バイデン米大統領は声明で「透明性を求める意見を中国は拒否し、情報を提供しないようにし続けている。完全に情報共有するよう各国とともに圧力をかける」と強調した。中国の反発は確実だ。
要旨によると、起源は2つの仮説のどちらかが妥当としながらも「情報機関の意見がわかれている」と表明した。4機関及び米大統領の諮問機関である国家情報会議(NIC)は動物からの感染と分析し、別の1機関は中国の武漢ウイルス研究所からの流出を支持する見解を示した。
さらに別の3機関は追加情報がなければ判断できないとした。ウイルスが生物兵器として開発されたものではないとの見解では一致し、遺伝子が操作された可能性も低いとの見方を示した。
そのうえで「新たな情報を得られない限り、起源についてより信頼性の高い説明ができない」と説明した。中国は情報の共有を拒んでいるとして「中国政府のこうした行動は、国際社会からの圧力へのいらだちに加えて調査の進展に不安を抱えていることの表れである」と記述した。
要旨は2ページで、報告書の大半は機密情報扱いのため公表されていない。バイデン氏は5月末、発生源を巡る追加調査と90日以内の報告を米情報機関に指示し、今週に報告を受けた。
タグ:コロナ起源特定できず
2021年08月27日
ワクチン接種後も感染させる恐れ コロナ検査の拡充急務
PCR検査の体制はなお十分でない(広島駅前)2021/08/27日経WEB版
●ワクチン接種していれは、感染リスクは未接種者に比べて下がる。
だが、接種していても「早い時期に接種を終えた人ほど、感染しやすくなる」
これは接種が早かった、イスラエルで半年違いの感染者割合。
●「接種済みの人も感染するリスクや、他の人にうつして重症化させたり、死亡させてしまうリスクがある。少しでも風邪のような症状があれば検査することが重要だ」
として、検査の拡充が急務だとしている。上記は本文の抜粋です。
以下、日経 全文です。
ワクチン接種後も感染させる恐れ コロナ検査の拡充急務
日本経済新聞WEB版2021年8月26日 23:30 (2021年8月27日 5:24更新) 新型コロナウイルスはワクチン接種を終えた人も感染し、さらに他人に感染させる可能性があることが分かってきた。さらなる感染拡大を防ぐには検査体制を拡充し、ワクチン未接種の人に加え、接種済みの人も積極的に受けられるようにする必要がある。
ワクチンには重症化や死亡を防ぐ効果があるが、感染は100%は防げないため、接種後でも「ブレークスルー(突破)感染」が起こる。
イスラエル保健省などは2回目の接種完了が早いほど感染予防効果が下がりやすいと分析している。7月の1週間分の調査では、2回目接種を1月に終えた人の場合、16〜59歳では10万人当たり74件発生したが、2回目を7月に終えた人では同10件にとどまった。
イスラエルでは感染者が急増し、未接種者を中心に死者も増えている。
ブレークスルー感染の中でもインド型(デルタ型)では、未接種での感染と同程度までにウイルスが増殖し、他人にうつすリスクがあるとの報告が米疾病対策センター(CDC)など海外の研究機関から相次いでいる。
ワクチン接種者は重症化しにくいため、感染しても自覚がないケースもありそうだ。接種後の感染者が未接種の家族にうつし重症化する例なども生じている。マスク着用や「3密」回避などの対策を怠ったり、検査を避けたりする人もいるとみられる。
厚生労働省の専門家組織の座長を務める脇田隆字・国立感染症研究所長は「接種済みの人も感染するリスクや、他の人にうつして重症化させたり、死亡させてしまうリスクがある。少しでも風邪のような症状があれば検査することが重要だ」と話す。
検査能力が足りないわけではない。東京都は高齢者施設などでのスクリーニング検査を含めて1日あたり最大9万7000件のPCR検査ができる。一方、感染の疑いがある人に行う行政検査の実績は最も多い日でも2万4000件超だ。保健所の業務が逼迫し、検査を呼びかけきれていない可能性がある。
東京都医師会の猪口正孝副会長は26日、都のモニタリング会議で「検査を迅速に受けられないことで、多数の感染者が潜在している可能性がある」と指摘。会食に同席した人が感染したなどの場合「保健所の指示がなくても、医師の判断に基づく行政検査を受けるよう、都民に理解してもらう必要がある」とも訴えた。
ただ、自治体だけでは無症状者を含めた感染状況の全容把握は難しい。発熱などの症状がない人の中には民間の検査会社などで「自費検査」を受ける人もいるが、都はその結果を把握していないためだ。都は検査会社に対し、自費検査の利用者が陽性となった場合、医療機関を受診してもらうよう呼びかけている。
タグ:コロナ
2021年08月19日
オンライン診療 活用進まず
写真 日経WEBオンライン診療の拡充が喫緊の課題となっている
オンライン初診、活用ほぼゼロ 医療逼迫も医師動かず
日経WEB版 2021年8月19日 0:00 (2021年8月19日 5:10更新)新型コロナウイルスの自宅療養者ら向けにパソコン画面などを使うオンライン診療が日本で広がらない。日本経済新聞が情報公開請求で得たデータによると、2021年1〜3月の初診からの利用頻度は35道府県で人口10万人あたり月1回未満とほぼゼロだった。医師側は活用に消極的だが、感染拡大で医療は後手に回っている。海外はオンライン化で迅速に対応しており、政府や地域が一体となって促進する取り組みが急務だ。
新型コロナの自宅療養者は全国で7万人以上。最多は東京都の2万人超だ。都医師会によると、都の委託で往診などコロナ患者の在宅診療を手掛ける医師は約550人で療養者を十分に診療できる体制にはない。国は20年4月に対面しなくてもいいオンライン診療を初診から認めたが、1年余りたっても効果的な運用にはほど遠い状況だ。
厚生労働省から得たデータで1〜3月のオンライン初診件数を都道府県別に調べた。コロナ患者が急増した「第3波」と重なるが、月平均2400回で全初診の0.1%以下。緊急事態宣言が出ていた11都府県の10万人あたりの初診は月平均2.6回で、最多の栃木県も7回にとどまった。県医師会の稲野秀孝会長は「一部の医療機関に偏り、全体的な広がりはない」と話す。
各都道府県への取材によると、活用はその後も増えていない。感染拡大が深刻な沖縄県の4〜7月はゼロ。大阪府は自宅療養者を遠隔で診る医療機関を増やしたが、7月の診療は52カ所と4月の77カ所から逆に減った。東京都は直近の実績を明らかにしなかった。
初診から遠隔対応できる医療機関は全体の6%の約7000箇所。日本医師会はオンライン診療に消極的だ。対面を原則とし、誤診で訴えられる可能性や診療動画が流出するといったリスクも指摘する。医師からは「手間がかかる」「画面越しでは得られる情報が少ない」といった声が聞かれる。
政府は16日、遅まきながらオンライン診療拡充の積極策に乗り出した。医師が活用しやすいように、コロナ患者への遠隔診療の報酬を2倍超に引き上げた。
自治体も地域の医師会との連携などで動き始めた。都医師会は都内の医師と自宅療養者をマッチングし、オンラインで診る取り組みを始める。山梨県は専用アプリを医療機関の機器に設置する業務を担い、神奈川県は年齢などで注意が必要な患者を選びオンラインで重点ケアする。福岡市医師会が始めた遠隔診療に200以上の医療機関が参加する動きもある。それでも新規感染者の過去最多更新が続き、医療の危機は深刻さを増す。
普及が遅れる日本に対し、海外でオンライン診療は急拡大する。米国では20年、コロナ前の30倍の10億回の利用があったとされる。10万人に換算すると月3万回。州ごとの地域制限を撤廃し、ソフトやアプリの規制を緩めたことなどが後押ししている。
中国のオンライン診療大手「平安グッドドクター」は月間約3000万人が利用する。カナダやインド、アフリカでも利用者が増える。キヤノングローバル戦略研究所の松山幸弘研究主幹は「対面の補完の域を超え、医療の柱になっている」と世界の潮流を説明する。
コロナ禍でオンライン診療を始めた野村医院(東京都)の野村和至医師は「患者にスマートフォンのカメラで喉の奥を撮影してもらうなど工夫すればできることも多い」と話す。入院できない患者を置き去りにしないためにも医師、地域、国が力を結集する必要がある。
(関優子、茂木祐輔、北本匠、上月直之、大城夏希)
日経WEB版 2021年8月19日
タグ:オンライン診療
2021年08月04日
「接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること」予防接種法の附帯決議
NEWSポストセブン 提供 ワクチンを打たない人のそれぞれの理由とは?(写真/Geety Images)
国内感染爆発寸前の模様です。
ユーチューブでは、ワクチンに懐疑的な発表や記事は、片っ端から削除されてしまいます。
こういうことするから、疑いも強くなってしまう。そんな中で、今朝目についたのが下記です。
下の太字は、本文からの抜き出し
2020年12月に改正された予防接種法の附帯決議にも、こう明記されている。
《接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること》
NEWSポストセブン8月12日号
新型コロナ ワクチンを「打たない」と決めた人々の理由とは
記事にジャンプ
テレビや新聞では、接種状況やワクチンの供給遅れが連日報じられている。しかしその一方で、副反応に苦しむ人は少なくなく、接種後まもなく亡くなった人もいるという事実についてはほとんど黙殺されている。そんな中、医師や高齢者など優先接種される立場の中にも「打たない」と決めた人がいる。ジャーナリスト・鳥集徹氏と女性セブン取材班が、彼らの胸中と「打たない」選択をした理由に迫った。
* * *
各国で、新型コロナウイルスワクチンの接種率が頭打ちになり、問題となっている。
必要回数の接種を済ませた人が49.2%(7月20日時点)と、全国民の半数に達していない米国では、バイデン大統領が7月6日の演説で、接種を拒む人が多い地域などを対象に個別訪問を行い、接種を促していくという考えを示した。それだけ打つのを嫌がる人が増えて困っているということだろう。
なぜ、そんなにも接種を嫌がる人が増えたのか。その背景にあるのは、「反ワクチン派」の存在である。「不妊や流産が起こる」「遺伝情報が書き換えられる」といった話から、「磁石がくっつく」「マイクロチップが入っている」というにわかに信じがたい話まで、根拠のないデマを流し、不安をあおる人、そしてそれをうのみにする人が増えているというのだ。
接種率が3割を超えた日本にも、避ける人が一定数いると思われる。彼らもまた、こうした“デマ”を信じているのだろうか。「ワクチン接種をしない」と決めた人たちにその理由をたずねた。
日本では2021年2月、医療従事者を皮切りに優先接種がスタートした。医療機関には新型コロナに感染すると重症化しやすい患者が多く集まっている。その人たちに感染させないこと、医療従事者を新型コロナ感染から守ることなどが、優先接種の対象となった理由だ。それでも打たない選択をした医師がいる。
「私が打たない理由は2つあります。1つは私が40代であること。今後、子供が生まれる可能性が充分に考えられる年齢にとって、1年足らずで開発されたワクチンは長期的にどんなリスクがあるかわかりません。それに、40代はコロナに感染しても重症化するリスクが低く、ワクチン接種で個人的に得られるメリットは少ないと感じる。現状では打たなくてもいいと判断しました」
そう話すのは、鹿児島で訪問診療のクリニックを開設する、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之さん(49才)だ。森田さんはワクチンの効果を完全に否定しているわけではなく、それなりに有効性があり、医師という職業上接種する選択も悪くはないと考えているという。だがもう1つ、打たないのにはこんな理由がある。森田さんが続ける。
「医学生や看護学生たちは実習を受ける際に、このワクチンの接種が求められています。しかし10代後半から20代前半の人は、コロナで亡くなるリスクはほとんどありません。にもかかわらず、長期的な安全性が不明なワクチンを打つようプレッシャーをかけられているのは、とても気の毒です。
現役の医療従事者も、本当は全員が打っているわけではなく、体感として接種率は8、9割だと思われます。しかし、打ちたくないと声を上げづらい雰囲気がある。ならば、『私は打っていませんよ』と言ってあげられる医師が1人くらいいてもいいのではないか、そんな気持ちから表明しています」
ワクチンを打たないと公言している医師はほかにもいる。群馬県で緩和ケア診療所を開設している萬田緑平さん(57才)だ。新型コロナのことを、萬田さんは「風邪」と言い切る。
「子供や若い人は新型コロナにかかっても、ほとんどが軽症で済んでいるのが現状です。それでは、なぜ年齢が高いほど亡くなる人が多いかというと、これまでかかったことのないウイルスだということに加え、もともと免疫機能が弱っているから。
集中治療室があるような大病院の医師は、風邪で肺炎になった高齢者を診たことがないから、『コロナは怖い病気だ』と主張しますが、風邪にかかって肺炎で亡くなる高齢者は、いつだってたくさんいるんです」
萬田さんはワクチンの有効性についても懐疑的だ。
「臨床試験を行ったところ、接種していない群の発症者が162人だったのに対し、接種した群の発症者が8人だったことから、有効率95%と宣伝されています。しかし臨床試験には、各群約1万8000人ずつが参加しており、それを母数にして計算すると、発症者は全体で0・84%しか減っていないのです。
言い換えると1人の発症を減らすためには、100人以上にワクチンを打たなければいけない計算になる。しかも、これは海外での臨床試験の結果です。感染者が海外の数十分の1と少ない日本に置き換えれば、数千人に打って、やっと1人の発症者を減らせるくらいの効果であるということになってしまう」
多くのコロナ患者を診療し、ワクチン接種も行ってきた医師の中にも、「自分は打たない」という人がいる。現在、ワクチン接種にも従事しているある医師は、その理由をこう打ち明ける。
「飛行機が落ちるのが怖くてわざわざ電車で行くのと同じで、未知のワクチンを打つのはやはり抵抗があるというのがいちばんの理由です。また、発熱外来でたくさんのコロナ患者に接してきたのに、私は発症しなかった。すでに免疫があるのではないかとも考えているのです。同様の理由で打っていない医師や看護師は少なくない。
それに、このワクチンを打つと発熱して、1〜2週間動けなくなる人も多い。私が倒れると代わりの医者がいないので、休めないという事情もあります。ほかの職業の人でも、どうしても休めないから打ちたくても打てないという人がいるんじゃないでしょうか」
実際に患者にワクチンを打つ中で、副反応に苦しむ人がいたことも、懸念の理由になっている。
「実は、私がワクチンを打った人の中にも、接種後に体調が大きく悪化した人が10人くらいいます。幸い亡くなった人はいませんでしたが、発熱した後に体力が衰えてしまった高齢者や、原因不明の腰痛が出た人も複数いる。こうした状況をみて、“打って大丈夫なのか?”と密かに思っている医療従事者は多いと思います」
厚労省のホームページでは、「ワクチンを接種できない人」の例としてワクチンの成分に重度のアレルギーの既往歴がある人を挙げているが、既往歴がなかったとしても、副反応が強く出やすい人がいるのだ。
かつての薬害もうやむやだった
医療従事者の次に優先接種の対象となったのが65才以上の高齢者だ。新型コロナは高齢になるほど致死率が高い。副反応のデメリットがあっても、高齢者はメリットが大きいとされているが、それでもワクチンを打たない選択をした人がいる。大学元教授の70代の女性はこう話す。
「過去の薬害に関する報道をずっと目にしてきて、医薬品の被害者にまともに対応してこなかった国の振る舞い方に不信感を持っています。過去に薬害が指摘された別の病気のワクチンについても、本当に安全で効果があるといえるのか、国はまともに追跡調査してこなかった。今回も接種後にたくさんの人が亡くなっているのに、国は『因果関係が評価できない』と言って、きちんと調べようとしていません。それに対する抗議の意味も込めて、打たないと決意したのです」
とはいえ、重症化しやすい年齢であることは間違いない。コロナへの恐怖心はないのか。「マスコミであれだけあおられ続けると、『怖いかもしれない』と思うことはあります。最近も、私の知り合いが濃厚接触者となり、PCR検査をしたら陽性だったと連絡がありました。コロナが身近に迫っていることを肌で感じましたが、ただ、検査キットを全面的には信頼していないこともあり、あまり不安には感じませんでした。
それに、もうそろそろ“店じまい”する年頃なので、コロナにかかって命を落としても、かまわないと思っています。人間はコロナだけで死ぬわけではありませんし。コロナのリスクも、たくさんあるリスクの1つですから」(70代の元教授)
特に接種を促されやすい立場の高齢者だが、体力が衰えていれば副反応も懸念事項だ。厚労省のホームページでも、心臓などに基礎疾患があり、体力が低下している人は接種を避けた方がいいと表記されている。そろって接種した皇族方の中でも、最高齢の三笠宮妃百合子さま(98才)は、接種されない方針と報道されている。
デマと断言する方がデマではないのか
現在、ワクチンの供給は滞っているが、流通が再開すれば、いったん中止となっている職場接種や大学などでの集団接種も始まるだろう。そのときには、10代、20代の学生たちも接種の対象となる。当人たちは、これをどう受け止めているのか。都内の私立大学に通う4年生の女子学生は、こう吐露する。
「打たないと危ないと考える友人も多く、たくさんの人が接種するのではないかと思います。そんな中で、『反ワクチン』と言われてしまうのが怖くて、『私は打たない』と安易に話せない閉塞感がキャンパスにはあります」
だが、そんな中でも自分は打たないと決めていると女子学生は話す。20代のコロナのリスクが極めて低いことに加え、こんな経験も背景にあるという。
「HPV(子宮頸がん)ワクチンを受けた数年後に、極度の体調不良に陥りました。回復に1年以上要し、治療に大変苦労したのですが、医師から『HPVワクチンの副作用があるのでは?』と言われたんです。それを証明することはできませんが、今回のワクチンも、数年後に病気が起こることがあり得るのではないかと思っています」
また、こうした経験があるからこそ、このワクチンについても詳しく調べ、家族ともかなり話し合ったという。
「ワクチンの副反応に警鐘を鳴らす医師のブログや動画をたくさん見ています。血小板減少症や心筋炎の副反応が問題となっていますし、自己免疫疾患が起こり得ると指摘している医師もいます。それを見ると、やはり安全と断言できないのではないか、というのが私の考えです。
河野太郎ワクチン担当大臣が『不妊や流産になるというのはデマ』と発言して物議をかもしました。しかし、『科学的にはまだ何とも言えない』というのが正しく、デマと断言する方がデマではないでしょうか。不妊や流産だけでなく、あらゆる健康への悪影響は、5年、10年経ってみないとわかりません。副反応に関する報道や議論は短期的なものが多いですが、長期的に健康の影響を考える視点が重要だと考えています」(女子学生)
インフルエンザに比べて死者数が多い
薬害に詳しい研究者は、このワクチンをどう評価しているのか。東京理科大学薬学部准教授で厚生労働省医薬品等行政評価・監視委員会委員を務める佐藤嗣道さん(58才)が解説する。
「臨床試験で発症予防効果があるとされましたが、感染そのものや死亡を減らす効果は証明されていません。特に最近の変異種に対する効果は限定的だと思われます。感染予防効果が証明されていない以上、集団免疫ができるというのはいまのところ期待でしかありません。
もちろん、安全性が非常に高いワクチンであれば、感染予防や集団免疫の期待を込めて打つ選択肢はあるとは思います。しかし、報告されたデータを見る限り、副反応のリスクがかなり高く、積極的に打つメリットは見出しづらいと判断しています」
7月21日、厚労省の副反応検討部会が開かれ、接種後の死亡が累積で751例(約3800万人接種)になったと報告された。もちろん、すべてワクチンが直接の原因とは言えない。ただ、インフルエンザワクチン接種後の死亡は、毎年、推定最大5000万人ほどの接種で、数人から多い年で10人程度しか報告されていない。それに比べると、明らかに突出した数であることは否定できない。佐藤さんが続ける。
「単純にワクチン接種後の死亡者の数を接種人数で割ると、約5万人に1人となります。その中には、相当程度ワクチン接種が原因のかたが含まれているでしょう。さらには、厚労省に報告されていない事例も、かなりの数があると思われます。なぜなら、報告は医師や医療機関の判断によりますし、現実に接種後に亡くなっても報告してくれないと訴える遺族の声があるからです。そういったことを鑑みれば、接種後の死亡事例は、報告されている数の10倍ぐらいあっても不思議ではない。もしかすると、1万人に1人、5000人に1人の割合で亡くなる可能性まで視野に入れておく必要がある。薬害防止を専門とする私の立場から言うと、副反応についても最悪の事態を想定して、どういう対策をとるかを考えておくべきだと思うのです」(佐藤さん・以下同)
薬剤疫学の専門家である一方、佐藤さんは「サリドマイド」という成分が入った睡眠薬や胃腸薬で起きた薬害被害の当事者でもある。母親がのんだ薬が原因で生じた手の障害は、生まれたときのままいまも変わらない。この薬は、妊婦や子供でも安心してのめる薬として、日本では1958年に売り出された。しかし、世界各地で手足や耳に奇形を持った子供が多数生まれ、1961年11月に西ドイツ(当時)の小児科医レンツ博士が「サリドマイドが原因と疑われる」との警鐘を鳴らすまで使われ続けた。それを受けてヨーロッパではすぐに販売中止となったが、日本では1962年9月まで販売が続いた。
「動物実験では、ネズミにサリドマイドを大量にのませても死にませんでした。そのため、ヒトにも安全だろうと思い込んだことが一因です。そのうえ、レンツ博士が警鐘を鳴らし、ヨーロッパで販売中止になっても、日本のマスコミはそれをほとんど報道しなかった。
むしろ当初は、『サリドマイドによって胎児に重大な奇形が起こるのは考えにくい』といった専門家のコメントを載せていたのです。
ところが、胎児奇形を起こすことが世界的に認められる流れになると、マスコミは一斉に手のひらを返して薬害だと騒ぎ始めた。しかし問題が明らかになるのは多数の被害者が出た後なのです。いまのワクチンをとりまく状況は、当時の教訓が生かされていないように感じてしまいます」
国はワクチン接種を強力に推進しており、テレビを筆頭にマスコミも多くが、その流れを後押ししている。もちろん、副反応のリスクよりメリットが上回ると判断した人に対して、ワクチン接種を妨害する権利は誰にもない。
しかし、反対にリスクがメリットを上回ると判断して、ワクチンを打たないと決めた人の権利も守られるべきなのだ。このワクチンの導入にあたって、2020年12月に改正された予防接種法の附帯決議にも、こう明記されている。
《接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること》
ワクチン接種を強要したり、打たないと決めた人を非難したりするのは、予防接種法の趣旨にも反している。
打つ人も打たない人も、その選択が同様に尊重される社会でなくてはならないのだ。
●ジャーナリスト・鳥集徹と女性セブン取材班※女性セブン2021年8月12日号
タグ:ワクチン接種
2021年08月03日
ワクチン打たない理由
NEWSポストセブン 提供 ワクチンを打たない人のそれぞれの理由とは?(写真/Geety Images)
国内感染爆発寸前の模様です。
ユーチューブでは、ワクチンに懐疑的な発表や記事は、片っ端から削除されてしまいます。
こういうことするから、疑いも強くなってしまう。そんな中で、今朝目についたのが下記です。
下の太字は、本文からの抜き出し
2020年12月に改正された予防接種法の附帯決議にも、こう明記されている。
《接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること》
NEWSポストセブン8月12日号
新型コロナ ワクチンを「打たない」と決めた人々の理由とは
記事にジャンプ
テレビや新聞では、接種状況やワクチンの供給遅れが連日報じられている。しかしその一方で、副反応に苦しむ人は少なくなく、接種後まもなく亡くなった人もいるという事実についてはほとんど黙殺されている。そんな中、医師や高齢者など優先接種される立場の中にも「打たない」と決めた人がいる。ジャーナリスト・鳥集徹氏と女性セブン取材班が、彼らの胸中と「打たない」選択をした理由に迫った。
* * *
各国で、新型コロナウイルスワクチンの接種率が頭打ちになり、問題となっている。
必要回数の接種を済ませた人が49.2%(7月20日時点)と、全国民の半数に達していない米国では、バイデン大統領が7月6日の演説で、接種を拒む人が多い地域などを対象に個別訪問を行い、接種を促していくという考えを示した。それだけ打つのを嫌がる人が増えて困っているということだろう。
なぜ、そんなにも接種を嫌がる人が増えたのか。その背景にあるのは、「反ワクチン派」の存在である。「不妊や流産が起こる」「遺伝情報が書き換えられる」といった話から、「磁石がくっつく」「マイクロチップが入っている」というにわかに信じがたい話まで、根拠のないデマを流し、不安をあおる人、そしてそれをうのみにする人が増えているというのだ。
接種率が3割を超えた日本にも、避ける人が一定数いると思われる。彼らもまた、こうした“デマ”を信じているのだろうか。「ワクチン接種をしない」と決めた人たちにその理由をたずねた。
日本では2021年2月、医療従事者を皮切りに優先接種がスタートした。医療機関には新型コロナに感染すると重症化しやすい患者が多く集まっている。その人たちに感染させないこと、医療従事者を新型コロナ感染から守ることなどが、優先接種の対象となった理由だ。それでも打たない選択をした医師がいる。
「私が打たない理由は2つあります。1つは私が40代であること。今後、子供が生まれる可能性が充分に考えられる年齢にとって、1年足らずで開発されたワクチンは長期的にどんなリスクがあるかわかりません。それに、40代はコロナに感染しても重症化するリスクが低く、ワクチン接種で個人的に得られるメリットは少ないと感じる。現状では打たなくてもいいと判断しました」
そう話すのは、鹿児島で訪問診療のクリニックを開設する、医師で医療経済ジャーナリストの森田洋之さん(49才)だ。森田さんはワクチンの効果を完全に否定しているわけではなく、それなりに有効性があり、医師という職業上接種する選択も悪くはないと考えているという。だがもう1つ、打たないのにはこんな理由がある。森田さんが続ける。
「医学生や看護学生たちは実習を受ける際に、このワクチンの接種が求められています。しかし10代後半から20代前半の人は、コロナで亡くなるリスクはほとんどありません。にもかかわらず、長期的な安全性が不明なワクチンを打つようプレッシャーをかけられているのは、とても気の毒です。
現役の医療従事者も、本当は全員が打っているわけではなく、体感として接種率は8、9割だと思われます。しかし、打ちたくないと声を上げづらい雰囲気がある。ならば、『私は打っていませんよ』と言ってあげられる医師が1人くらいいてもいいのではないか、そんな気持ちから表明しています」
ワクチンを打たないと公言している医師はほかにもいる。群馬県で緩和ケア診療所を開設している萬田緑平さん(57才)だ。新型コロナのことを、萬田さんは「風邪」と言い切る。
「子供や若い人は新型コロナにかかっても、ほとんどが軽症で済んでいるのが現状です。それでは、なぜ年齢が高いほど亡くなる人が多いかというと、これまでかかったことのないウイルスだということに加え、もともと免疫機能が弱っているから。
集中治療室があるような大病院の医師は、風邪で肺炎になった高齢者を診たことがないから、『コロナは怖い病気だ』と主張しますが、風邪にかかって肺炎で亡くなる高齢者は、いつだってたくさんいるんです」
萬田さんはワクチンの有効性についても懐疑的だ。
「臨床試験を行ったところ、接種していない群の発症者が162人だったのに対し、接種した群の発症者が8人だったことから、有効率95%と宣伝されています。しかし臨床試験には、各群約1万8000人ずつが参加しており、それを母数にして計算すると、発症者は全体で0・84%しか減っていないのです。
言い換えると1人の発症を減らすためには、100人以上にワクチンを打たなければいけない計算になる。しかも、これは海外での臨床試験の結果です。感染者が海外の数十分の1と少ない日本に置き換えれば、数千人に打って、やっと1人の発症者を減らせるくらいの効果であるということになってしまう」
多くのコロナ患者を診療し、ワクチン接種も行ってきた医師の中にも、「自分は打たない」という人がいる。現在、ワクチン接種にも従事しているある医師は、その理由をこう打ち明ける。
「飛行機が落ちるのが怖くてわざわざ電車で行くのと同じで、未知のワクチンを打つのはやはり抵抗があるというのがいちばんの理由です。また、発熱外来でたくさんのコロナ患者に接してきたのに、私は発症しなかった。すでに免疫があるのではないかとも考えているのです。同様の理由で打っていない医師や看護師は少なくない。
それに、このワクチンを打つと発熱して、1〜2週間動けなくなる人も多い。私が倒れると代わりの医者がいないので、休めないという事情もあります。ほかの職業の人でも、どうしても休めないから打ちたくても打てないという人がいるんじゃないでしょうか」
実際に患者にワクチンを打つ中で、副反応に苦しむ人がいたことも、懸念の理由になっている。
「実は、私がワクチンを打った人の中にも、接種後に体調が大きく悪化した人が10人くらいいます。幸い亡くなった人はいませんでしたが、発熱した後に体力が衰えてしまった高齢者や、原因不明の腰痛が出た人も複数いる。こうした状況をみて、“打って大丈夫なのか?”と密かに思っている医療従事者は多いと思います」
厚労省のホームページでは、「ワクチンを接種できない人」の例としてワクチンの成分に重度のアレルギーの既往歴がある人を挙げているが、既往歴がなかったとしても、副反応が強く出やすい人がいるのだ。
かつての薬害もうやむやだった
医療従事者の次に優先接種の対象となったのが65才以上の高齢者だ。新型コロナは高齢になるほど致死率が高い。副反応のデメリットがあっても、高齢者はメリットが大きいとされているが、それでもワクチンを打たない選択をした人がいる。大学元教授の70代の女性はこう話す。
「過去の薬害に関する報道をずっと目にしてきて、医薬品の被害者にまともに対応してこなかった国の振る舞い方に不信感を持っています。過去に薬害が指摘された別の病気のワクチンについても、本当に安全で効果があるといえるのか、国はまともに追跡調査してこなかった。今回も接種後にたくさんの人が亡くなっているのに、国は『因果関係が評価できない』と言って、きちんと調べようとしていません。それに対する抗議の意味も込めて、打たないと決意したのです」
とはいえ、重症化しやすい年齢であることは間違いない。コロナへの恐怖心はないのか。「マスコミであれだけあおられ続けると、『怖いかもしれない』と思うことはあります。最近も、私の知り合いが濃厚接触者となり、PCR検査をしたら陽性だったと連絡がありました。コロナが身近に迫っていることを肌で感じましたが、ただ、検査キットを全面的には信頼していないこともあり、あまり不安には感じませんでした。
それに、もうそろそろ“店じまい”する年頃なので、コロナにかかって命を落としても、かまわないと思っています。人間はコロナだけで死ぬわけではありませんし。コロナのリスクも、たくさんあるリスクの1つですから」(70代の元教授)
特に接種を促されやすい立場の高齢者だが、体力が衰えていれば副反応も懸念事項だ。厚労省のホームページでも、心臓などに基礎疾患があり、体力が低下している人は接種を避けた方がいいと表記されている。そろって接種した皇族方の中でも、最高齢の三笠宮妃百合子さま(98才)は、接種されない方針と報道されている。
デマと断言する方がデマではないのか
現在、ワクチンの供給は滞っているが、流通が再開すれば、いったん中止となっている職場接種や大学などでの集団接種も始まるだろう。そのときには、10代、20代の学生たちも接種の対象となる。当人たちは、これをどう受け止めているのか。都内の私立大学に通う4年生の女子学生は、こう吐露する。
「打たないと危ないと考える友人も多く、たくさんの人が接種するのではないかと思います。そんな中で、『反ワクチン』と言われてしまうのが怖くて、『私は打たない』と安易に話せない閉塞感がキャンパスにはあります」
だが、そんな中でも自分は打たないと決めていると女子学生は話す。20代のコロナのリスクが極めて低いことに加え、こんな経験も背景にあるという。
「HPV(子宮頸がん)ワクチンを受けた数年後に、極度の体調不良に陥りました。回復に1年以上要し、治療に大変苦労したのですが、医師から『HPVワクチンの副作用があるのでは?』と言われたんです。それを証明することはできませんが、今回のワクチンも、数年後に病気が起こることがあり得るのではないかと思っています」
また、こうした経験があるからこそ、このワクチンについても詳しく調べ、家族ともかなり話し合ったという。
「ワクチンの副反応に警鐘を鳴らす医師のブログや動画をたくさん見ています。血小板減少症や心筋炎の副反応が問題となっていますし、自己免疫疾患が起こり得ると指摘している医師もいます。それを見ると、やはり安全と断言できないのではないか、というのが私の考えです。
河野太郎ワクチン担当大臣が『不妊や流産になるというのはデマ』と発言して物議をかもしました。しかし、『科学的にはまだ何とも言えない』というのが正しく、デマと断言する方がデマではないでしょうか。不妊や流産だけでなく、あらゆる健康への悪影響は、5年、10年経ってみないとわかりません。副反応に関する報道や議論は短期的なものが多いですが、長期的に健康の影響を考える視点が重要だと考えています」(女子学生)
インフルエンザに比べて死者数が多い
薬害に詳しい研究者は、このワクチンをどう評価しているのか。東京理科大学薬学部准教授で厚生労働省医薬品等行政評価・監視委員会委員を務める佐藤嗣道さん(58才)が解説する。
「臨床試験で発症予防効果があるとされましたが、感染そのものや死亡を減らす効果は証明されていません。特に最近の変異種に対する効果は限定的だと思われます。感染予防効果が証明されていない以上、集団免疫ができるというのはいまのところ期待でしかありません。
もちろん、安全性が非常に高いワクチンであれば、感染予防や集団免疫の期待を込めて打つ選択肢はあるとは思います。しかし、報告されたデータを見る限り、副反応のリスクがかなり高く、積極的に打つメリットは見出しづらいと判断しています」
7月21日、厚労省の副反応検討部会が開かれ、接種後の死亡が累積で751例(約3800万人接種)になったと報告された。もちろん、すべてワクチンが直接の原因とは言えない。ただ、インフルエンザワクチン接種後の死亡は、毎年、推定最大5000万人ほどの接種で、数人から多い年で10人程度しか報告されていない。それに比べると、明らかに突出した数であることは否定できない。佐藤さんが続ける。
「単純にワクチン接種後の死亡者の数を接種人数で割ると、約5万人に1人となります。その中には、相当程度ワクチン接種が原因のかたが含まれているでしょう。さらには、厚労省に報告されていない事例も、かなりの数があると思われます。なぜなら、報告は医師や医療機関の判断によりますし、現実に接種後に亡くなっても報告してくれないと訴える遺族の声があるからです。そういったことを鑑みれば、接種後の死亡事例は、報告されている数の10倍ぐらいあっても不思議ではない。もしかすると、1万人に1人、5000人に1人の割合で亡くなる可能性まで視野に入れておく必要がある。薬害防止を専門とする私の立場から言うと、副反応についても最悪の事態を想定して、どういう対策をとるかを考えておくべきだと思うのです」(佐藤さん・以下同)
薬剤疫学の専門家である一方、佐藤さんは「サリドマイド」という成分が入った睡眠薬や胃腸薬で起きた薬害被害の当事者でもある。母親がのんだ薬が原因で生じた手の障害は、生まれたときのままいまも変わらない。この薬は、妊婦や子供でも安心してのめる薬として、日本では1958年に売り出された。しかし、世界各地で手足や耳に奇形を持った子供が多数生まれ、1961年11月に西ドイツ(当時)の小児科医レンツ博士が「サリドマイドが原因と疑われる」との警鐘を鳴らすまで使われ続けた。それを受けてヨーロッパではすぐに販売中止となったが、日本では1962年9月まで販売が続いた。
「動物実験では、ネズミにサリドマイドを大量にのませても死にませんでした。そのため、ヒトにも安全だろうと思い込んだことが一因です。そのうえ、レンツ博士が警鐘を鳴らし、ヨーロッパで販売中止になっても、日本のマスコミはそれをほとんど報道しなかった。
むしろ当初は、『サリドマイドによって胎児に重大な奇形が起こるのは考えにくい』といった専門家のコメントを載せていたのです。
ところが、胎児奇形を起こすことが世界的に認められる流れになると、マスコミは一斉に手のひらを返して薬害だと騒ぎ始めた。しかし問題が明らかになるのは多数の被害者が出た後なのです。いまのワクチンをとりまく状況は、当時の教訓が生かされていないように感じてしまいます」
国はワクチン接種を強力に推進しており、テレビを筆頭にマスコミも多くが、その流れを後押ししている。もちろん、副反応のリスクよりメリットが上回ると判断した人に対して、ワクチン接種を妨害する権利は誰にもない。
しかし、反対にリスクがメリットを上回ると判断して、ワクチンを打たないと決めた人の権利も守られるべきなのだ。このワクチンの導入にあたって、2020年12月に改正された予防接種法の附帯決議にも、こう明記されている。
《接種するかしないかは国民自らの意思に委ねられるものであることを周知すること》
ワクチン接種を強要したり、打たないと決めた人を非難したりするのは、予防接種法の趣旨にも反している。
打つ人も打たない人も、その選択が同様に尊重される社会でなくてはならないのだ。
●ジャーナリスト・鳥集徹と女性セブン取材班※女性セブン2021年8月12日号
タグ:ワクチン打たない
2021年07月20日
第4のコロナ薬、抗体カクテル療法承認 重症化抑制期待
写真日経2021/7/20
2021年7月19日 20:02 (2021年7月20日 5:39更新)
日本経済新聞WEB版
第4のコロナ薬、抗体カクテル療法承認 重症化抑制期待
厚生労働省は19日、中外製薬の新型コロナウイルス向け治療薬「抗体カクテル療法」の製造販売を特例承認した。国内のコロナ治療薬は4つ目。重症化リスクがある軽症、中等症の患者に使う。臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクが7割減ったとされ、重症化抑制が期待される。軽症者用の薬は初めて。変異ウイルスが広がる中、ワクチン接種に続く新たな「武器」となる。
「カシリビマブ」「イムデビマブ」と呼ぶ2種類の抗体を1回点滴する。ウイルス表面に結合して増殖を抑える。対象は持病や肥満などの重症化リスクがあり、酸素投与を要しない症状の患者となる。添付文書ではインド型(デルタ型)などの変異ウイルスにも効果があることが示唆されるとの見解を示した。
20日から各地の医療機関に配送を始める。
高流量の酸素や人工呼吸器を必要とする症状まで進んだ患者は使用によって悪化したとの報告がある。治験では発症8日目以降の使用の有効性を確認しておらず、発症後速やかな投与を求める。成人のほか、体重40キログラム以上の小児にも使える。
田村憲久厚生労働相は承認後、記者団に「大きな前進だ」と述べた。「重症化のリスクがある方が対象で、基本的には入院患者に投与する」と説明した。
重症化を抑えることで医療現場の負担軽減にもつながる。
治験では肥満や高血圧など重症化リスクが高い患者に1回点滴し、入院または死亡のリスクが約7割減った。英オックスフォード大学などによる約1万人を対象にした研究では、抗体がない入院患者の死亡リスクが投与によって2割下がり、入院期間も約4日短縮された。
島根大の浦野健教授は「これまでの薬は基本的に重症患者向けだった。軽度から中等症に投与できる薬が承認されれば治療の幅が広がる」と評価する。新型コロナの医療費は原則公費負担で、今回も無料で使えるようにする。政府は中外製薬と2021年分の供給契約を結んでいる。国が買い上げて供与する。
米バイオ企業のリジェネロン・ファーマシューティカルズが作った新薬で中外の親会社、スイス・ロシュが開発に協力した。トランプ前米大統領も感染時、特別に投与を受けた。その後、米国食品医薬品局(FDA)が20年11月に緊急使用許可を出し、使われている。
中外は6月の申請時、海外で先行する医薬品の審査を簡素化する「特例承認」を希望した。中外は国内での治験や販売を担当する。海外で生産する。
国内では抗ウイルス薬「レムデシビル」(米ギリアド・サイエンシズ)、抗炎症薬「デキサメタゾン」(日医工など)、リウマチ薬「バリシチニブ」(米イーライ・リリー)の3種類がコロナ治療薬として転用されている。
レムデシビルは複数の研究で死亡率低下が報告される一方、世界保健機関(WHO)の治験で死亡率の低下などにほぼ効果がなかった。WHOは「入院患者への投与は勧められない」とする。
日本の診療ガイドラインは「重症例で効果が期待できない可能性が高い」と記載する。中等症には効果が見込まれるとして21年1月、肺炎症状のある患者に使えるように対象が拡大された。
バリシチニブは3月、米国やシンガポール、日本など8カ国の国際共同治験の結果で、人工呼吸器を装着した患者にレムデシビルと併用すると回復までの期間が10日間となり、偽薬とレムデシビルを使う場合の18日間より短くなった。デキサメタゾンは重症患者の死亡率を下げるとされる。
タグ:コロナ治療薬
2021年07月17日
デルタ型感染 闘病記 39度〜40度続く
抗ウイルス薬レムデシビルの点滴は計5日間続いた
写真日経電子版 2021/07/17
以下は、日本経済新聞に登載された、記者の体験記です。
ワクチン1回接種後の感染とあります。
私の場合、インフルエンザで39度を超えた時点で、体が震え出しました。
この発熱中が一番つらいのです。では、下記です。
40度の熱、激烈な頭痛 接種後に記者襲った「デルタ型」
2021年7月17日 5:00 日経電子版新型コロナウイルスで感染力の強いインド型(デルタ型)などの変異型が、日本でも急速に拡大している。ワクチンが本来の効果を発揮するには2回接種の上に一定期間が必要とされ、接種1回の人などは変異型への感染リスクがまだ高い状態といえる。職場での1回目の接種後に変異型陽性が判明した記者(45)は、連日の高熱と激しい頭痛に苦しんだ。接種途中も感染への厳重警戒が必要だ。
東京本社で米モデルナ製ワクチンの1回目を打ったのは6月24日。腕に多少痛みがあったくらいで目立った副作用はなかった。接種後も夜の会合は避けており、通勤時間も早朝かラッシュアワー後で、人混みに接する機会はなかった。2回目の接種は7月末に予定されていた。
熱が出たのは接種9日後の7月3日土曜の夜だった。布団に入って熱っぽさを感じ、測ってみると38度ほどあった。この日は静岡県熱海市で土石流が発生、翌4日の日曜は朝から臨時出社し対応に当たる予定だった。「朝までには熱も下がるだろう」。安易にそう考え、そのまま眠ろうとした。
急激に上がる体温 くぎを打たれるような頭痛
だが体温は上昇を続け、4日未明には39度になった。寝付けず何度も体温計を確認するが全く下がらない。そのうち、大量の汗をかき始めた。1時間ほどで服がずぶぬれになるので、そのたびに着替える。寝間着用にとユニクロでまとめ買いしていたTシャツ5枚は朝までに底をついた。
普段の風邪なら、これだけ汗をかけば熱は引いた。だが夜明けごろになっても体温は高いままで、仕事は無理だと判断し、上司に業務の代打をお願いする連絡を入れた。
熱が上がるにつれ、経験したことのない激しい頭痛を感じるようになった。頭をほんの少し動かそうとするだけで、頭骨にくぎを打ち込まれるような衝撃が走る。あおむけから横に向き直るのすら難しいほどで、同じ体勢のまま必死に熱と痛みに耐えるしかなかった。
非常階段を上ってPCR検査へ
5日月曜の朝になっても熱は39度前後で引かなかった。発熱外来を探すと、自宅近くのクリニックが、午前の一般診療の終了後に発熱者を診るというので予約した。「時間になったら入り口前から電話してほしい」という。
3階にクリニックが入るビルの前に着き、電話を入れると、建物外側の非常階段から担当者が下りてきた。エレベーターは避けて階段で上る仕組みだ。事前にウェブ経由で提出していた問診内容に基づき受け付けを済ませると、まもなく診察室に呼ばれた。
「明確に判断する材料はないが、コロナが怪しくないことはない。ワクチンの影響による発熱にしては、接種から時間がたちすぎているし」。医師は難しい表情だった。感染者との接触に心当たりがない一方で、高熱が続く理由も見当たらない。「PCR検査をしましょう」。別室で唾液をプラスチックの試験管に採って提出した。待合室では既に何人もの人が順番待ちをしていた。結果は翌朝分かるという。
「結果は……陽性でした」 即日入院へ
翌6日午前8時半ごろに医師から連絡があった。「昨日の検査の結果は……陽性でした」。ショックは大きかった。どこで、なぜ、どうすれば。たくさんの「?」が、もうろうとする頭を駆け巡った。「このあと保健所から連絡があるので指示に従ってください」。電話口の声が淡々と説明を継いだ。
3時間ほどして保健所から電話が来た。症状に基づく東京都の入院判断フローチャートによると、39度の発熱は入院相当になる。症状が出て既に4日、消耗を感じていたこともあり入院調整をしてもらうことになった。「感染が相次いでいて本日中には決まらないかも」と言われたが、1時間ほどで入院先決定の連絡が届いた。
念のため登校を見合わせていた10歳の息子は、テーブルに突っ伏して泣いていた。学校やニュースでコロナの話題が日常化していても、やはり近親者の感染は恐怖を呼ぶのだろう。
病院到着、CTに直行 レムデシビル点滴も
着替えをまとめ、まもなく保健所から自宅に派遣されてきた専用の送迎タクシーに乗った。前部と後部の座席がシートで隔ててあり、後部座席には掃除機のような吸引ノズルが設置され、轟音(ごうおん)をたてて空気を吸い込んでいた。
病院につくと車いすにのせられ、コンピューター断層撮影装置(CT)室に直行した。「通常は先に同意書をとりますが、こういう状況なので」と医師は言った。撮影が終わると、複雑にゾーニングされた病棟内を運ばれ、4人部屋の病室に通された。
CTの撮影画像がすぐに届き「一部肺炎の白い影が見えます」と説明を受けた。採血が行われ、抗ウイルス薬のレムデシビルの点滴もその場で始まった。
「肺炎症状はあるものの酸素吸入はしない」レベルだと、厚生労働省などによる診療の手引きによれば「軽めの中等症」に位置づけられる。肺炎の所見がなければ軽症、肺炎があり酸素吸入も必要なら重めの中等症だ。集中治療室(ICU)や人工呼吸器を使うほどになれば重症扱いとなる。
指先で測る血中酸素濃度は95%前後の値を指した。数値は常時監視されており、大きく下がるとナースステーションでアラートが鳴る。
カーテンで仕切られたブースはほぼ2メートル四方。ベッドのほかは周りにちょっとした物入れがあるだけで狭く、最初の問診で「閉所恐怖症はありませんか」と尋ねられたのに納得した。共用のトイレとシャワーも部屋にあり、部屋から出るのは厳しく禁じられた。買い物は週2回、必要品を看護師に伝えてコンビニで買ってきてもらう。入院中にシーツ類の交換は無し。家族の面会も不可だ。
未体験の40度台 幻覚らしき症状も
病院に移っても高熱と頭痛は変わらなかった。毎食後に解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンが処方され、服用後2〜3時間ほどは38度前後に下がるものの、再び上昇することを繰り返した。夜は特に厳しく、入院初日は夜中に40.7度、翌日も40.2度まで上がった。全く眠れず、ひたすら歯を食いしばって夜明けを待った。
40度台の発熱は未経験だった。まぶたを閉じると、視界が暗くなるのではなく、鮮やかな色彩の見知らぬ世界が広がった。目覚めているのに夢を見ている感覚で、幻覚のように感じた。
特効薬がない以上、高熱も頭痛も、対症療法で症状が落ち着くのを待つほかない。食欲はなかったが出された食事はなんとか口に運び、眠れなくても安静に横たわって、ひたすら熱と痛みがおさまるのを待った。
入院3日目になって、ようやく熱が引き始めた。結局、入院前から数えて39度台を3日間、40度台を2日間記録した。解熱剤なしでも3日続けて発熱がないことを確認して退院となるまで、9日間を病院で過ごした。
途中、保健所から「スクリーニング検査の結果、『L452R』の変異型への感染が確認された」と電話があった。デルタ型に特徴的にみられる変異だ。市中での広がりを身をもって実感させられた。
感染避ける取り組み重要 家族にも影響大きく
せきは多少出たものの一貫して息苦しさはなく、症状の中心は発熱と頭痛にとどまった。それでも高熱が何日も下がらないと「いったいいつまで続くのか」と絶望感を覚えた。
眠れぬ夜、別の部屋からは激しくせき込む声が一晩中聞こえていた。深夜に突然、大音量のER(救急)コールが病棟中に鳴り響いたこともあった。一定割合で途中から重症化するケースがあるとされ、先行きへの恐怖もなかなか消えなかった。
医療従事者にかける負担も重い。常に防護服にゴーグル、マスクでの対応を迫られ、患者4人が入る同じ部屋の中でも、1人に1度対処するごとに手袋を替えて消毒を徹底する。個人用防護具(PPE)が不足した昨年の第1波を思うと背筋が寒くなる。
妻と息子はPCR検査で陰性だった。ただ現行の運用ルールでは陰性でも14日間の外出自粛が求められる。2週間学校に通えない影響は小さくない。
感染源ははっきりしなかったが、マスクと手洗いを欠かさない、不要不急の会合や人混みは避けるなど、基本的な感染防護の重要性を改めて痛感した。「ワクチンも1回打ったし、そろそろみんなで飲みにいってもいいか」。もしそんなライトな感覚で感染したとしたら、その後に待っている事態がもたらすマイナスは、まったく割に合わない可能性がある。(山本有洋)
8月中旬の新規感染2400人超 都モニタリング会議が予測
東京都は15日のモニタリング会議で、変異ウイルスが広がっている影響で4週間後の8月11日には1週間平均の1日あたりの新規感染者が2400人を超えるとの見通しを示した。14日時点の病床使用率は34%で、2023人が入院している。
国立感染症研究所の分析では、都内ではすでに49%が感染力の強いインド型(デルタ型)に置き換わり、8月下旬にはほぼ全て置き換わる。都内では6月以降、感染者の9割を50代以下が占め、若年層の感染が拡大している。7月6日〜12日の新規感染者のうち40代は18.3%、20代は30.9%に上った。専門家は「あらゆる世代に感染リスクがあるという意識をより強く持つよう啓発する必要がある」と訴えている。
タグ:コロナ感染記
2021年07月16日
女性セブンが報じた死亡例
接種翌日の死亡例に、厚労省の報告書に記入無し。関連性無し。死亡の直接原因は心筋梗塞。
第1原因「接種」
2次原因接種による「心筋梗塞」
強く疑うことが出来るのに・・・・・下記ご覧ください。
ニュースポストセブン
ワクチン接種翌日に71才男性が心筋梗塞で死亡「関連性なし」に遺族疑問
2021.07.03 16:00 女性セブン
https://www.news-postseven.com/archives/20210703_1672372.html?DETAIL
下記、その記事をUPしたユーチューブ。
ユーチューブなので削除されるかもです。
https://www.youtube.com/watch?v=fet-6MoQqxA
2021年07月14日
日本人の持つ 素晴らしく また大切な YAPマイナス遺伝子
私は、若いころから、日ユ同祖論など気になって読み漁っていた。宇野正美氏の講演録も何年かは毎月定期で送ってもらっていた。今ではユーチューブに断片的にUPされるものがあるので、それで私には足りていた。
で、久しぶりにユーチューブを覗くと氏の講演がアップされていて「YAPマイナス遺伝子」と言っている。
つい先日まで、朝鮮半島の人々の遺伝子を調べていた。その所為で遺伝子は、人間の、そして民族の足跡を知るに十分すぎるほどの情報があると解かっていたので、早速調べてみた。
調べるとぃっても、今はネツトがあるので便利になりました。
日本人は大切な遺伝子を持っているということが分かりました。
内容については、以下に紹介します。ごゆっくりご覧ください。
そっくりそのままコピーしてあります。
レムナント出版 レムナント・ミニストリー
http://www2.biglobe.ne.jp/remnant/nihonyudayadna.htm
DNAでわかった日本人とユダヤ人の親戚関係
久保有政 レムナント出版代表。
聖書解説者、
古代史家、現代史家、ノンフィクション・ライター、
サイエンス・ライター、ユダヤ文化研究家。
40%の日本人DNAはユダヤ人との強いつながりを示す
男性の細胞の中には、Y染色体というものがあります。それは遺伝子DNAの格納庫のようなものです。
Y染色体の遺伝子情報は、父から息子へ、男系でのみ伝えられます。
日本人男性のY染色体には、中国人や韓国人にはほとんどみられない、非常に重要な特長があります。
それは日本人の40%近くに及ぶ人々のY染色体DNAには、「YAP」(ヤップ)と呼ばれる特殊な遺伝子配列があることです。
日本人のY染色体の系統
約40% D系統(YAP)
約50% O系統(典型的アジア系)
残り 他系統
YAP遺伝子は、中国人にも韓国人にもほとんどみられないものです。
アジアの中で大変珍しいのです。それが日本人の40%近くもの人々にみられます。
Y染色体のDNAには、いろいろな系統(ハプログループ)があります。その中でも、YAPという遺伝子配列を持っているのは、D系統とE系統のみです。
DとEです。これを覚えて下さい。
D系統とE系統だけが、YAP遺伝子を持ち、同じ先祖から来ています。つまり親戚関係にあります。
日本人の40%近い人々はD系統。D系統には、YAP遺伝子配列が含まれています。
もともと中近東にDE系統というものがありました。それがのちにD系統とE系統に分かれたのです。
では、D系統と親戚関係にあるE系統は、どのようなものでしょうか? それはユダヤ人にたいへん特長的なものです。
全世界のユダヤ人の20〜30%は、E系統なのです。日本人と同じく、YAP遺伝子配列を持っています。つまり遺伝子的にみて親戚関係にあります。
このE系統は、いわゆる「イスラエルの失われた10部族」の故郷サマリヤの地にもみられます。
今日サマリヤの地には、古代イスラエル人の末裔が住んでいます。その多くは異邦人と混血しています。しかし聖書によると、彼らの中にいる祭司はレビ族の人々で、古代から男系をしっかり受け継いできました。
そして彼らサマリヤのレビ族祭司たちもE系統なのです。YAP遺伝子配列を持っています。
また、中国のチベット近くに、チャン族(チャン・ミン族)という少数民族がいます。彼らは日本人と同じような顔をしています。彼らはイスラエルの失われた10部族の末裔として、「アミシャーブ」というイスラエルの失われた10部族調査機関によって認められた人々です。
彼らにも、日本人と同じくD系統が23%みられます。彼らもYAP遺伝子配列を持っているのです。つまり彼らも、D系統の日本人と遺伝子的に親戚関係にあります。
現代ユダヤ人のDNA
さて、これらのことをもう少し掘り下げてみてみましょう。
ユダヤ人のYAP遺伝子配列についてみてみましょう。
ユダヤ人は20〜30%が、YAP遺伝子配列からなるE系統なのだとお話ししました。
これはじつは、アシュケナージ・ユダヤ人(北欧系)においても、スファラディ・ユダヤ人(南欧系)においても同様に当てはまります。
かつて日本では、「アシュケナージ・ユダヤ人は偽のユダヤ人」という説がはやりましたね。しかしこれは遺伝学から言うと、全くの間違いなのです。
アシュケナージもスファラディも、全遺伝子の88%は共通しています。ですから遺伝学者の中に、「アシュケナージ・ユダヤ人は偽ユダヤ人」という説を支持する人は一人もおりません。
アシュケナージ・ユダヤ人も、スファラディ・ユダヤ人も、同じくアブラハム、イサク、ヤコブの子孫です。両者とも本当のユダヤ人です。
現代ユダヤ人のY染色体の系統
20-30% E系統(YAP)
約30% J系統
20-30% R系統
残り その他
(上記はアシュケナージ・ユダヤ人およびセファルディ・ユダヤ人に共通)
今日のユダヤ人は、アシュケナージでもスファラディでも、その20〜30%は日本人と同じくYAP遺伝子配列からなるE系統です。
そのほか今日のユダヤ人には、J系統やR系統なども同じくらいの割合でみられます。しかしJ系統やR系統は、混血によって入ったものと思われるのです。ユダヤ人も混血しています。
とくに、西暦70年のエルサレム滅亡のあと、ユダヤ人は祖国を失い、世界に離散しました。それ以前のユダヤ人の定義は、「父がユダヤ人であること」でした。
しかしその後ユダヤ人の定義は、「母がユダヤ人であること」に変わっていきました。
これはユダヤ人は迫害を受け、レイプされるユダヤ人女性も少なくなかったからです。その場合、本当の父親が誰であるかわからないことも多く、「母がユダヤ人であること」という定義に変わりました。
そういう悲しい歴史がありました。こうして、男系で伝えられるY染色体遺伝子は薄まり、そのためにユダヤ人男性のY染色体DNAには、いくつかの系統が入るようになりました。
このようにユダヤ人は遺伝子的には混血しています。それでも彼らは、宗教的にユダヤ人としてのアイデンティティを保ってきたのです。
古代イスラエル人のDNA
今日のユダヤ人の遺伝子については以上のようです。
では古代イスラエル人の基本的なY染色体DNAは、何系統であったでしょうか?
それはDE系統もしくはE系統であったでしょう。YAP遺伝子の系統です。
つまり日本人のD系統と遺伝子的な親戚関係にあたります。
そのことは、古代から男系を守ってきたサマリヤのレビ族祭司たちが、先に述べたようにE系統であることからもわかります。
また今日も、全世界のユダヤ人グループには必ず、E系統が顕著な形で存在するのです。
たとえば、E系統の中でも特にE1b1b1というさらに細分化されたタイプの遺伝子について、「ファミリー・ツリーDNA」という遺伝子調査会社のホームページには、こう述べられています。
「これは世界中のあらゆるユダヤ人の間にみられる。アシュケナージ系、スファラディ系、またクルド系やイェメン系のユダヤ人、またサマリア人、さらには北アフリカ・チュニジアのジャーバのユダヤ人にさえみられる」
つまりE系統は、全世界のユダヤ人グループに普遍的に顕著にみられるものなのです。
さらにE系統またはD系統として、YAP遺伝子配列は今日のユダヤ人だけでなく、いわゆるイスラエルの失われた10部族の末裔といわれる人々にも顕著な形でみられます。
かつて古代イスラエルの統一王国は、紀元前10世紀に北イスラエル王国と南ユダ王国に分裂しました。南ユダ王国の子孫がいわゆるユダヤ人です。
一方、北イスラエル王国にはイスラエルの10部族がついたのですが、のちにアッシリヤ捕囚というものがあり、彼らは異国の地に連れ去られ、のちに離散しました。
ですからユダヤ人と、このイスラエルの失われた10部族とは兄弟なのです。
イスラエルの失われた10部族は、長く「失われた」と言われてきました。しかし20世紀以降の調査で、その末裔が特にシルクロード付近の各地に散らばって今日も生きていることがわかりました。
彼ら10部族は、顕著な形でE系統あるいはD系統を持っているのです。つまりYAP遺伝子配列を持っています。
たとえばE系統は、「イスラエルの失われた10部族」の末裔といわれる「パタン族」(アフガニスタン、パキスタン)にも顕著にみられます。
イスラエルの失われた10部族中の「ナフタリ族」「イッサカル族」の末裔との伝承がある「ウズベク・ユダヤ人」(ウズベキスタン)も、約28%がE系統です。
10部族中「ダン族」に属するといわれる「エチオピア・ユダヤ人」(ファラシャ)も、約50%がE系統です。
さらに中国のチベット付近に住むチャン族(チャンミン族)も、イスラエルの失われた10部族の末裔ですが、日本人と同じような顔を持ち、また日本人と同じようにD系統を顕著な形で持っています。彼らの23%はD系統で、日本人と同じくYAP遺伝子配列を持っているのです。
このように、今日の全世界のユダヤ人グループ、またサマリヤの祭司レビ族、イスラエルの失われた10部族の末裔たち、そして日本人を互いに強く結びつけているのが、YAP遺伝子です。
これらのことから、日本人の40%近いD系統の人々は、古代イスラエル人の末裔であり、またユダヤ人の親戚であるということがいえます。
D系統とE系統が分かれた時期
以上簡単に述べました。
ここで、もう少し補足して述べたいと思います。
Y染色体のDE系統は、中近東でDNAのD系統とE系統に分かれたと述べました。しかしその時期について、よく疑問が出されます。。
一般に遺伝子学者の間では、D系統とE系統の分離は5万年〜6万年前と言われています。
しかし歴史学の上では、北イスラエル王国の10支族がアッシリア捕囚によりイスラエルの地から引き裂かれ、南王国のユダヤ人と分断されたのは、今から「約2700年前」です。
ずいぶん時間的な差があるようにみえるでしょう。けれども5万〜6万年前というのは、実際に測った実測値ではないのです。これは「分子時計(分子進化時計)仮説」に基づく推定年代です。
これは進化論が提示する年代に基づき、それに合わせて遺伝子の変化時間を推定して算出したものです。しかし推定であり仮説ですから、実際こうした推定年代は、過去から現在に至るまで、かなり変化してきています。
しかも、進化論に基づく「何万年前」「何十万年」といった大きな年数は、事実上、今日では根拠を失ってしまっているのです。
進化論者が「何万年前」というとき、本当は「数千年前」にすぎないということがほとんどです。
というのは、年代測定法の一つに「炭素14(C―14)法」(放射性同位元素による年代測定法の一つ)というのがあります。これは、年代のわかっている考古学的史料などと照らし合わせて、その正確さが明らかになっているものです。
それで測ると、進化論が「何万年前」と主張しているものも、実際はたいてい「数千年前」にすぎません。「そんなばかな」と思うかもしれないが、実際そうなのです。
これについては進化論に立つ科学者と、創造論に立つ科学者たちとの間に激しい論争が交わされています。
たとえば進化論者が「数十万年前」と述べているネアンデルタール人の遺骨を炭素14法で測ると、「数千年前」としか出ません。
「数万年前」とされるクロマニョン人にしてもそうです。創造論に絶つ科学者たちは、そうしたことを解説しています。
Y染色体DNAのD系統とE系統が分かれたのは、実際は今から数千年前でしょう。そしてD系統の人々が初めて日本列島に渡来したのも、今から2000〜2700年前頃と思われます。
縄文時代も、実際は何万年も続いたものではありません。こうしたことは、創造論に立つ科学者たちの議論を参照してくださるといいと思います。
ユダヤ人のJ系統について
つぎに、ユダヤ人のY染色体DNAのJ系統について述べたいと思います。
今日のユダヤ人の間には、コーヘンという名前を持つ人々がいます。彼らは祭司家系の中でもとくに由緒ある人々で、大祭司アロンの子孫とされています。
祭司であるコーヘンの人々の多くは、CMH=コーヘン様式DNAと名づけられた遺伝子配列を多く持つことがわかりました。
このCMHはJ系統に属します。そのことから、コーヘンに限らずユダヤ人固有のY染色体は、もともとJ系統なのではないか、という考えが欧米などにあります。
しかし本当に、ユダヤ人固有の遺伝子はJ系統だったのかというと、そうとも言えないのです。
なぜならCMHは、コーヘンの祭司家系に顕著にみられるものの、じつはコーヘンでなくても、またユダヤ人でなくても、しばしば見いだされるものであることが、その後の調査でわかりました。
つまり当初「コーヘン様式」と名づけられたものの、そののち調査を進めると、それは決してコーヘン特有ではなく、ユダヤ人以外の民族にもみられるものだったのです。
J系統は中近東をはじめ、広く様々な民族にみられるものです。
また、大祭司アロンはレビ族出身で、一般のレビ族も男系を保ってきましたが、彼らのDNAを調査すると、J系統は少ないことがわかりました。
J系統はアシュケナージ・レビの人々で10%、スファラディ・レビが32%程度にすぎません。わりに少ないのです。
またJ系統は、シルクロードに沿って今も生きているいわゆるイスラエルの失われた10部族の末裔の人々には、ほとんど見られません。パタン族の場合J系統はわずか6%ですし、イグボ・ジューズ(ナイジェリア)やベネ・エフライム(南インド)、ベタ・イスラエル(ファラシャ、エチオピア)、ブカラン・ジューズ(ペルシャ)、チャン族(中国南西部)などは、全くかほとんどJ系統を持っていません。
一方E系統は、アシュケナージ・レビで20%、スファラディ・レビで10%程度みられます。さらに、世界中のすべてのユダヤ人グループに顕著な形でみられるものです。
これはE系統が、西暦70年のユダヤ人離散以前から広くユダヤ人の基本的DNAだったからでしょう。
この古代イスラエル人の遺伝子が何系統だったかという問題については、次のことも念頭におく必要があります。
それは、古代イスラエル人の間には生まれながらのイスラエル人だけでなく、異邦人からの「帰化人」も多くいたことです。
たとえば、古代イスラエルの指導者ヨシュアと共に活動した有名な英雄のカレブは、もともと異邦人でした。カレブは「ケナズ人」でしたが、帰化してイスラエル人となり、ユダ族に編入されていたのです(民数記32・12、13・6)。そして大活躍をしました。
聖書には、古代イスラエル人の出エジプトのとき、エジプトを出ていったイスラエル人のなかに沢山の「外国人」も混ざってきた、と書かれています。彼らが、聖書で「在留異国人」と呼ばれる人々です。
モーセはイスラエル人に、「自分を愛するように在留異国人をも愛せよ」と教えました。
そして在留異国人も、もしモーセの律法を守り、割礼を受けるなら、帰化してイスラエル人となることができました。
つまり古代から、すでにイスラエル人は様々に混血していたのです。祭司のレビ族に編入された人々もいたでしょう。同じレビ族といわれても、遺伝子の系統が様々であることには、そのような理由があります。
イスラエル人固有のDNA
このように古代イスラエル人の混血の秘密を探っていくと、そこに見えてくるのは、生まれながらのイスラエル人のY染色体DNAはJ系統ではなく、E系統あるいはその元のDE系統だったろうということです。
YAP遺伝子配列を持つ系統で、日本人男性のY染色体D系統と同様です。
この考えが正しければ、日本人の40%近い人々は、古代イスラエル人と強いつながりがあることになります。
また、しばしば、
「D系統の日本人がイスラエル人とつながりがあるのであれば、D系統でない日本人男性や女性は、イスラエル人と関係がないのか」
という質問を受けることがあります。しかし関係がないのではありません。
今日、日本人は「単一民族」といわれるほどに深く混血しあい、とくに母系(母方)のほうでは様々な血が混ざり合っています。先祖のミトコンドリアDNAは、男性にも女性にも受け継がれるからです。
ですからそのような意味で、日本人全体は、古代イスラエル人と強いつながりを持っているのです。そして今日のユダヤ人とも、強い親戚関係にあります。
シンルン族になぜDもEも見出されなかったか
最後に、もう一つの質問にお答えしておきましょう。
インド北部やミャンマーに、シンルン族(メナシェ族)と呼ばれる人々がいます。
彼らは、私たち日本人と同じような顔つきをした東洋人ですが、古代からイスラエル人の文化伝統を持ち、イスラエルの失われた10部族調査機関アミシャーブによっても、10部族の子孫と認められた人々です。
彼らはユダヤ教を学び直し、すでに1000人以上がイスラエルへ帰還して、普通にユダヤ人として生活していることで有名です。
しかし、彼らの遺伝子調査の結果は意外なものでした。
彼らのY染色体を調べてもE系統もD系統も見出されませんでした。さらにJ系統やCMHも見出されなかったのです。
彼らのほとんどはアジア人に典型的なK系統、O系統がみられるだけでした。
しかし、DNA科学者たちは、シンルン族のミトコンドリアDNAも調査しました。Y染色体DNAが父系の遺伝情報を示すのに対し、ミトコンドリアDNAは母系の遺伝情報を示します。
その結果は、シンルン族の人々は中近東、およびウズベク(中央アジア)のユダヤ人に近縁であることを示していました。
なぜ、シンルン族の父系の遺伝情報を示すY染色体DNAの結果が、典型的なアジア人のものだったのでしょうか?
じつはシンルン族のたどった歴史を知るならば、彼らのY染色体にD系統もE系統もみいだされなかった理由は、容易に理解できます。
というのは、シンルン族は中国を放浪していたとき、他民族に支配され、奴隷にされて苦役を課せられたのです。男性は奴隷に駆り出され、村に二度と戻って来ることがなかった。女性は中国人に犯されることが多かったのです。
したがってそこに生まれた子どもたちは、シンルン族男性のY染色体ではなく、中国人男性のY染色体を持つことになりました。
また中国では、戦争があると、征服された民族の男子は皆殺しにあうことも多くありました。だから男系のY染色体は、きわめて残りにくかったのです。
このように、苦難の歴史があるとき、Y染色体は残りにくいのです。消滅してしまうことさえあります。
シンルン族の父系Y染色体にD・E系統が見出されず、母系ミトコンドリアDNAにのみユダヤに近縁なものが発見されたというのは、こういう悲しい歴史を物語っています。
これを思うと、今日も日本人の40%近い人々にY染色体D系統が残っている事実は、貴重なことでしょう。
日本人も混血していますが、D系統が約40%も残ったのです。
それは現代ユダヤ人や古代イスラエル人と、日本人との強い結びつきを物語っています。
(詳しくは拙著『日本とユダヤ運命の遺伝子』(学研)をお読み下さい)
以上です。
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