熊野那智神社(くまのなちじんじゃ)は、宮城県名取市にある神社である。名取熊野三社のうちの一社。
祭神
主祭神は羽黒飛龍神・伊弉冉尊で、相殿に黄泉事解男命・国常立尊・伊弉諾尊・天照皇大神を配祀する。
歴史
伝説によると、養老3年(719年)閖上浜の漁師が海底から御神体を引き上げたところ、その光の輝きの止まる所が高舘山であったことから、そこに宮社を建て羽黒飛龍神として祀ったという。一方「閖上」の地名の由来として、貞観13年(871年)に霊験あらたかな十一面観音像が波に揺り上げられているのを漁師が見つけ、それが現在高舘山の那智神社に那智観音像として安置されている、という話も伝わっている。
その後、名取老女の熊野三神勧請にあたり、那智の分霊を当社に合祀し熊野那智神社と改称した。
近世は伊達家の厚い崇敬を受けて、社殿の造営や社地の寄進などを受けた。
明治元年(1868年)の太政官布による神仏分離令を受け、社殿に奉納されていた御正体である懸仏などが関係者によって密かに埋められたが、明治31年(1898年)7月の拝殿移築の際床下から再発見された。このうち、懸仏・銅鏡41点が国の重要文化財、懸仏・銅鏡114点が宮城県指定有形文化財となっている。
かつては御神体が揺り上がった場所である閖上浜までの浜降り神事が行われ、正月には「カラスゴ(牛王宝印)」を氏子に配布していた。
牛王宝印は平成24年(2012年)夏頃より社務所にて参拝客に配布されるようになっている。図柄は熊野速玉大社のものと同様。
熊野那智神社の主祭神である伊弉冉尊と相殿神の伊弉諾尊の二柱は、天地万物の化生の力である「結び(産霊)の力」を司る夫婦神である。そのため、熊野那智神社は『結びの社』として様々な縁結びに御利益がある神社だとして近年信仰を集めている。
交通アクセス
バス 那智が丘2丁目停留所から徒歩約15分(なとりん号:相互台線、宮城交通:尚絅学院大線)
所在地 宮城県名取市高舘吉田舘山8
位置 北緯38度11分15.5秒 東経140度50分18.3秒
主祭神 羽黒飛龍神
伊弉冉尊
社格等 村社
創建 伝養老3年(719年)
例祭 4月第4日曜日(例祭)
7月第4日曜日(夏祭)
主な神事 浜降り神事(現在不実施)
2023年11月19日
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