甘棠院(かんとういん)は、埼玉県久喜市本町7丁目にある、第2代古河公方足利政氏が永正16年(1519年)に開いた寺院である。山号は永安山(えいあんざん)。臨済宗円覚寺派。
歴史
永正16年(1519年)、久喜に隠退した足利政氏は自らの館を寺として永安山甘棠院とし、子の貞巖(ていがん)を開山とした。その後、政氏に従ってきた家臣たちにより守られ、近世に入ってからも、徳川歴代将軍から朱印地100石を賜る格式を誇っていた。記録によると、政氏が館を寺に改めたのち、建物は天文17年(1548年)に火災により消失、翌年より再建に着手し、天文21年(1552年)に落成した。その後、天明2年(1782年)より4年がかりでさらに建て直しが行われている。さらに何回か手が加えられ、現在の本堂や庫裡は、昭和44年(1969年)からなされた大改修によって完成したものである。歴代住職についてみると、円覚寺や瑞泉寺との関係が深い。
甘棠院が所在している立地は住居表示以前かつて大字久喜本字馬場といい、周囲に比べ高台となっている。東側および西側は低地となっており、南側(南方)に久喜旧市街地が所在し、北側にはかつて大浦沼と称された湿地帯が所在していた。
文化財
重要文化財(国指定)
紙本着色伝貞巖和尚画像
重要美術品(国認定)
十三仏版木
銅製九曜菊散双雀鏡 - 政氏夫人の遺品。
埼玉県指定有形文化財
絹本着色足利政氏像 - 政氏が没する10年前、55、6歳ごろの姿を写した寿像。
埼玉県指定史跡
足利政氏館跡及び墓 - 1925年(大正14年)3月31日指定。
アクセス
久喜駅西口より朝日バス菖蒲仲橋行に乗車、「本町2丁目(乗車約3分)」下車北側へ徒歩約3分。(運賃100円)
久喜駅西口の久喜市内循環バスのりばから「久喜本循環 右回り」または「六万部・北中曽根循環」に乗車、「斉藤医院前(乗車約3分)」下車北側へ徒歩約4分。運賃はいずれも100円(1日乗車券は200円)[4]。
久喜駅西口より徒歩約15分。(道程約1km)
所在地 埼玉県久喜市本町七丁目2-8
位置 北緯36度4分24.3秒 東経139度40分6.7秒
山号 永安山
宗派 臨済宗円覚寺派
本尊 釈迦如来
創建年 永正16年(1519年)
開山 貞巖
開基 足利政氏
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/12016405
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック