井戸寺(いどじ)は、徳島県徳島市国府町井戸にある真言宗善通寺派の寺院。四国八十八箇所第17番札所。本尊は七仏薬師如来(伝聖徳太子作)。
本尊真言:おん ころころ せんだりまとうぎ そわか
ご詠歌:面影をうつしてみれば井戸の水 結べば胸のあかや落ちなん
歴史
寺伝によれば、阿波の国司に隣接し天武天皇が勅願道場として673年に創建し、七堂伽藍、末寺12坊を誇る壮大な寺院となり「妙照寺」と称していた。本尊は薬師瑠璃光如来を主尊とする七仏薬師如来で聖徳太子作、また、日光菩薩、月光菩薩は行基作と伝えられる。伝承ではその後、弘仁6年(815年)に空海(弘法大師)が来錫、十一面観世音菩薩を刻んで安置したという。また、その際に土地の人々が水不足で困っていることを知り、錫杖で一夜にして井戸を掘った。そこでこの地を井戸村と呼ぶようにし、寺号も「井戸寺」と改めたという。
貞治元年(1362年)、細川頼之の兵火(細川清氏の反乱)で堂宇を焼失し、後に頼之の弟・細川詮春によって再建されたが、天正10年(1582年)に十河存保と長宗我部元親の戦い(第一次十河城の戦い)により再び堂宇を焼失、慶長年間(1596年 - 1615年)に徳島藩主蜂須賀氏によって再興に着手され、万治4年(1661年、藩主は蜂須賀光隆)にようやく本堂が再建となる。
大正5年(1916)正式名称を井戸寺にする。それまでは、納経には妙照寺が使われていたという。 その後、昭和43年(1968年)失火によりまたも本堂が主尊の中央本尊を残して焼失し、3年後に再建された。
文化財
重要文化財
木造十一面観音立像 榧の一木造り彩色197.0cm、平安時代初期、明44.8.9指定
徳島県指定有形文化財
日光・月光菩薩立像:上記の十一面観音の脇仏、昭和33.7.18指定
真言宗小野流相承祖師像一幅:25人の祖師を相承順に配置した彩色画。平成29年2月10日指定
交通案内
鉄道
四国旅客鉄道(JR四国)徳島線 - 府中駅下車 (1.5km)
バス
徳島バス 竜王団地線 (日開経由)「井戸寺口」下車 (0.3km)
道路
一般道:県道30号線 井戸 (0.4km)
自動車道:徳島自動車道 藍住IC (6.3km)、高松自動車道 板野IC (9.5km)
所在地 徳島県徳島市国府町井戸北屋敷80-1
位置 北緯34度5分6.6秒 東経134度29分7.6秒
山号 瑠璃山
院号 真福院
宗派 真言宗善通寺派
本尊 薬師如来
創建年 (伝)白鳳2年(673年)
開基 (伝)天武天皇(勅願)
正式名 瑠璃山 真福院 井戸寺
札所等 四国八十八箇所第17番
文化財 木造十一面観音立像(重要文化財)
七仏薬師如来坐像、日光・月光菩薩立像(県指定文化財)
2023年04月26日
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