またまたかな〜り久々の(手動)更新となって仕舞いました…
こちらを暫く放ったらかし…にしていたという訳でもないのですが、 暫く留守をしている間にも、世はまだまだ油断は出来ないまでも、 これまでと比べれば徐々に色々な制限も解かれ、徐々に日常を取り戻しつつ有る様ですね。
本ブログもまた、同様に自動による定期更新以外の記事もアップして行けたらなあ…等と考えて居ります。
と、いったところで今回も(リハビリも兼ね)亦候、暦に纏わる話題から…まあ、 我が国民は昔から、挨拶がてら折に付け季節や天気の話題から入るものですからね…
● 春分?春分の日?
さて、本日(3/21)は皆さん先刻ご承知の通り、国民の祝日「春分の日」にして二十四節気の「春分」(期間の始まり)なワケですが、 また、「旧暦」では2月の最終日、即ち「晦日」でもあります。 本ブログでも再三取り上げて来た事なのですが、所謂「旧暦」は「太陰太陽暦」といって、 カレンダー上の「月」は文字通り天体の(地球の)「月」の朔望で決まり、 それぞれの月の季節は太陽の黄道上の位置(視黄経)によって決まります。 具体的には二十四節気の中、偶数版目に当たる「中気」によりその月が何月であるかを決める事になっています。
例えば、「立春」(正月節:黄経 315°)から始まって、 次の「雨水」(正月中:330°)を含む朔望月(令和5年は 1/22 5:53 〜 2/20 16:06)が「正(一)月」、一つ飛ばして4番目の「春分」(二月中:0°)を含む月(同 〜3/22 2:23)が「二月」といった具合です。 なので、只今の…即ち本日で終わる「月」は、二月中「春分」を含んで居ますから「二月」という事になる次第です。
では、次の「月」はどうでしょう?明日(3/22)の朔(新月)の次に来る朔は 4/20 13:13 (今更ですが、時刻は総て 日本標準時です)で、一方次なる三月の中気「穀雨」(30°)は 4/20 17:14 となって居ります。 つまり、本年の旧暦二月に続く旧暦月は中気を含みません。 この様な場合、その「月」は「あまった月」という事で「閏月」となり、暦上では「閏二月」とされます。 1朔望月は、29〜30太陽日なので、12朔望月は大体 354 〜 6 日(月も地球もケプラーの第二法則やその他の要因により公転時の角速度が変化しますので一定ではありません)くらいになりますから、 大体3年で1ヶ月分くらいの誤差になるのは自明の理ですね。
簡単に纏めると、この置閏法は1太陽年の約 1/12 の長さ(時間)と 1 朔望月の長さのギャップ(節気の方が長い)が自然に積算されて行き、 終には 1 朔望月を飛び越して「リセット」される事を利用しているワケです。 最初に誰が思いついたか知りませんが、上手い事考えるモンだなあ…と関心します…まあ、筆者如きがエラそうに言うのもナンですが
ただ、そんな精巧な「旧暦」にもちょっと…いや、その精巧さ故の(?)結構な問題が起きる事が知られています。これは太陰太陽暦そのものではなく、我が国に於いて一般に「旧暦」と称される「天保暦」に関わる問題です。
本年は西暦では 2023年ですが、丁度10年後の 2033年、天文や暦を趣味とする好事家には良く知られた事なのですが、「旧暦2033年問題」と呼ばれる天保暦(これは、太陽の黄道上の位置(視黄経)によって節気の日取りを決める「定気法」という手法を採用して居ます)のシステム上で起こる不都合が判明して居ます。 もう少し具体的に記すと、2033年秋から2034年春に掛け、中気を含まない朔望月が3つ、逆に中気を2つ含む月が2つ出て来て仕舞うという事態が生じ、天保暦のルールでは○月と決められない旧暦月が発生してしまう、という問題です。
何かの縁あって本稿で「旧暦2033年問題」知った、と仰る皆さんは、大変興味深い話ですから、是非この問題について調べてみてください。 就中、国立天文台のページ(旧暦2033年問題について https://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/topics/html/topics2014.html)に詳しく解説されて居ります。
詳しい暦の事となると、やっぱりこの手の「日めくり」が一つあると重宝しますね。 通常の使い方の他にも資料として手元に置いて何かと参考にしています。
追記