2018年09月03日
パタリロ!9巻の話(1)すばらしい漫画との出会い
みなさん、こんにちは。
ナツノナカノです。
いよいよこのブログも100話目となりました!
いつも読んでくださっている皆様のおかげです
本当に感謝感謝でございます相変わらずの拙文拙絵ですが、まだまだパタリロ!を中心として色々とご紹介していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします
さて、今日は前回の予告通り(笑)私が魔夜峰央先生の素晴らしい名作「パタリロ!」と運命の出会いをした「パタリロ!9巻」のお話をさせていただきたいと思います
パタリロ! (第9巻) (花とゆめCOMICS)
「パタリロ!」9巻は1981年10月に刊行されました。今から37年前ですね。
時代背景は、スペースシャトル「コロンビア」の打ち上げ、そして向田邦子先生がお亡くなりになり、トヨタ車の「ソアラ」がヒットし、「雪見だいふく」と「ガリガリ君」が大人気に、そしてマッチが「スニーカーぶる〜す」を、イモ金トリオが「ハイスクール・ララバイ」を歌うという…。
懐かしい…(笑)昭和の時代です
私が「パタリロ!9巻」と出会ったのはその後、数年が経過していたのですが、まだまだ若く純粋な私に(笑)衝撃を与えました。
なんという過激な毒だらけの漫画!男同士のラブ!緻密な絵の美しさ!ギャグが半端ない!そしてあまりにも完成された世界観!
すごい!すごすぎる。
ギャグ漫画とはいいながらも、私がそれまでに知っているギャグ漫画とは全く違う感じを受けましたね。天才少年パタリロが繰り出す息をもつかせぬギャグの応酬。インモラルでありながらも高尚。
全く持って隙がないのです…
私はたちまち魅了され、私が知らなかった「パタリロ!」という世界へ入り込みたい衝動にかられた訳です…
さて、パタリロ!9巻のラインナップはこちらです。
【パタリロ9巻】
・雪がやんだら
・殺しのライセンス
・タマネギ!
・パタリロ8世と10世
・旅立てジャック
・悪魔の契約
・タロット
名作ばかりですね。
最後の「悪魔と契約」と「タロット」はパタリロ!ではなく、魔夜先生の初期作品です。悪魔と天使と魔法使い、そしてお金持ちのツンとしたお嬢様。勧善懲悪というよりも、因果応報という感じのお話ですね。美しく、きちんとハッピーエンドの恋愛話なんですが、雰囲気がもう!魔夜先生ならではのものですね。毒々しい美しさと妖しさを存分に詰め込んでいて。私が前から知っているはずの恋愛漫画をこんな風に表現する方がいるんだ…と、それはそれは衝撃を受けたのです。
【マライヒ】
この9巻では特にマライヒの美しさと魅力が惜しみなく存分に発揮されております。
巻数が進むにつれてどんどんマライヒも女性化され、トゲが抜けていく感じがありますが。特にフィガロを出産してからは主婦化してますしね。もちろん、そんなマライヒも大変可愛らしいのですが、この9巻ではまだまだ元殺し屋の、毒ありミステリアス美少年という感じが匂い立っております。私はきっとこの時にマライヒに魅了されてしまったんでしょうね。ほんとに可愛らしくて美しくてたまらんのですよ…はぁ
【9巻で影響を受けたこと】
私がどの話が好きかというと、もちろん全部が好きなんですが、なかでも「雪がやんだら」と「殺しのライセンス」にはものすごく影響を受けました。私は当時読んでいた小説が、フリーマントルとかアガサクリスティーとかのスパイ小説やらミステリーやらだったんですよ。以前書いた通り、村上春樹にもはまってましたけどね。(まぁそれは置いといて)
「雪がやんだら」でパタリロが本に夢中になっているシーンがあるんです。
それがアンブローズ=ビアス著「悪魔の辞典」
パタリロのセリフに「普通の辞典と違ってひとつひとつの言葉に対する説明がおっそろしくひねくれているんだ。なかなかおもしろい」
と、あるんですが…。すぐさま本屋さんに行って買ったんですよ。
「悪魔の辞典」を(笑)
そして殿下の言う通り、まごうことなく面白いんです。ひねくれてて、うがってて、毒々しくて!
残念ながら、今はなぜか手元に無いんですが…。
と、いうか部屋のどこかにあるとは思うんですよね。
関連図書として買って読んだ「ビアス短編集」は」ちゃんと目の前にあります…。どこいったんでしょうかね。「悪魔の辞典」は…
で、さらに「殺しのライセンス」なんですが、このお話の中で麗しき美少年マライヒが囮捜査のためにナイトクラブで弾き語りをするんです。
その歌が新潮文庫刊、堀口大学訳「コクトー詩集」より「野ばら」なんです。
これを読んだ私はやはり、「コクトーの詩集」堀口大学先生訳の本を購入して読むわけです。
この詩集がまた素晴らしい!あまり詩をたしなんだことのない私ですが、マライヒが歌った詩であるがゆえにどっぷりとその世界につかるわけです。
単純ですね(笑)
ここのシーンで、パタリロがマライヒが歌っているのを見ながら「コクトー」だな…とつぶやくわけです。そしてタマネギが「なんと美しい声だ」と言い。「コクトーと言っても、ジルベール=コクトーではないぞ」と言ってパタリロがいつものように美少年姿に変身するんですが…。
パタリロが変身したジルベール=コクトーとは竹宮恵子先生の「風と木の歌」の中に出てくる美少年なのです。
風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)
実はその時まで竹宮恵子先生の「風と木の歌」を読んだことがなかったのですよ。
まだまだ子供でしたねすみません、勉強不足で…後から後悔しましたよ、なぜ今まで知らなかったのか…とそれほどの名作です
当時、竹宮恵子先生の著書では「地球へ…」のみ。と、いうか思い出としては小学生のころ近所の駄菓子屋さんの前にあったガチャガチャ(20円)で当たりが出て、劇場版「地球へ…」のポスターが当たって自分の机の前に貼っていた…ということしかないんです。
で、パタリロ9巻の「殺しのライセンス」で、ジルベール=コクトーを知り竹宮恵子先生の著書の大ファンになるのです。いや、ファンにならざるを得ない!素晴らしい漫画家さん、表現者です。そして、「コクトーの詩集」から、もともと好きだったヨーロッパ古典文学にも、さらにはまっていくのです。
いろいろ繋がっていくんですよね。人生って
もちろん、あの日あの時、魔夜峰央先生の「パタリロ!9巻」との出会いからスタートしたのです。名作と言われる素晴らしい作品は、漫画や小説や年代を超えて限りなく繋がって広がっていくものなのだと、そう思わずにいられないですね
というところで、本日はこの辺で…。パタリロ!9巻の話はまだまだ続きます!
ナツノナカノです。
いよいよこのブログも100話目となりました!
いつも読んでくださっている皆様のおかげです
本当に感謝感謝でございます相変わらずの拙文拙絵ですが、まだまだパタリロ!を中心として色々とご紹介していきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします
さて、今日は前回の予告通り(笑)私が魔夜峰央先生の素晴らしい名作「パタリロ!」と運命の出会いをした「パタリロ!9巻」のお話をさせていただきたいと思います
パタリロ! (第9巻) (花とゆめCOMICS)
「パタリロ!」9巻は1981年10月に刊行されました。今から37年前ですね。
時代背景は、スペースシャトル「コロンビア」の打ち上げ、そして向田邦子先生がお亡くなりになり、トヨタ車の「ソアラ」がヒットし、「雪見だいふく」と「ガリガリ君」が大人気に、そしてマッチが「スニーカーぶる〜す」を、イモ金トリオが「ハイスクール・ララバイ」を歌うという…。
懐かしい…(笑)昭和の時代です
私が「パタリロ!9巻」と出会ったのはその後、数年が経過していたのですが、まだまだ若く純粋な私に(笑)衝撃を与えました。
なんという過激な毒だらけの漫画!男同士のラブ!緻密な絵の美しさ!ギャグが半端ない!そしてあまりにも完成された世界観!
すごい!すごすぎる。
ギャグ漫画とはいいながらも、私がそれまでに知っているギャグ漫画とは全く違う感じを受けましたね。天才少年パタリロが繰り出す息をもつかせぬギャグの応酬。インモラルでありながらも高尚。
全く持って隙がないのです…
私はたちまち魅了され、私が知らなかった「パタリロ!」という世界へ入り込みたい衝動にかられた訳です…
さて、パタリロ!9巻のラインナップはこちらです。
【パタリロ9巻】
・雪がやんだら
・殺しのライセンス
・タマネギ!
・パタリロ8世と10世
・旅立てジャック
・悪魔の契約
・タロット
名作ばかりですね。
最後の「悪魔と契約」と「タロット」はパタリロ!ではなく、魔夜先生の初期作品です。悪魔と天使と魔法使い、そしてお金持ちのツンとしたお嬢様。勧善懲悪というよりも、因果応報という感じのお話ですね。美しく、きちんとハッピーエンドの恋愛話なんですが、雰囲気がもう!魔夜先生ならではのものですね。毒々しい美しさと妖しさを存分に詰め込んでいて。私が前から知っているはずの恋愛漫画をこんな風に表現する方がいるんだ…と、それはそれは衝撃を受けたのです。
【マライヒ】
この9巻では特にマライヒの美しさと魅力が惜しみなく存分に発揮されております。
巻数が進むにつれてどんどんマライヒも女性化され、トゲが抜けていく感じがありますが。特にフィガロを出産してからは主婦化してますしね。もちろん、そんなマライヒも大変可愛らしいのですが、この9巻ではまだまだ元殺し屋の、毒ありミステリアス美少年という感じが匂い立っております。私はきっとこの時にマライヒに魅了されてしまったんでしょうね。ほんとに可愛らしくて美しくてたまらんのですよ…はぁ
【9巻で影響を受けたこと】
私がどの話が好きかというと、もちろん全部が好きなんですが、なかでも「雪がやんだら」と「殺しのライセンス」にはものすごく影響を受けました。私は当時読んでいた小説が、フリーマントルとかアガサクリスティーとかのスパイ小説やらミステリーやらだったんですよ。以前書いた通り、村上春樹にもはまってましたけどね。(まぁそれは置いといて)
「雪がやんだら」でパタリロが本に夢中になっているシーンがあるんです。
それがアンブローズ=ビアス著「悪魔の辞典」
パタリロのセリフに「普通の辞典と違ってひとつひとつの言葉に対する説明がおっそろしくひねくれているんだ。なかなかおもしろい」
と、あるんですが…。すぐさま本屋さんに行って買ったんですよ。
「悪魔の辞典」を(笑)
そして殿下の言う通り、まごうことなく面白いんです。ひねくれてて、うがってて、毒々しくて!
残念ながら、今はなぜか手元に無いんですが…。
と、いうか部屋のどこかにあるとは思うんですよね。
関連図書として買って読んだ「ビアス短編集」は」ちゃんと目の前にあります…。どこいったんでしょうかね。「悪魔の辞典」は…
で、さらに「殺しのライセンス」なんですが、このお話の中で麗しき美少年マライヒが囮捜査のためにナイトクラブで弾き語りをするんです。
その歌が新潮文庫刊、堀口大学訳「コクトー詩集」より「野ばら」なんです。
これを読んだ私はやはり、「コクトーの詩集」堀口大学先生訳の本を購入して読むわけです。
この詩集がまた素晴らしい!あまり詩をたしなんだことのない私ですが、マライヒが歌った詩であるがゆえにどっぷりとその世界につかるわけです。
単純ですね(笑)
ここのシーンで、パタリロがマライヒが歌っているのを見ながら「コクトー」だな…とつぶやくわけです。そしてタマネギが「なんと美しい声だ」と言い。「コクトーと言っても、ジルベール=コクトーではないぞ」と言ってパタリロがいつものように美少年姿に変身するんですが…。
パタリロが変身したジルベール=コクトーとは竹宮恵子先生の「風と木の歌」の中に出てくる美少年なのです。
風と木の詩 (第1巻) (白泉社文庫)
実はその時まで竹宮恵子先生の「風と木の歌」を読んだことがなかったのですよ。
まだまだ子供でしたねすみません、勉強不足で…後から後悔しましたよ、なぜ今まで知らなかったのか…とそれほどの名作です
当時、竹宮恵子先生の著書では「地球へ…」のみ。と、いうか思い出としては小学生のころ近所の駄菓子屋さんの前にあったガチャガチャ(20円)で当たりが出て、劇場版「地球へ…」のポスターが当たって自分の机の前に貼っていた…ということしかないんです。
で、パタリロ9巻の「殺しのライセンス」で、ジルベール=コクトーを知り竹宮恵子先生の著書の大ファンになるのです。いや、ファンにならざるを得ない!素晴らしい漫画家さん、表現者です。そして、「コクトーの詩集」から、もともと好きだったヨーロッパ古典文学にも、さらにはまっていくのです。
いろいろ繋がっていくんですよね。人生って
もちろん、あの日あの時、魔夜峰央先生の「パタリロ!9巻」との出会いからスタートしたのです。名作と言われる素晴らしい作品は、漫画や小説や年代を超えて限りなく繋がって広がっていくものなのだと、そう思わずにいられないですね
というところで、本日はこの辺で…。パタリロ!9巻の話はまだまだ続きます!
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8057930
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック