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2014年05月10日

キャリア形成における支援者の11の役割分担

先日、「よい上司ほど部下をダメにする」を読んで、こんなにたくさん、キャリア形成における支援者の役割って細分化できるのか! と驚いたので、記しておく。



よい上司ほど部下をダメにする

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まずは引用させてほしい。

創造的リーダーシップ研究所(CCL)に所属する組織心理学者のグループは、組織の内外から支援を受ける際に、次のような役割を支援者に求めることを提唱している。

・フィードバック提供者:自己変革の進行状況に関するデータを提供してくれる
・・・@
・相談役:違う方法やその結果について、一緒になって考えてくれる・・・A
・比較対象者;同様な苦難に直面している人。自分の進歩を測る物差しになる・・・B
・フィードバック通訳者:複雑なデータの解釈を手伝う・・・C
・対話者:自分のものの見方や常識を疑ってくれる・・・D
・手配人:自分を高めてくれる仕事や経験を割り当ててくれる・・・E
・会計人:進歩の度合いを測り、気の緩みがないかどうか教えてくれる・・・F
・役割モデル:観察および模倣の対象になる・・・G
・カウンセラー:情緒面で支援してくれる・・・H
・チアリーダー:小さな成果を一緒になって喜び、励ましてくれる・・・I
・相棒:一緒になって喜んだり悲しんだりしてくれる「よき仲間」・・・J

なんと11通りもあるのである。
もちろん、一人ですべてをこなすことはできないし、逆にこの役割を11人もの人を集めて割り振れと言っているわけでもない。たとえば上司は手配人会計人の両方を果たすことができるし、同僚はフィードバック提供者かつ比較対象者かつ相棒で構わない。
意識すべきは、この11通りの支援を自分が正しく受けられているか。あるいは自分が支援する側に回ったとき、どの役回りを担うべきか、である。

またか、と思われそうだがそういうブログなので、ダイバーシティ・マネジメント、特に女性コンサルタントのキャリア形成観点から少しだけ考えてみる。肌感覚だが女性コンサルタントはキャリア形成に入社当初から悩んでいる。それも、自分が女性だから、という理由で悩んでいる。その悩みが解消されず、男性に比べてやや離職率が高い状況にあるように思える。

上記11通りのキャリア支援の何かが足りないのではないかと思う。
しかし、女性コンサルタントというのは現在マイノリティーのため、実はかなり大事にされている面がある。

@フィードバック提供者・Cフィードバック通訳者・F会計人は上司やクライアントであり、B比較対象者は同期となるため、これらがないということは考えられない。G役割モデルは数年上の先輩コンサルタントであるため、こちらも男女差はないはずだ。
A相談役E手配人Hカウンセラーはむしろマイノリティー故の手厚ささえ感じる。

すると、残る以下3つに問題があるのではないかということになる。

D対話者:自分のものの見方や常識を疑ってくれる
 自分は女性だから〜の点で不利だ、〜のタイミングで仕事ができなくなると考えている女性コンサルタントは多い。これは仕事面でのスキルレベルの問題ではなく、一人ひとり異なる私生活も含む問題のため、他人が口をさしはさむのはかなり難しい。
 先輩女性コンサルタントから大丈夫と言わせればよいと考えた方は甘い。
 その時の後輩女性コンサルタントの答えは決まって、「○○さんは優秀だからそれでもいいけど、私は真似できない」
 自分は女性だから〜の点で不利だ、〜のタイミングで仕事ができなくなるという常識にすっかり凝り固まってしまっている。
 ずっとよくある話として流していたのだが、よく考えたら、どうしようもないぐらい後ろ向きな発言だ。
 女子よ、「ロールモデル潰し」から卒業しよう(http://toyokeizai.net/articles/-/33339)を読んで思わず心の中で、うっかり同じ言葉を言ってしまった先輩方に心の中で謝罪した。
 女子よ、「ロールモデル潰し」から卒業しようの中でこんな問いかけがされている。

自分より優れた仕事をしている人を、心から素直に認めるだけでも息がはぁはぁしてしまう。それなのに、その人は美人の部類で、高そうな服を着こなし、割とイケてるダンナさまとかわいい子供がいて、さらには高級エリアの分譲マンションに住んでいて、さっぱりした性格で人気者。そんな人を「自分より優れているわ」なんて、認められます?

 後輩女性コンサルタントは高い壁を見てもう無理だと思っている。そこに優秀な先輩女性コンサルタントがきてお話しても、それは「○○さんみたいになりたいとは思っていない」という言葉で突き返される。
 自分でいうのも悲しいが、面倒な後輩である。
 ただ、現在の状況では、女性が(真偽はともかく精神的に)働きにくいと感じていることも事実だ。現在のタイミングでは、対話者にすべき人がもしかしたら間違っているのかもしれない。
 

Iチアリーダー:小さな成果を一緒になって喜び、励ましてくれる
J相棒:一緒になって喜んだり悲しんだりしてくれる「よき仲間」
 正直、成果を喜ぶことに男女差はないと思うので、男女差があるとすれば、その成果をコミュニケーションする機会があるかないかの差だと思う。小さな成果のため、ほとんどは仕事の報告というより、雑談の一部として伝えられる。
 女性の方が周囲との会話が少ない、あるいは自分の成果を伝える機会が少ないというのはありうる話に思える。
 たとえば、男性部下の方がやりやすいと感じる上司は仕事では差別がなくとも、雑談は男性部下とばかり行うことがある。女性は意識して自分から話しかけるか、自分の成果をより多く伝えるように意識する必要が出てくる。その必要性に気付かず、なんとなく疎外感を感じるというのは、ありうる話だと思う。





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