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2020年11月02日

バチェロレッテを見て考える、コンサル業界が辛くなる人の特徴

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題して、業界人Twitterと世間の差分に見る、コンサル業界のコミュニケーション能力の特殊性。
コンサルティング業界への転職を考えていて、業界のことを知りたい。という人に伝えたい「コンサルティング業界でよくある会話のスタイル」の話です。

業界人Twitterを見ていたら、バチェロレッテの福田萌子さんの話が出ていた。
仕事目線でバチェロレッテを見るってどういうこと…? と非常に不思議に思っていたのだが、
面接官、福田萌子 ・・・バチェロレッテに学ぶ就活コミュニケーション術

という話もあり、そんな見方もあるのかと目から鱗が落ちた。
そんなわけで、なたりんもバチェロレッテを見て、記事を書いてみることにした。

バチェロレッテ・ジャパン シーズン1 特報予告 "逆玉か、玉砕か!?編"



なたりんがバチェロレッテを見るきっかけとなったTwitterはこちら

外コンの同期達が「バチェロレッテの福田萌子さんは筋が通らない話になると疑問を持ち質問で詰めてしまう。表面だけ取り繕った話を流せないし、これが男性を萎縮させてしまう要因。まるで我々を見てるようだ」と話してて、結婚できる女性とできない女性の差かな...と思うなどした。

https://twitter.com/kinugoshi_df/status/1318923308448927745


これを見て、バチェロレッテの会話の一部は、コンサル業界の会話に一部近いものがみられるのかな、と思ったのだ。
それが婚活にいいか悪いかはここでは論じない。

前提条件も異なる。
結婚は二人の問題で、お互いが居心地の良い状態が最優先。
でもコンサルタントの仕事には、大抵クライアントがいて、納期があって、自分たちの仕事には莫大なフィーが支払われており、それなりの成果を上げられることが求められている。

だが、現象として類似のコミュニケーションが結構な頻度で生じている、という型が誰でも見られる形で存在する。というのは、コンサル業界への転職を考えている場合、参考になると思う。

見てほしいのはエピソード3の開始17分頃からの1 on 1デート。
バチェロレッテである福田萌子さんを「完璧」と評した男性に対し、「完璧ってどういうこと?」と問いかけていくシーンがある。

このシーンは、部下の成果物を上司がレビューする会議に少しだけ似ている。
上司に悪気はない。
あくまで、部下の成果物を上司がレビューする会議は婚活ではなく、仕事の場面。
そして、繰り返すが、でもコンサルタントの仕事には、大抵クライアントがいて、納期があって、自分たちの仕事には莫大なフィーが支払われており、それなりの成果を上げられることが求められている。部下もそのチームの一員である以上、成果を出す責任がある。

なので、矛盾があれば指摘されるし、曖昧な部分は説明を求める。
説明を求めるのは、方向が間違っていないから。単に、クライアントにわかりやすい言葉遣いができてないから、基本は部下を尊重したいが、【品質を担保するのも上司の仕事なので】調整をかけたい。というだけの話である。

バチェロレッテは婚活話なので、このエピソードは、福田萌子さんの「気の強さ」という形で収められている。
しかし、コンサル業界中で、限られた時間で成果を出さなければいけない状況で実施してるレビュー会議においては、上司の標準装備である。
さらに言えば、上司が向き合っているのは成果物を通して想像されるクライアントの反応であって、それを作成した部下ではない。
バチェロレッテはどんな相手もSpecialで、相性として合わない部分でお別れする方はいても、その方を極力傷つけないよう精一杯言葉のクッションを置くことを大切にしている。
しかし、コンサルの仕事はそういった「社内コミュニケーションのコストを下げることでスピードを上げる」というビジネスモデルである。このため、上司はいちいち部下に「あなたは全く悪くないし、前提条件がきちんと伝わっていないのであると認識しているし、この仕事の難易度が非常に高いことは理解していて、クライアントの好みの問題であるのだけれど、こういう考え方もあると思うので、自分が批判されていると思わずにまずは私の聞いてほしい」という言葉を毎回差しはさんではくれない。つまり、福田萌子さんのような優しい前置きなく、ずばっと結論を言われることが多い。という理解をしてほしい。

※ただし、一度のレビューで「バチェロレッテの元を去る」ような厳しい脱落ルールはないので安心してほしい。
UP or OUTやカウンセリングアウトは年次評価の話なので、年単位で最終的に評価されていれば、問題はない。みんな上司から年がら年中ツッコミを受けている。


コミュニケーション・コストを下げることにリスクがあるのは、会社も理解している。
だから、コンサルタントの給料は高い。仕事用であっても、コミュニケーション・コストを下げた状況を許容できる人は少ない。少なくとも、その文化に適応できるだけで、スピードが求められる仕事においては、一定の希少価値がある。

このエピソードの後、スタジオで、「正直、あんだけボンボン来られたら、出ますか?」というコメントがあった。
これが世間の普通だと思う。

しかし、コンサルタントは「自分の理想像」ならぬ「(自分が考える)クライアントの課題の解決の理想像」を問われている。そしてレビューにおいては、よっぽど考え抜いて話していても、なぜか上司から見ると不足な部分が生じる状況で、正直、毎回あれぐらいはポンポンくる。

「…嫌だなぁ」
と思う方は、婚活ではなく、特殊なコミュニケーションを求められる仕事としてコンサルタントを見たとき、「他業界より高い給与の源泉のひとつは社内コミュニケーション・コストの削減(スピード)である」を割り切って仕事に臨めるかを考えてほしい。
コンサルティング業界に入ってくる人と、クライアントの大企業に勤める人。素質に差があるあるわけではない。両者の生産性、ひいては年収の差が出るのは、納期があってそこまでに歯を食いしばってでもやるのか、やらないのかの違いが大きい。そして、その納期を守るためには、チーム内でのコミュニケーション・コストの削減(スピード)は、ビジネスモデルとして必要な部分だから、大企業と同じにはならない。

スキルや業界知識の不足は後から勉強すればいいが、コミュニケーションに対する感覚は相性の問題もあると思う。相性が悪いと、本当に辛いと思う。



「…いや、別に普通だよ」
と思う方は、たぶん、コンサルタントになってもOUTを恐れることはほとんどない。
むしろ、自分から上司を逆質問攻めにして、スキップ昇進されていくタイプだ。
そういう方には、お勧めできる業界だと思う。




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