2014年08月22日
丹波大阪山づたい(3)「岡山林道」
b.ところで、コレって岡山林道でいいんすか、
a.このエリアを走りまくってるヒトによるとそうみたいやけど(=そうらしいけど)、オレらが入ったのは別の林道で、それがいつしか岡山林道に合流したようやな、それに、この林道もこの先、いきなり府道115号線に変わるし、なんか妙な感じやなあ、
ここ北摂(ほくせつ)エリアを中心に走っておられる方のブログに岡山林道について詳しい解説がありました。
http://nekotani.blog.fc2.com/blog-entry-9.html
b.それはきっと、大阪の市街地から萩谷って山奥の集落までは府道を付けたけど、その先は人も住まない山ん中やし、林道あつかいにしたんちゃいます(=林道にしたんじゃないすか)、
a.ああ、なるほど、京都側から走って来たし、その発想がなかった、
b.しかし、すぐ数キロ先に大阪という大都会が広がってるとは、とても信じられない山の中、
a.こんだけ道が広くなめらかで大都会が近いなら、もっとクルマが走ってあたりまえ、
b.大阪七不思議っすね、
a.そりゃ言い過ぎやろ、林道はさんで便利な府道が2本も延びてたら、みんなそっちへ流れる、よっぽどの好きモン(=変わり者)以外は、
b.たしかに、時々出くわす人々はみんなどこか一癖(ヒトクセ)ありそうな輩(ヤカラ=連中)ばかり、
a.オマエが言うなや、
b.しかし、たまの休みだというのに、真夏のくそ暑い昼下がり、寝不足のカラダをひきずって大量の汗をかきながら、頼まれもしない林道を、よく走りますねえ、
a.ホンマやなあ、時々自分でもそう思う、なんでオレはこんなことしてるんや、
b.カラダを動かすのが好きなんすね、
a.それもあるけど、なんかもっと深いところで、生きてるって感じがするんや、
b.平日でも会社で生きてますけど、
a.「より良く生きる」っていうか、誰から頼まれるでもなく、地図を見て、道を決めて、喜んだり、がっかりしたり、息が切れてつらかったり、下り坂が安楽だったり、そうやって自分の色んな能力を使いながら、次々に展開する新鮮な景色をながめてると、「ああ生きてるなあ」ってしみじみ感じるんや、だからこんなこと続けてるんや、きっと、
b.修行のようにも見えるけど、
a.むしろ逆で、本人はそのつらさもふくめてきっと楽しんでるんや、大まじめな顔してるけど、
「ああおもろ(=おもしろい) 真夏チャリンコ 大まじめ」、
b.ところで、そろそろメシにしませんか、
a.そうやなあ、林道も見晴らしが良くなってきたし、ここらで休憩すっか、
b.しかし、山が深いっすね、
a.大阪近郊といっても侮(あなど)れんなあ、高さはないけど、奥深さは一級品や、
b.コレ敷きますか、輪行袋、
a.ああ、それは良いアイデアでござる、この季節、地面はどこもアリが這い回ってるでなあ、ゆっくり座ってメシにしよう、
b.いま何時すか、
a.正午過ぎ、ちょうど昼メシ時、
b.中学校跡地の記念碑を眺めてたのが午前10時ごろ、それからまだ2時間ちょい、もう6時間たったような気分やけど、
a.上り坂が多いと3乗で時間が過ぎるしなあ、
b.タテXヨコに加えて高さも掛けて3乗か、
「山の道 苦楽も時も 三乗分」、
a.汗かきすぎて食欲もないけど、こうやって遠くの山並みを見晴らしながら弁当食ってる自分ってきっと幸せなんやなあ、
b.なんか、変な言い方ですね、幸せじゃないんすか、
a.そうやなあ、幸せって言うよりもなんか仕事してるような淡々とした気分や、
b.っていうと、
a.このあと、どの路線のどの駅から帰ろうかとか、次の自販機でなに買おうかとか、どうでもいいようなあれこれを何となく思い描いて、それほど幸せに浸ってるような気分でもない、
b.まあたしかに、いつどこで自転車やカラダに異変が生じるかも分からんし、自分の家へ無事到着するまでは、いくつも地味な段取りがあるし、
a.身の回りを世話する係りが居るわけでなし、常に大小の緊張感にさらされてるし、
b.だからきっと、明日あたり、仕事しながらふと、この旅路を回想して、じわっと幸せになるのかもしれませんね、