2011年08月19日
新編銀河鉄道の夜
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★★★★★
『銀河鉄道の夜』を含む作品集は小学生のときにも読んだんだけど、はっきり言って内容をあまり憶えてなかったし、そのときの理解力は今よりは当然劣ってただろうし、なんとなく読みにくい古い文体とかいうイメージだけが残ってしまっていて、とても残念な思い出になっていた
でも何年か前にプラネタリウムのKAGAYAの銀河鉄道の夜を見て、それに感動したんで、再び手に取ることとなった
その時のプラネタリウムのイメージが自分のしょぼい想像力の足りない部分を補完してくれたのもあってか、視覚的イメージも含め、とてもすんなりと頭に入ってきた。
そこでやっと気づいたのは、視覚的なイメージが意外と多いなあということ
小学生のくそガキだった私は、どうやら抽象的な視覚効果の部分を無意識のうちに読み飛ばして読んでいたようだ。
意味のありそうな役立ちそうな、またはストーリー的に刺激がありそうで単純におもしろそうな部分にしか目を通そうとしなかったというまさに単純思考の小学生時代の自分の読み方が、今ではとても疎ましい
読み終わったあとは、主人公のジョバンニと同様、なんだか色々なことで胸がとてもいっぱいになって、丘を駆け下りたくなる、まさにそんな感じだね
やっぱり色々と気になって、読み終わったあとに色々と調べてみた
中でも、鳥を捕るおっさんという人物をなぜ登場させたかってところが一番気になって、調べた。ネット上でいくつか見解を見つけて、そこそこ納得いった。
つるはし&星という共産的なデザインの国旗がなぜ登場するかとか、インディアンがなぜ出てくるかとか、細かい謎は自分の中で色々残ったんだが。
それでもやっぱ銀河鉄道の夜は素晴らしいなあと思った。
読んでる途中で文庫本を紛失してしまったんで、青空文庫で補完したんだけど、青空文庫では第3稿と第4稿が混じっているという。
第4稿の終わり方の余韻を知っていただけに、第3稿の終わり方や、第4稿には登場しない何とか博士という人物の俯瞰的で断定的な発言には、ちょっと感動が薄れてしまったなあ。やっぱ探求の旅ってのは、いつまでも続いてくもんだと思うし 何より、自分自身で探していくものでしょう。
なんか映画ゲド戦記のゲドの、視聴者に分かり易過ぎる断定的な発言を彷彿とさせたわ。
やっぱ第4稿がベストか
あと、なんだか夢を見ているときの感覚に近い感じなところが良いわ 人がいきなり出てきたり消えたりするところとか。一見すると場違いなヒトやモノがいきなり出てきてるのに、あたかも普通な感じで描写されてるところとか。全体の景色の感じとか、夢でしかありえないような遠近感とか。
宮沢賢治は、自分の見た夢をそのまま参考にしたんじゃないのかなあ
てか同じ本に掲載されている『よだかの星』は、宇宙飛行士の毛利さんが何かの本の中で言ってた作品。納得
別版
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