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2017年03月29日

学校事務職員という仕事・生き方―キャリア・ステージごとの悩み、学び、成長

学校事務職員という仕事・生き方―キャリア・ステージごとの悩み、学び、成長

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★★★☆☆
本の要約

様々な世代の学校事務職員が、実際の体験に基づいて、学校事務職員という職業に対する思いの丈を語っている。
そして最後の章では、編著人がそれらを総括しつつ、学校事務職員の魅力について著している。
各著者のほどんどは、公立の小中学校の事務職員だと思われる。
感想など

実際の職員が実体験に基づいて本文を書いているところが、まず何よりも良かった。
公立の学校事務職員という職種も、主体性や成長性を発揮できる職種なんだなぁ、と思った。
この本を読む前だったら、公立の学校事務職員と聞いても、なんとなくつまらなそうな職業・・・というイメージしか思い浮かばなかったかもしれない。

もちろん、この本に登場する著者らは、同じ職種の中でも平均よりもかなり高い主体性や積極性をお持ちなんだろうと思う。だからこそこのエッセイ本の執筆者としてそれぞれ選ばれたのであろうが。
彼らはさらに、人と人とのつながりや、仕事の進め方、意欲や挑戦、後輩の育成、そして教育関係者の中の学校事務職員としての誇りという点において、より高い次元で考えて行動されているようだ。
また、公立の学校事務職員というポジションの中で、彼らのようにモチベーションを維持していくのはとても凄いことだとも思った。
読んでて、色々と元気づけられた。
特に良いと思ったのが、中学校勤務の40代男性であるKさんのエッセイ。仕事への考え方としてとても共感できたし、参考になった

彼らはまた、極めて限られた予算やリソースの中でどうやって良い仕事をするか、という課題と常に向き合っているんだと感じた。一般企業の競争性とはまた違った戦いなんだろうと思う。

著者の年代別に章が分かれているのも面白かった。
年代が上になればなるほど文中に体言止めが多くなるんだな、とか、主旨とは関係ない部分でも少し楽しめてしまった
また、人によっては、少なくとも私にとってはちょっと意味不明な文やちょっとワンダーな文章を書かれている方もいた。これらもある意味ちょっと面白かった・・。文筆のプロではないと思うので、仕方がないと思うが。とはいえ、教育に対する誠意というか善意はとても感じられた。

第5章の総括は最も参考になった。
これらは、学校事務職員でない人にも参考になることが多いと思う。

しかし強いて言うなら、中にはもっと尖ったキャラの学校事務職員がいてもいいんじゃないかなとも思った。特にこのご時世。
例えば、IT業界経験者でIT/ICTにめちゃくちゃ強いとか、語学がめちゃくちゃ堪能だとか、ベンチャー起業経験者とか。
実際は少ないのかもしれないけど、もしそういう人が学校事務職員になってからのエッセイがあったら、読んでみたかったなと思う。
あと、私立学校や大学についてはほとんど盛り込まれていなかった。タイトルに「学校」と書いているんだから、それらも入れて欲しかった。もしくは、それらについてはほぼ言及されていないことを、はじめから分かりやすくして欲しかった
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