2013年10月05日
多年のあいだ自分の持場を
多年のあいだ自分の持場を離れず、まったく最後というときになって初めて門をしめるし、自分の役目の重大さというものをきわめて自覚しているんだ。なぜなら、『わしには力がある』と言うからだ。上役に対する尊敬というものを知っている。『わしはただいちばん低い門番だ』と言うからだ。多年のあいだ、この本に書いてあるように『無関心な質問』を投げるだけだったのだから、
おしゃべりでもないし、贈り物については『何か手を尽さなかったと君が思わないように、もらっておこう』と言うのだから、賄賂のきくような男でもない。義務の遂行に関しては、動かされたり、泣き落しにかかったりはしない。なぜなら、この男について、『うるさく頼んで門番をうんざりさせた』と書いてあるからだ。最後に彼の外貌もそのペダンチックな性格を暗示している。大きな尖り鼻、長くて薄い、真っ黒な韃靼人風の髯とある。これより義務に忠実な門番はまたとあるだろうか? さてところで、この門番にはさらに別の特徴もあって、それははいることを求める人間にきわめて好都合なものであり、ああいうように将来の可能性などをほのめかして自分の義務をいくらか逸脱したということも、それによればともかくうなずけるというものだ。つまり、この男は少し単純であり、またそれと関連して少し己惚れが強い、ということは否定できない。自分の力、ほかの門番たちの力、それからそういう門番たちを見ると彼には我慢できないということ、そういうことについての彼の言い分は――わしは思うんだが、これらの言い分はみなそれ自体として正しくはあるが、彼がこういうことを持ち出すやりかたは、彼のとらえかたが単純さと思い上がりとによって曇らされているということを示すものだ。注釈者たちはこの点に関して、『ある事柄の正しい把握と同じ事柄の間違った解釈とは互いに完全に排除し合うものではない』と言っている。薬学部CBT対策 第98回 薬剤師国家試験結果 - 城西大学
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