2013年09月22日
二月の美しい女ブリードは
二月の美しい女ブリードは、キリストの養ひの母ブリジツトや、家庭をまもる聖女ブリジツトといふやうなキリスト教のにほひを持つ一人の女性とは違つて、それよりずつと古い時代の、ゲエルかそれよりも以前の民族に信仰されてゐた火と詩の女神ブリードの姿も一しよにされてゐるだらうと言つてゐる。ドルイドの司祭は彼女を片手には黄いろい小さな火焔を持ち、片手には火の赤い花をもつ「朝のむすめ」として礼拝してゐた。
その火がなければ、人間の子たちも洞穴に住む野のけものたちと同じやうなものであつたのだらう。今も春が来るたびに「二月の美しい女」は思ひ出される。人の心に、昔の古い偉大な姿は消えても、をさなごキリストを一夜自分の胸に抱いて子守歌をうたつた養ひの母ブリジツトとして、人間の家庭の揺籠を夜も昼も守る女神として、また九十日の冬眠から天地自然が目をさまして春が生れる歓びとともに、二月の初めに生れた彼女を愛するのであらう。
大西洋の灰色の波と寒いさむい雲霧に覆はれてゐたアイルランドの海岸や、海中の島々に初めて春が来るとき、そのとき聖女ブリジツトの来る前兆が見える。それはたんぽぽ、仔羊、海鳥、普通に都鳥とよばれてゐる鳥どもである。昔のむかしの何時からともなく、春がくれば先づ路傍に黄いろい花を咲かせるたんぽぽ、これが聖女ブリジツトの花とされてゐる。薬剤師募集サイト お気楽薬剤師?はぐれ薬剤師純情派
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