2014年03月11日
今は絶滅した先住民族
気が付くと、彼は自分の耳を剃落しており、しかも、それを知らなかったのだ。彼は直ちに意を決して、癲病島モロカイに移り住み、其処で、不平もなく悔もない余生を送った。その呪われた島を私が訪ねた時、此の男は極めて快活な様子で、過去の自分の冒険譚を聞かせて呉れた。
彼は白人を三通りに区別していた。「余を少しく欺した者」「余を相当に欺した者」「余を余りにも酷く欺した者」。私の帆船が彼の島を立去る時、豪毅朴直な此の独裁者は、殆ど涙を浮かべて、「彼を少しも欺さなかった」私の為に、訣別の歌をうたった。彼は其の島で唯一人の吟遊詩人でもあったのだから。
中野駅 歯科
中野駅 歯科
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