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2013年07月07日
昼寝罵倒
 この奮励努力すべき世の中で、ゴロゴロ昼寝などする馬鹿があるかッ! 暑い暑いと凹垂れるごときは意気地無しの骨頂じゃ。夏が暑くなければそれこそ大変! 米も出来ず、果実も実らず、万事尽く生色を失う事となる。夏の暑いのがそれほど嫌な奴は、

勝手に海中へでも飛込んで死ぬがよい。今や狭い地球上――ことにこの狭い日本では、碌でもない人間が殖え過ぎて甚だ困っている。怠惰者や意気地無しがドシドシ死んでしまえば、穀潰しの減るだけでも国家の為に幸福かも知れぬ。
 吾党は大いに夏を愛する。暑ければ暑い程鋭気に満ちて来る。やれやれ、何か面白い事をやってくれようと、そこで企てたのが本州横断徒歩旅行! もちろん亜弗利加内地旅行だの、両極探検だのに比すれば、まるで猫の額を蚤がマゴついているようなものであるが、それでも、口をアングリ開けて昼寝をしているよりは、千倍も万倍も愉快に相違ない。
 出発は八月十日、同行は差当り五人、蛮カラ画伯小杉未醒子、髯の早大応援将軍吉岡信敬子、日曜画報写真技師木川専介子、本紙記者井沢衣水子、それに病気揚句の吾輩である。吾輩は腹式呼吸と実験から得た心身強健法とで、漸く病気の全快したばかりのところへ、要務が山積しているので、実は徒歩発足地の水戸まで一行を見送り、そこで御免を蒙る積りであったが、さて水戸まで行ってみると、オイソレと逃げる訳にも参らず、とうとう牛に曳かれて八溝山の天険を踰え、九尾の狐の化けた那須野ヶ原まで、テクテクお伴をする事に相成った。
カンボジア ビザ 金さえあれば飛ぶ鳥も落ちる
Posted by salchan at 22:57 | この記事のURL
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