2007年11月07日
お楽しみはこれからだ!〜エノキタケ
11月になると僕の茸狩り場は、
水源地帯の沢からだいぶ下流の「河川敷」へと変わる。
ここにもたくさんの倒木がある。
ただし、ブナやミズナラではなくて、ヤナギがほとんどだ。
これは標高の違いによる。
木が変われば、そこに生えるキノコも違ってくる。
写真を見てわかりますか?
じつはこれ、エノキタケなんです。
そう、すき焼きとか煮物に入れる「ナメタケ」ともいうやつ!
あれはもう、天然物とくらべると「もやし」としか言いようがないシロモノだ。
美味しさが全然違う。
立ち枯れの木に出たやつは、写真映りはいいけれど、小さいのが多い。
傘の直径で2〜3pくらい。
それにくらべると半分土砂に埋まった木に生えているやつの方が、
栄養状態がいいのか4〜8pと大きくて立派なのが多い。
生える場所によって、
エノキタケは姿形や色が「本当にこれ同じキノコ?」ってくらい違いがある。
図鑑に載っている標準的なエノキタケは、
ややオレンジ色がかったレモン色の傘に、黒ずんだビロード様の細い柄が特徴だが、
土に埋まっていると柄が太くて白っぽくなることが多い。
じつはこのエノキタケ、
秋から初冬まで寒い時期によく採れる、貴重なキノコなのだ。
しかも奥山から庭先まで出る場所を選ばない。
都会の公園などにも出るそうなので、
適当な枯れ木さえあれば身近なところでキノコ狩りができるのだ。
収穫を稼ぐには、ここでも「乞食の眼」が物を言う。
何かいいもんが落ちていないか、地面をくまなくスキャンして行く、
必殺というより必死な「眼」である。
木の上で採れたら下の方も見るとか、
手前面にぞっくり生えていたら反対側に回ってみると、そこにも同じように生えているものである。
結局、きょうも背負いカゴに半分ほどの収穫があった。
鍋物がおいしい季節である。
天然のエノキタケが入った鍋は、味も格別だ。
晩酌もすすみそうである。
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