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2015年07月25日

「ポツダム宣言」と日本終戦の日

日本の終戦の日は、一九四五年九月二日である──といったら、
あなたは意外に思うでしょうか?

その日、東京湾上に停泊した米国戦艦ミズーリの上で、
日本の全権・重光葵と参謀総長・梅津美治郎が、降伏文書に調印をしました。

日本の戦争はこの瞬間に終わり、
第二次世界大戦もまた終結したのでした。

だからアメリカでは九月二日を「VJデー」(対日戦争勝利の日)と呼び、
毎年、国を上げて祝っていました。


降伏文書調印式

原動画削除のため差し替え(2019年5月10日)


上の動画は「映像」が参考になると思って取り上げました。
ナレーションは無視して下さい。
いまだにGHQの放送コードを守っているようですので。

しかし、日本人にとっては八月十五日の方が大事だったようです。
この日、ラジオを通して、天皇陛下が国民に語りかけ、
「ポツダム宣言」を受諾することを告げました。

もっとも、この時流れたのは、前日に吹き込んでおいた録音盤(レコード)の音声でしたが、
国民は初めて聞く天皇の声ということもあり、敗戦の告知と二重になって、
印象深く受け止めたのかもしれません。

録音盤を巡っては放送の直前まで、
それを放送させまいとする徹底抗戦派の将校たちがNHKに押しかけ、
録音盤を強奪しようとしたことが知られています。
『日本のいちばん長い日』(1967年・東宝)という映画は、この日の出来事が描かれています。


まず「ポツダム宣言」を読んでみる

「ポツダム宣言」は、
1945年7月、ドイツの首都ベルリン郊外のポツダムにて、
米国のトルーマン大統領、英国のチャーチル首相、中華民国の蒋介石名で発された、
日本国に対する降伏勧告です。

戦艦ミズーリ上でかわされた「降伏文書」の中で、
日本国は「ポツダム宣言の降伏条件の履行」が義務付けられています。
そう、「ポツダム宣言」は、日本国の降伏条件が提示してある文書なわけです。

では、具体的にどのような条文になっているのか、見てみましょう!


ポツダム宣言[全文]

一、吾等合衆国大統領、中華民国政府主席及びグレート・ブリテン国総理大臣は、吾等の数億の国民を代表し協議の上、日本国に対し、今次の戦争を終結するの機会を与うることに意見一致せり。

二、合衆国、英帝国及び中華民国の巨大なる陸、海、空軍は、西方より自国の陸軍及び空軍による数倍の増強を受け、日本国に対し最後的打撃を加うるの態勢を整えたり。右軍事力は、日本国が抵抗を終止するに至る迄同国に対し戦争を遂行するの一切の連合国の決意により支持せられ、かつ鼓舞せられ居るものなり。

三、蹶起せる世界の自由なる人民の力に対するドイツ国の無益かつ無意義なる抵抗の結果は、日本国国民に対する先例を極めて明白に示すものなり。現在日本国に対し集結しつつある力は、抵抗するナチスに対し適用せられたる場合に於て全ドイツ国人民の土地、産業及び生活様式を必然的に荒廃に帰せしめたる力に比し、測り知れざる程更に強大なるものなり。吾等の決意に支持せらるる吾等の軍事力の最高度の使用は、日本国軍隊の不可避かつ完全なる壊滅を意味すべく、また同様必然的に日本国本土の完全なる破壊を意味すべし。

四、無分別なる打算により日本帝国を滅亡の淵に陥れたる我儘なる軍国主義的助言者により日本国が引続き統御せらるべきか、または理性の経路を日本国が履(ふ)むべきかを日本国が決意すべき時期は到来せり。

五、吾等の条件は左の如し。吾等は右条件より離脱することなかるべし。右に代る条件存在せず。吾等は、遅延を認むるを得ず。

六、吾等は無責任なる軍国主義が世界より駆逐せらるるに至る迄は、平和、安全及び正義の新秩序が生じ得ざることを主張するものなるを以て、日本国国民を欺瞞し、之をして世界征服の挙に出ずるの過誤を犯さしめたる者の権力及び勢力は、永久に除去せられざるべからず。

七、右の如き新秩序が建設せられ、かつ日本国の戦争遂行能力が破砕せられたることの確証あるに至る迄は、聯合国の指定すべき日本国領域内の諸地点は吾等の茲に指示する基本的目的の達成を確保するため占領せらるべし。

八、カイロ宣言の条項は履行せらるべく、また日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国並びに吾等の決定する諸小島に局限せらるべし。

九、日本国軍隊は、完全に武装を解除せられたる後、各自の家庭に復帰し、平和的かつ生産的の生活を営むの機会を得しめらるべし。

十、吾等は、日本人を民族として奴隷化せんとし、または国民として滅亡せしめんとするの意図を有するものに非ざるも、吾等の俘虜を虐待せる者を含む一切の戦争犯罪人に対しては、厳重なる処罰加えらるべし。日本国政府は、日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障礙を除去すべし。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立せらるべし。

十一、日本国は、その経済を支持し、かつ公正なる実物賠償の取立を可能ならしむるが如き産業を維持することを許さるべし。但し、日本国をして戦争のため再軍備を為すことを得しむるが如き産業は、この限りに在らず。右目的のため原料の入手(その支配とは之を区別す)を許可さるべし。日本国は、将来世界貿易関係への参加を許さるべし。

十二、前記諸目的が達成せられ、かつ日本国国民の自由に表明せる意思に従い、平和的傾向を有しかつ責任ある政府が樹立せらるるに於ては、聯合国の占領軍は直ちに日本国より撤収せらるべし。

十三、吾等は、日本国政府が直ちに全日本国軍隊の無条件降伏を宣言し、かつ右行動に於ける同政府の誠意につき、適当かつ充分なる保障を提供せんことを同政府に対し要求す。右以外の日本国の選択は、迅速かつ完全なる壊滅あるのみとす。



「降伏文書」はこちらからどうぞ!
   ⇓
降伏文書(国立国会図書館)



「ポツダム宣言」では、「日本国軍隊の無条件降伏」を含む、
全十三項目の降伏条件が列挙されています。

日本国は、軍隊の無条件降伏は要求されましたが、
日本国の無条件降伏はいっさい要求されておりません。

というより、「ポツダム宣言」自体が日本国の「降伏条件」であり、
日本国はこれを受け入れたのです。
つまり、「日本国軍隊は無条件降伏したが、日本国政府は条件付き降伏をした」というのが真相でした。

日本国が「降伏文書」に調印した瞬間から、
日本国が「降伏文書」と「ポツダム宣言」を受け入れ、これを順守する義務を負うことは当然ですが、
連合国もまた同様の義務を負うという、「双務的・相互的拘束」が生じます。

無論、日本に進駐したGHQもまた、「降伏文書」と「ポツダム宣言」に拘束されることを意味します。
戦勝国だからといって、思い通りに何をしても良かったわけではありません.

日本は「征服」されたわけではなく、「条件付き」で「降伏」したのですから。

占領当初、このことは日本国政府もアメリカの国務省も、そして連合軍最高司令官マッカーサーも、
共有していた認識でした。

しかし、アメリカ政府にとっては、このことは「想定外」の結果でした。
アメリカ政府は、日本国政府に対しても「無条件降伏」させたいと思っていたからです。

そこで彼等はどうしたか?
一方的に降伏条件を無視し、日本国及び日本人に対して、
「征服者」として振る舞い始めました。

占領開始の頃、アメリカの強硬なやり方に対して、
「降伏文書違反だ!」として戦った日本人はたくさん居ました。
しかし、そういう人たちはGHQによって職場から追放されたし、
いつのまにか抵抗する日本人はいなくなっていきました。

日本側に、はたして戦術的転換があったということなのか、
あるいはただ征服者に従属していったということなのか、
それはいまも謎のままです。

RAA.JPG















横須賀・安浦ハウス(特殊慰安施設)に集まる米国将兵たち


日本が降伏後、すぐに新聞・ラジオ等メディアの「検閲」が始まりますが、
「言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立せらるべし。」とあるポツダム宣言に、
それが違反することは明白でした。

そのためGHQは、「民間検閲局」(CCD)を、「見えない軍隊」にする必要がありました。
彼等は、「検閲」という非民主主義的で反人権主義的な言論統制を、
世界に知られ批判を浴びることを恐れたのです。


伝わっているところによると、なぜか占領直後から日本人は、
日本国は「無条件降伏」をしたと思い込んでしまったようです。
ほんとうに日本人みずから「無条件降伏」したと考えたのでしょうか?

ただ確実なのは、昭和20年9月より、
GHQは「検閲」と「宣伝・宣撫工作」を開始しています。

新聞・ラジオが「日本は条件付き降伏をした」と記事にしたとしても、
民間検閲局によって削除を命じられたろうし、
従わなければ即発禁、或いは放送停止処分で終わりです。

QHQが「日本は無条件降伏したのだ」といえば、
その通りに日本のマスメデイアは報じるようになっていました。

日本人の間に「日本の無条件降伏」が常識化していくことは、
たとえ間違いに気づいていた人が居たとしても、
誰も止めることが出来なかったでしょう。


《参考文献》
『日本人はなぜ終戦の日付をまちがえたのか』色摩力夫(黙出版)
『GHQの日本洗脳』山本明義(光文社)




posted by ミロ at 19:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 戦後70年
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