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2020年07月19日
栄養の要は、タンパク質と脂質
栄養の要は、タンパク質と脂質
炭水化物ではありません。
からだを作り直す材料は、タンパク質と脂質、微量元素(ミネラル、金属)です。
炭水化物は糖質+食物繊維。
糖質は車で言えば”ガソリン”です。
食物繊維は必須栄養素になりますが、糖質は必須栄養素ではありません。
「糖新生」
糖質は乳酸、酢酸、アミノ酸、脂肪酸から肝臓で無限大に作れるのです。
栄養学が大きく変貌しました。
正しい知識を身に付けてください。
タンパク質は毎食手のひら1枚分、1日で手のひら3枚分の摂取が必要です。
肉100g、魚1尾、卵3個、豆腐1丁、牛乳3杯が目安です。
LDL-Cは肝臓で作ったコレステロールをからだに運んでいる形態です。
HDL-Cは余ったコレステロールを肝臓に戻すときの形態です。
細胞膜や神経伝達物質、ホルモンの材料になるのがコレステロールです。
家族性高脂血症は、ヘテロでLDL-Cが300以上、ホモで600以上に上がります。
動脈硬化の原因は、高血圧が6割、高血糖が4割です。
決して、高LDL-C血症が原因ではありません。
LDL-Cが200以上に達してない人は、高血圧、高血糖を心配すべきで、
薬でLDL-Cを下げてはいけません。
低LDL-C血症の人に脳出血が多いことがようやくわかってきました。
動物性脂肪、植物性脂肪にこだわらず、
積極的に脂肪とタンパク、食物繊維を摂ってください。
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2020年07月18日
「水分摂取で認知症が改善」
「水分摂取で認知症が改善」
右の図表は、認知症の高齢者を抱える家族たちによる「認知症を家族が治す」という勉強会で発表されたデータです。
月1回ペースで6カ月間行われた勉強会では、
●1日ごとに摂取した水分量
●1日ごとに食事から摂取した栄養カロリー
●1週間ごとの運動時間と運動した回数
●1週間ごとの排便回数
と、それらに伴った認知症の症状の変化が報告されました。
そして、水分摂取・栄養摂取・運動・排便の4項目において量と回数を増やしていった結果、
80%の家族が「認知症の症状が消失、もしくはほとんど消失した」と証言していることがわかります。
なかでももっとも影響を及ぼしているのが「水分の摂取量」です。
1日の平均水分摂取量を1263ミリリットルから1709ミリリットルと
約500ミリリットルも増やしたことが、
認知症の症状改善、消失に大きく貢献していることがわかります。
水をしっかり飲む習慣が認知症を改善・消失につながることは、
こうしたデータによっても実証されています。
※『なぜ水を飲むだけで「認知症」が改善するのか 1日1.5リットルの水分補給が命を救う』よりhttps://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4046047291/presidentjp-22
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2020年07月16日
免疫学の第一人者が教える「コロナ対策の黄金習慣ベスト5」 ー食事、腸内環境、ストレス、体温、運動
免疫学の第一人者が教える「コロナ対策の黄金習慣ベスト5」
ー食事、腸内環境、ストレス、体温、運動
ー食事、腸内環境、ストレス、体温、運動
プレジデント 2020年7月3日号から
<自然免疫NK細胞は体内の「警察官」>
一日のうち、人間の体内に1兆個の細胞ができるなかで、
遺伝的に出来そこないのがん細胞が5000個も含まれていると言われています。
それを見つけ出して除去したり、
外から入ってきた異物を真っ先に叩くのがNK(ナチュラルキラー)細胞です。
NK細胞は小さな異物の処理を担当するリンパ球の一種で、
もっとも代表的な自然免疫。
働いている時間が一番長く、全身をくまなくパトロールしている、
いわば体の最前線を守る警察官です。
不良少年を巨悪にならないうちに排除するので、体の治安がよくなります。
以下、免疫力を上げる黄金習慣5つを上げます。
(1)食生活
唾液の分泌で「防波堤」を強化
<唾液を分泌するのに大事なのは、よく噛んで食べること>
積極的に摂取したいのは、きのこ類です。
さらに、きのこ類は不溶性の食物繊維が多いため、
便通が改善されやすくなり、腸をキレイにする効果もあって、
免疫力アップにつながります。
注目したい成分が、
野菜や果物などに含まれる色素、香り、苦みなどの成分である
植物性化学物質「ファイトケミカル」。
免疫細胞のマクロファージを活性化し、さらに抗酸化作用もあります。
特に抗酸化力が強いと言われているのが、
ブロッコリーの中に含まれるファイトケミカルの「スルフォラファン」。
ブロッコリーの細胞が壊れるときに生成されるので、
よく噛むかスムージーなどにして摂取するとよいでしょう。
そしてビタミンCにも、マクロファージやNK細胞を活性化する効果があります。
ブロッコリーの茎に豊富に含まれているので、
薄く切ったり、茹でたりして調理するのがおすすめです。
同様にビタミンCを含んでいるキャベツの外側の葉と芯の部分は、
細かく刻んだり、ザワークラフトにしたりするとよい。
ただし、免疫力が高まるからといって、特定のものばかりを食べてはいけません。
食事のうえで大切なのは、一定の食材に偏らず、栄養バランスよく食べることです。
(2)腸内環境
<腸内には体内の免疫細胞が集中する>
腸は臓器の中でもっとも長く、約9mもあります。
そして小腸と大腸を合わせた腸管に、なんと体内の免疫細胞の60〜70%が集まっています。
乳酸菌、ビフィズス菌、納豆菌、発酵食品をとるとともに、
善玉細菌の餌になる食物繊維、根っこ、葉っぱ、海藻、きのこ、
豆、芋、くだものを意識して摂りましょう。
可能な限り皮付きのまま、調理してください。
(3)ストレス対策
<NK細胞はストレスに弱い!>
免疫にとって、警戒しなければいけない敵は、細菌やウイルスだけではありません。
ストレスも手ごわい敵です。
人間の体内では交感神経と副交感神経の働きがバランスを保つことで、
自律神経として全身の環境を整えています。
免疫細胞である顆粒球とリンパ球は、この自律神経の影響を強く受けているのです。
日中などの活動時、交感神経が優位になると顆粒球が増え、
休息時に副交感神経が優位になるとリンパ球が増えます。
顆粒球とリンパ球のバランスは約6:4です。
しかし強いストレスを受けると、
不安や緊張でずっと交感神経が働き続ける状態になり、顆粒球が増加。
過剰な顆粒球はリンパ球の働きを抑止するので、免疫力が低下してしまいます。
またストレスで交感神経が優位になると、
それを鎮めようと副腎皮質からコルチゾールというホルモンが分泌されます。
するとNK細胞はコルチゾールをくっつけてしまう受容体を持っているため、
NK細胞の動きが阻害されてしまうのです。
T細胞やB細胞は簡単に影響を受けませんが、
NK細胞はちょっとしたストレスで弱くなります。
先日、新型コロナウイルス感染者がクルーズ船内での生活を強いられました。
狭いところへ閉じ込められて、さらに不安なまま生活を送る。
あれこそまさに免疫力が下がる環境です。
(4)体温を上げる
<筋肉をつけて体温をキープする>
体温が低いと、全身の代謝が悪くなります。
肩こり、頭痛が起きやすくなるだけでなく、
免疫細胞が働きにくくなり、がん細胞が元気になるというデメリットまであります。
免疫細胞は、弱まるのは体内温度が35度台。
活発化するのは37度以上、わきの下の検温でいうと36.5度以上です。
体温を上げる方法のひとつが筋肉を鍛えることです。
筋肉は基礎代謝の70%を占め、体が生み出す熱の30〜40%をつくっています。
といっても、激しい筋トレをする必要はありません。
普段から体を動かし、
さらに筋肉のもとになるたんぱく質を含んだ肉・魚を摂取することで、
筋肉量を落とさないように心がければよいのです。
そして体を温めるには、シャワーで済まさず、
入浴するようにしましょう。
副交感神経が優位になって、NK細胞が活発になるからです。
理想的なのは、40度のぬるめの湯に15分程度つかること。
最後に体を温める食材で代表的なのは、
漢方の薬効成分として古くから重宝されているショウガです。
辛み成分のジンゲロンが手足の先の血管を広げて体温を上げる効果が、
香りのもとであるショウガオールは胃腸を刺激して、
体の深部体温を上げる効果があります。
(5)運動
<一日5000歩早めに歩くのが理想>
健康を保つのに運動は欠かせない──。
誰もが信じて疑わない常識です。
しかし、免疫力を高めるという点では、
激しい運動は決してプラスになるとはかぎりません。
確かに激しい運動をした後、NK細胞の活性は上がります。
しかし運動を終えると、急激に落ちてしまうのです。
「激しい運動をした人は、まったく運動しなかった人よりも上気道感染症(風邪)にかかりやすい」
という調査結果も報告されています。
エレベーター、エスカレーターを使わずに階段を利用するなど、
「体に強い負荷をかけない」「頑張りすぎない」姿勢で取り組むことが大事です。
奥村 康順天堂大学医学部特任教授(免疫学講座)・アトピー疾患研究センター長
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2020年07月11日
ファイザーの新型コロナワクチン、初期臨床試験で結果有望
ファイザーの新型コロナワクチン、初期臨床試験で結果有望
ファイザーとバイオンテック(BioNTech)の
新型コロナウイルス感染症ワクチンの初期の臨床試験で有望な結果が出た。
ファイザーとバイオンテック(BioNTech)が開発中の
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するワクチンの有効性が、
45人の健康な被験者を対象にした治験で示された。
高抗体価を獲得できたが、
残念ながら、まだ、免疫を獲得できたか、どうかはわからない。
mRNAを使って、免疫反応を誘導するはずの抗体が、
かえって、感染しやすくしたケースもあり、
まだ、本当のところは、武器になるワクチンかどうかがわからない。
メドアーカイブ(medRXiv)に掲載された
プレプリント(査読前論文)によると、
回復患者に比べて最高2.8倍の水準の抗体が被験者の体内に確認された。
治験では、3種類の用量群のワクチンとプラセボ投与群の
いずれかに45人を無作為に割り付けた。
ただし、高用量を投与した患者に倦怠感や頭痛、発熱などの副作用が現れたため、
1回目の治療の後、最高用量である100マイクログラムの投与が中止された。
期待できるニュースだが、
ファイザーとバイオンテックが開発する
新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する最初の臨床データであり、
まだ査読を経ていない研究結果だ。
ワクチンを接種した患者に確認される高水準の抗体は、
新型コロナウイルス感染症に対する免疫反応を示す有用な指標だが、
それが免疫を保証するものであるかどうかはまだ分からない。
それを明らかにするため、
ファイザーは今夏、より大規模な患者集団を対象にした研究を開始する予定だ。
ファイザーは、2020年末までに最大1億回分のワクチンを用意する計画だという。
ファイザーは、
ワクチン開発を進める別の製薬会社モデルナ(Moderna)と
同じ実験的手法を用いている。
両社のワクチンは、
ともに新型コロナウイルスのmRNA
(伝令RNA:宿主内でウイルスを増殖させる遺伝的指令を有する物質)を使って、
新型コロナウイルスに対して免疫反応を引き起こすよう設計されている。
ワクチン開発を迅速化する可能性がある手段だが、
この方法を用いて開発され、販売許可を取得したワクチンはまだ存在しない。
現在、178種類のワクチンが開発中で、そのうち17種類のワクチンが治験段階にある。
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2020年07月08日
新型コロナの抗体価は持続しにくく、長期的な「免疫パスポート」にならない!
新型コロナの抗体価は持続しにくく、長期的な「免疫パスポート」にならない!
先ごろ、nature medicineに発表された中国の重慶医科大学の研究グループによる
COVID-19感染者の血中抗体価を追跡した研究結果が明らかになった。
それによると感染者の退院8週間後のCOVID-19特異的IgG抗体は、
無症候者の93.3%、有症状者の96.8%で減少し、
抗体減少率の中央値は無症候者で71.1%、有症状者で76.2%。
また、中和抗体量は無症候者の81.1%、有症状者の62.2%で減少し、
抗体減少率の中央値は無症候者で8.3%、有症状者で11.7%だった。
抗体検査で陽性であっても長期的な「免疫パスポート」にはならないという結論だ。
しかも、現時点では特異的な治療薬、ワクチンも存在しない。
つまるところ、抗体検査を受けた人は結果が陰性であれ、陽性であれ、今後注意すべきことは変わらない。
それなのに、最近では大都市圏のクリニックを中心にこのCOVID-19の抗体検査を行う医療機関が増えている。
通常よりもややお金がかかる自由診療で検査を受けようとする人の心中は
「何らかの安心を得たい」
ことがほとんどだろう。
しかし、医学的に見て何らかの安心が得られる状況ではない。
逆にこうした医療機関には、
自由診療で抗体検査を行うことで患者側にどんなメリットがあるのか、
と問いたい。
医療を提供するということは、
その人の人生に責任を持つという自覚を持って欲しい。
少なくても”医は算術ではない”はずだ。
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2020年07月05日
大腸がんの予後
大腸がんの予後
2019年におけるがん罹患数では大腸癌が101万人中15万5千人で第1位、
がん死亡数では、38万人中5万4千人で肺癌に次いで、第2位でした。
大腸癌研究会が
全国の一定水準以上の医療機関で診療された
大腸がん登録症例を集計した結果によれば、
ステージ別の5年生存率は、
T期92%、U期85%、
V期は結腸がん72%、直腸がん63%、
W期19%です(大腸癌研究会・全国登録2000〜2004年症例)。
大腸がんは(1)早期に発見し、
(2)しっかりとした治療を行うことで、
治せるがんです。
症状を見逃さない
―痔だと判断され進行してから発見される大腸がん―
大腸がんの代表的な症状の1つに「血便」があります。
血が付着する自分の便を確認すると、多くの人は心配となり、
近くのクリニックを受診することになりますが、
その段階で詳しく検査されることなく、
「おそらく痔でしょう。整腸剤を処方しますので、
治らないようならまた来てください」と
帰宅させてしまうことは意外に多いようです。
患者さんは医師の言いつけ通りに、
様子見をすることになりますが、
数か月後に「腹痛」の症状が出て、
今度は総合病院を受診すると、
内視鏡検査が施行され、
進行した大腸がんが発見される
――残念ではありますが、決して少なくない発見パターンです。
大腸がんの症状は、発生した部位によって異なります。
大腸の左側(下行結腸、S状結腸、直腸)に発生した場合は、
下血や血便、便秘や下痢、便が細くなるなどの
便通異常として現れやすいです。
一方、大腸の右側(盲腸、上行結腸、横行結腸)に
発生したがんは便の症状は出にくいです。
これは大腸の始点となる右側では
便は水分の多いさらさらの状態のため、
がんができても便は通過しやすく、
がんによる出血があっても肛門に至るまでに便の中に混じり、
血便として確認しづらい状態になっているためです。
ただし、便に症状が出にくい分、
腫瘍からの出血が貧血となって見つかるケースも少なくありません。
また、がんが進行して大きくなると
お腹のはりや腹痛となって現れることもあります。
血便など便の症状はもちろんですが、
血液検査で貧血を示す結果が出たら、様子見は禁物です。
また、腹痛の訴えに対してX線検査のみは考えものです。
背景に大腸がんがある可能性を考慮し、大腸内視鏡検査を受けてください。
健康情報を正しく、身につけて
お医者さんの不勉強から
ご自身の身を守ってください。