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2020年07月05日
大腸がんの予後
大腸がんの予後
2019年におけるがん罹患数では大腸癌が101万人中15万5千人で第1位、
がん死亡数では、38万人中5万4千人で肺癌に次いで、第2位でした。
大腸癌研究会が
全国の一定水準以上の医療機関で診療された
大腸がん登録症例を集計した結果によれば、
ステージ別の5年生存率は、
T期92%、U期85%、
V期は結腸がん72%、直腸がん63%、
W期19%です(大腸癌研究会・全国登録2000〜2004年症例)。
大腸がんは(1)早期に発見し、
(2)しっかりとした治療を行うことで、
治せるがんです。
症状を見逃さない
―痔だと判断され進行してから発見される大腸がん―
大腸がんの代表的な症状の1つに「血便」があります。
血が付着する自分の便を確認すると、多くの人は心配となり、
近くのクリニックを受診することになりますが、
その段階で詳しく検査されることなく、
「おそらく痔でしょう。整腸剤を処方しますので、
治らないようならまた来てください」と
帰宅させてしまうことは意外に多いようです。
患者さんは医師の言いつけ通りに、
様子見をすることになりますが、
数か月後に「腹痛」の症状が出て、
今度は総合病院を受診すると、
内視鏡検査が施行され、
進行した大腸がんが発見される
――残念ではありますが、決して少なくない発見パターンです。
大腸がんの症状は、発生した部位によって異なります。
大腸の左側(下行結腸、S状結腸、直腸)に発生した場合は、
下血や血便、便秘や下痢、便が細くなるなどの
便通異常として現れやすいです。
一方、大腸の右側(盲腸、上行結腸、横行結腸)に
発生したがんは便の症状は出にくいです。
これは大腸の始点となる右側では
便は水分の多いさらさらの状態のため、
がんができても便は通過しやすく、
がんによる出血があっても肛門に至るまでに便の中に混じり、
血便として確認しづらい状態になっているためです。
ただし、便に症状が出にくい分、
腫瘍からの出血が貧血となって見つかるケースも少なくありません。
また、がんが進行して大きくなると
お腹のはりや腹痛となって現れることもあります。
血便など便の症状はもちろんですが、
血液検査で貧血を示す結果が出たら、様子見は禁物です。
また、腹痛の訴えに対してX線検査のみは考えものです。
背景に大腸がんがある可能性を考慮し、大腸内視鏡検査を受けてください。
健康情報を正しく、身につけて
お医者さんの不勉強から
ご自身の身を守ってください。