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2019年05月06日

心房細動は脳卒中に対しても認知症に対しても危険因子!

70歳スタートでは、男性の方の動脈硬化が早いという結果だと思う

心房細動は脳卒中に対しても認知症に対しても危険因子!

『心房細動』の『男性』、脳卒中なしでも認知症に注意
提供元:ケアネット 公開日:2019/04/01

心房細動は脳卒中リスクを増大させ、認知障害や認知症のリスクを増大させる

しかし最近、脳卒中でない場合でもこの関連を示唆するエビデンスが出てきている。

そこで、『スウェーデン』・ヨーテボリ大学のLina Ryden氏らは、コホートから脳卒中患者を除外しなかった場合とした場合の心房細動と認知症発症との関連を調査し、さらに性別や遺伝的因子についても検討した。Journal of Internal Medicine誌オンライン版2019年3月2日号に掲載。

著者らは、ヨーテボリH70出生コホート研究の一環として、
2000〜01年、『70歳の被験者561例』について、
身体的および神経精神学的な総合検査を実施し、75歳時と79歳時にフォローアップ調査を行った。

ベースライン時の心房細動は、ECG、代理報告、National Patient Register(NPR)により確認した。
ベースライン時およびフォローアップ時の脳卒中は、自己報告、代理報告、NPRにより確認した。
また、ベースライン時およびフォローアップ時の認知症は、神経精神学的検査、代理報告、NPRに基づき、DSM-III-R基準に従って診断した。

主な結果は以下のとおり

心房細動を有する参加者は、12年間のフォローアップ期間認知症リスクがほぼ3倍に増加し
(HR:2.8、95%CI:1.3〜5.7、p=0.004)、
このリスクはベースライン時およびフォローアップ時に脳卒中を有する参加者を除いた後も残った。

・この関連は、性別で層別した場合に男性のみ
(HR:4.6、95%CI:1.9〜11.2、p<0.001、性別と心房細動の交互作用:p=0.047)、

またApoE※(アポリポタンパクE)対立遺伝子ε4の非保有者のみ
(HR:4.2、95%CI:1.8〜9.7、p<0.001、ApoEと心房細動の交互作用:p=0.128)で認められた。
・心房細動による認知症の人口寄与危険度は13%であった。

著者らは、「無症候性脳血管リスクの指標としての心房細動の関連をさらに調査する必要がある」とし、また「心房細動の患者は認知症状を検査されるべき」と提言している。
(ケアネット 金沢 浩子)

原著論文はこちら
Ryden L, et al.J Intern Med. 2019 Mar 20. [Epub ahead of print]

(※ApoEは血中LDLの主要成分で大脳皮質の発生には欠かせない分子だが、その作用メカニズムについてはまだよくわからない点が多い。
中でも臨床医学的に重要なのはアルツハイマー病との関係だ。
人間のApoEには3種類の遺伝型、ApoE2, ApoE3,ApoE4が存在し、このうちApoE4はアルツハイマー病のリスクが高いことが知られている。
ただ、そのメカニズムについてはよくわかっていない。)
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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