2019年05月05日
家事や園芸でも高齢女性の心疾患リスク減
家事や園芸でも高齢女性の心疾患リスク減
健康を保つのに、ジョギングなどの高強度運動は必要ないかもしれない−
米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のAndrea LaCroix氏らが行った研究から、
日常的な家事や園芸といった軽い身体活動でも高齢女性の心疾患の予防につながる可能性があることが示された。
研究の詳細は「JAMA Network Open」3月15日オンライン版に掲載された。
米国立心肺血液研究所(NHLBI)によると、冠動脈疾患(CHD)や心血管疾患(CVD)といった心疾患は依然として、米国女性の主要な死因である。
また、60〜79歳の女性の68%近くが心疾患に罹患しているという。
LaCroix氏らは、心筋梗塞や脳卒中の既往がない63〜97歳(平均年齢78.5歳)の女性5,861人を対象に、
軽い身体活動と心疾患の発症との関連を調べた。
なお、CHDイベントには心筋梗塞やCHDによる死亡、CVDイベントにはCHDや血行再建術、頸動脈疾患、入院を要する狭心症、うっ血性心不全、脳卒中などが含まれた。
参加者には活動量計を1週間装着してもらい、24時間の身体活動量を記録し、その後、心臓の健康状態を最長で4.91年間追跡した。
参加者を園芸や散歩、衣服の折りたたみといった低強度の身体活動量で4つのグループに分けて分析した結果、身体活動量が最も低い群に比べて、最も高い群では、心筋梗塞やCHDによる死亡リスクは42%低く、CVDイベントリスクは22%低いことが分かった。
これらの結果を踏まえ、LaCroix氏は「身体活動量が多いほど、高齢女性の心疾患リスクは低減することが分かった」と結論づけている。
また、こうした結果は、女性の全般的な健康状態や機能的な能力、年齢に関係なく認められたことから、
「軽い身体活動と心疾患リスクの低減が関連することは明らかだ」と同氏は指摘している。
この研究に資金を提供したNHLBI心臓血管科学部門のディレクターを務めるDavid Goff氏は、専門家の立場から、「高齢女性にとって、どんな運動でも心血管の健康の向上につながることが分かった。
近年、こうしたことを裏付けるエビデンスは増えつつある」と述べている。
また、同じく専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院のEugenia Gianos氏は「この調査結果は、毎日1万歩の達成を推奨する米国心臓協会(AHA)のガイドラインや、軽い身体活動を支持する2018年の身体活動ガイドラインを裏付けるものだ」と述べている。
さらに、米ノースウェル・ヘルス、サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏は「従来の研究は、参加者が記入した日常的な活動に関するアンケート結果に基づいていたため、不正確さは避けられなかった。
しかし、今回の研究では、参加者の運動量を活動量計で測定しているため、より信頼性が高い。
この点で従来よりも新しい研究の方が優れているといえる」と述べている。
今回の結果について、Mintz氏は「毎日の軽い身体活動が高齢女性の心臓にもたらす保護効果の大きさは、コレステロール低下薬のスタチンによる心疾患イベントの低減効果に匹敵する」と評価している。
また、同氏は「この研究は、何歳になっても女性が身体を動かすことの大切さを示している。
健康で長生きするには、高価なジムの会員になる必要などはなく、日常生活で身体を動かしていれば十分だ」と付け加えている。
(HealthDay News 2019年3月15日) https://consumer.healthday.com/…/even-housework-gardening-c… Copyright 2019 HealthDay.
健康を保つのに、ジョギングなどの高強度運動は必要ないかもしれない−
米カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)のAndrea LaCroix氏らが行った研究から、
日常的な家事や園芸といった軽い身体活動でも高齢女性の心疾患の予防につながる可能性があることが示された。
研究の詳細は「JAMA Network Open」3月15日オンライン版に掲載された。
米国立心肺血液研究所(NHLBI)によると、冠動脈疾患(CHD)や心血管疾患(CVD)といった心疾患は依然として、米国女性の主要な死因である。
また、60〜79歳の女性の68%近くが心疾患に罹患しているという。
LaCroix氏らは、心筋梗塞や脳卒中の既往がない63〜97歳(平均年齢78.5歳)の女性5,861人を対象に、
軽い身体活動と心疾患の発症との関連を調べた。
なお、CHDイベントには心筋梗塞やCHDによる死亡、CVDイベントにはCHDや血行再建術、頸動脈疾患、入院を要する狭心症、うっ血性心不全、脳卒中などが含まれた。
参加者には活動量計を1週間装着してもらい、24時間の身体活動量を記録し、その後、心臓の健康状態を最長で4.91年間追跡した。
参加者を園芸や散歩、衣服の折りたたみといった低強度の身体活動量で4つのグループに分けて分析した結果、身体活動量が最も低い群に比べて、最も高い群では、心筋梗塞やCHDによる死亡リスクは42%低く、CVDイベントリスクは22%低いことが分かった。
これらの結果を踏まえ、LaCroix氏は「身体活動量が多いほど、高齢女性の心疾患リスクは低減することが分かった」と結論づけている。
また、こうした結果は、女性の全般的な健康状態や機能的な能力、年齢に関係なく認められたことから、
「軽い身体活動と心疾患リスクの低減が関連することは明らかだ」と同氏は指摘している。
この研究に資金を提供したNHLBI心臓血管科学部門のディレクターを務めるDavid Goff氏は、専門家の立場から、「高齢女性にとって、どんな運動でも心血管の健康の向上につながることが分かった。
近年、こうしたことを裏付けるエビデンスは増えつつある」と述べている。
また、同じく専門家の一人で、米レノックス・ヒル病院のEugenia Gianos氏は「この調査結果は、毎日1万歩の達成を推奨する米国心臓協会(AHA)のガイドラインや、軽い身体活動を支持する2018年の身体活動ガイドラインを裏付けるものだ」と述べている。
さらに、米ノースウェル・ヘルス、サンドラ・アトラス・バス・ハート病院のGuy Mintz氏は「従来の研究は、参加者が記入した日常的な活動に関するアンケート結果に基づいていたため、不正確さは避けられなかった。
しかし、今回の研究では、参加者の運動量を活動量計で測定しているため、より信頼性が高い。
この点で従来よりも新しい研究の方が優れているといえる」と述べている。
今回の結果について、Mintz氏は「毎日の軽い身体活動が高齢女性の心臓にもたらす保護効果の大きさは、コレステロール低下薬のスタチンによる心疾患イベントの低減効果に匹敵する」と評価している。
また、同氏は「この研究は、何歳になっても女性が身体を動かすことの大切さを示している。
健康で長生きするには、高価なジムの会員になる必要などはなく、日常生活で身体を動かしていれば十分だ」と付け加えている。
(HealthDay News 2019年3月15日) https://consumer.healthday.com/…/even-housework-gardening-c… Copyright 2019 HealthDay.
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