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2019年03月10日

その『じんましん』は本当に蕁麻疹?

『膨疹』ってご存知ですか?
膨疹1.jpg
膨疹2.jpg

<Dr.デルぽんの診察室観察日記 >
第1回 その『じんましん』は本当に蕁麻疹?

私がまだ大学で働いていた頃のこと。
時間外受付のナースに「じんましんの患者さんがいます」と呼ばれていったところ、診察で皮膚を見たら「『中毒疹』だった」ということがありました。

日頃、皮膚科の外来でも「じんましんが出来て…」と自己申告してくる患者さんは割といます。

「どれ膨疹でも出ているかな」と服をあげて診ると、
丘疹が集蔟した「湿疹」だったり。

紅暈を帯びた小水疱が帯状に並んだ「帯状疱疹」だったり…と。意外と正しい蕁麻疹ではなかったりします。

こうした発言を聞いていると、
どうも「何か赤いものができた」ことを指し、
「じんましん」と称しているようです。

医療者にとっての蕁麻疹とは必ずしも一致しないため、
問診で「じんましん」と書かれていても、すぐには信じないようになりました。

もちろんなかには、過去に蕁麻疹の経験があり自己判断できる患者さんや、実際に膨疹を写真に撮って見せてくれる、正しい蕁麻疹の患者さんもいます。

前情報が何であれ、問診や診察で正しい診断はつくのですが、冒頭ナースの例もあり、患者さんの主訴を鵜呑みにしないことは大事だなあと思った次第です。

Dr.デルぽん 皮膚科専門医

『デルマな日常』のブロガー。

鋭い観察眼で、皮膚疾患を見逃さず、同時に診察室の患者やスタッフの面白い挙動も見逃さない!

最近のマイブームは、綿菓子製造機。

好きなキャラは、「赤い彗星のシャア」や「JOJOの宿敵DIO」などのイケメンヒール(悪役)。

現在、『joy.net』『PHPくらしラクーる』などで好評連載中。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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