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2019年02月08日

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病;AD)に承認されている薬は効かない、却って悪化させるかもしれないーもっと多くの結果が待たれる!

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病;AD)に承認されている薬は効かない、却って悪化させるかもしれないーもっと多くの結果が待たれる!

軽度アルツハイマー病に対するコリンエステラーゼ阻害薬(アリセプトに代表される、後発品としてドネペジル)のベネフィット 提供元:ケアネット 公開日:2019/01/29

 アルツハイマー病による軽度認知障害(MCI-AD)および軽度のアルツハイマー型認知症(ADdem)に対するコリンエステラーゼ阻害薬(ChEI)の認知機能アウトカムについて、米国・セントルイス・ワシントン大学のJee-Young Han氏らが検討を行った。Alzheimer Disease and Associated Disorders誌オンライン版2019年1月10日号の報告。

 対象は、MCI-AD(臨床認知症評価法[CDR]:0または0.5)もしくは軽度ADdem(CDR:0.5または1)と臨床的に診断された『2,242例』。
患者データは、National Alzheimer's Coordinating Center(NACC)の統一データセット(Uniform Data Set)より抽出した。CDR合計スコアおよび神経心理学的パフォーマンスの年次変化は、一般化線形混合モデルを用いて算出した。

ChEIを使用する患者間で、使用開始前後の勾配を比較した。
また、ChEI使用患者と非使用患者のスコア変化の比較も行った。
477734.jpg

 主な結果は以下のとおり。

・ChEI使用患者の割合は、
MCI-AD群944例中34%、
ADdem群1,298例中72%であった。

・MCI-AD群、ADdem群ともに、
認知機能低下ChEI『使用開始後』に、
より大きかった


たとえば、MCI-AD患者のCDR合計スコアは、
ChEI開始前の0.03ポイント/年から、
開始後の0.61ポイント/年に変化した
(p<0.0001)。

・MCI-AD群、ADdem群ともに、
ChEI使用患者では、
非使用患者『よりも早く認知機能低下』
が認められた。
たとえば、MCI-AD患者のCDR合計スコアは、
ChEI使用患者で『0.61』ポイント/年、
非使用患者で『0.24』ポイント/年であった(p<0.0001)。

 著者らは「本研究は、ChEI使用がMCI-ADおよび軽度ADdemの認知機能を、『改善しない可能性がある』ことを示唆している」としている。(鷹野敦夫)

原著論文はこちら
Han JY, et al. Alzheimer Dis Assoc Disord. 2019 Jan 10. [Epub ahead of print]
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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