2018年11月17日
日本人って、なんでワクチン接種に過剰に反応するのか? 性交前にHPVワクチン接種すると、日本人子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性!
日本人って、なんでワクチン接種に過剰に反応するのか?
性交前にHPVワクチン接種すると、日本人子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性!
この効果は初交前に接種することでさらに上昇
HPVワクチン、日本人の有効性は90%以上
Medical Tribune 2018年10月17日 06:05 から
日本人女性における2価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンのHPV16/18型感染予防に対する有効性は91.9%と非常に高いことが明らかになった。
日本人女性を対象に2価HPVワクチンの感染予防効果を検討した結果を、新潟大学産科婦人科の工藤梨沙氏らがJ Infect Dis(2018年10月9日オンライン版)に報告した。
20〜22歳を対象に解析
海外では、HPVワクチンのHPV16/18型感染予防に対する高い有効性およびその他の高リスク型HPVに対する交叉防御効果が報告されているが、わが国ではこれまで大規模な研究によりHPV感染予防効果を検討した報告はない。
工藤氏らは、2014〜16年に新潟県の6都市(新潟市、長岡市、上越市、新発田市、見附市、三条市)において自治体の子宮頸がん検診を受診した女性を対象に、2価HPVワクチン接種歴と性的活動性を調査し、ワクチンの有効性を算出した。
ワクチン接種歴は自治体の接種記録からワクチンの種類、接種日、接種回数を確認。性的活動性(初回性交年齢、性交経験人数)については、アンケートを行った。
今回は期間中に20〜22歳だった検診受診者2,197人のうち1,814人(2価HPVワクチン接種群1,355人、非接種群459人)を解析対象とした。
ワクチン接種群のうち1,295人が3回接種を完了した。
HPV16/18型感染率はワクチン接種群の0.2%に対し、非接種群では2.2%。ロジスティック回帰分析で誕生年を調整したところ、
HPV16/18型に対する2価HPVワクチンの有効率は
91.9%(95%CI 66.8〜98.0%、P<0.01)だった。
初交前接種による有効率は93.9%
さらに、初回性交渉前にワクチンを接種した1,000人と接種しなかった454人で比較した。
その結果、HPV16/18型感染率はワクチン接種群の0.1%に対して非接種群で2.2%、
HPV31/45/52型感染率はそれぞれ1.3%と4.6%。
ロジスティック回帰分析で性的活動性と誕生年を調整したところ、
初交前の2価HPVワクチンの有効率はHPV16/18型で93.9%
(95%CI 44.8〜99.3%、P=0.01)、
HPV31/45/52型で67.7%
(同24.9〜86.1%、P=0.01)だった。
以上の結果から、
工藤氏らは「2価HPVワクチンは日本人女性においても高いHPV16/18型への感染予防効果が認められ、
HPV31/45/52型に対する交叉防御効果を加えると、日本人子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性がある。
この効果は初交前に接種することでさらに上昇する」と述べた。
さらに「海外ではHPVワクチン接種による子宮頸がん発生率の減少効果が報告され始めている一方で、
日本ではHPVワクチン接種が事実上停止状態にある。
2020年には、積極的推奨の中止によりHPVワクチン接種率が激減した世代が子宮頸がん検診の対象年齢となるため、この世代のHPV感染率と前がん病変発生率が注目される」と指摘している。
今後同氏らは、子宮頸部の細胞診異常や前がん病変に対するHPVワクチンの予防効果についても検証を行っていく予定だという。
(大江 円)
性交前にHPVワクチン接種すると、日本人子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性!
この効果は初交前に接種することでさらに上昇
HPVワクチン、日本人の有効性は90%以上
Medical Tribune 2018年10月17日 06:05 から
日本人女性における2価ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンのHPV16/18型感染予防に対する有効性は91.9%と非常に高いことが明らかになった。
日本人女性を対象に2価HPVワクチンの感染予防効果を検討した結果を、新潟大学産科婦人科の工藤梨沙氏らがJ Infect Dis(2018年10月9日オンライン版)に報告した。
20〜22歳を対象に解析
海外では、HPVワクチンのHPV16/18型感染予防に対する高い有効性およびその他の高リスク型HPVに対する交叉防御効果が報告されているが、わが国ではこれまで大規模な研究によりHPV感染予防効果を検討した報告はない。
工藤氏らは、2014〜16年に新潟県の6都市(新潟市、長岡市、上越市、新発田市、見附市、三条市)において自治体の子宮頸がん検診を受診した女性を対象に、2価HPVワクチン接種歴と性的活動性を調査し、ワクチンの有効性を算出した。
ワクチン接種歴は自治体の接種記録からワクチンの種類、接種日、接種回数を確認。性的活動性(初回性交年齢、性交経験人数)については、アンケートを行った。
今回は期間中に20〜22歳だった検診受診者2,197人のうち1,814人(2価HPVワクチン接種群1,355人、非接種群459人)を解析対象とした。
ワクチン接種群のうち1,295人が3回接種を完了した。
HPV16/18型感染率はワクチン接種群の0.2%に対し、非接種群では2.2%。ロジスティック回帰分析で誕生年を調整したところ、
HPV16/18型に対する2価HPVワクチンの有効率は
91.9%(95%CI 66.8〜98.0%、P<0.01)だった。
初交前接種による有効率は93.9%
さらに、初回性交渉前にワクチンを接種した1,000人と接種しなかった454人で比較した。
その結果、HPV16/18型感染率はワクチン接種群の0.1%に対して非接種群で2.2%、
HPV31/45/52型感染率はそれぞれ1.3%と4.6%。
ロジスティック回帰分析で性的活動性と誕生年を調整したところ、
初交前の2価HPVワクチンの有効率はHPV16/18型で93.9%
(95%CI 44.8〜99.3%、P=0.01)、
HPV31/45/52型で67.7%
(同24.9〜86.1%、P=0.01)だった。
以上の結果から、
工藤氏らは「2価HPVワクチンは日本人女性においても高いHPV16/18型への感染予防効果が認められ、
HPV31/45/52型に対する交叉防御効果を加えると、日本人子宮頸がんの80%以上をカバーできる可能性がある。
この効果は初交前に接種することでさらに上昇する」と述べた。
さらに「海外ではHPVワクチン接種による子宮頸がん発生率の減少効果が報告され始めている一方で、
日本ではHPVワクチン接種が事実上停止状態にある。
2020年には、積極的推奨の中止によりHPVワクチン接種率が激減した世代が子宮頸がん検診の対象年齢となるため、この世代のHPV感染率と前がん病変発生率が注目される」と指摘している。
今後同氏らは、子宮頸部の細胞診異常や前がん病変に対するHPVワクチンの予防効果についても検証を行っていく予定だという。
(大江 円)
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