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2018年11月16日

尿路感染症の治療は,抗菌剤投与ではなく,一番は尿量の増加!

尿路感染症の治療は,抗菌剤投与ではなく,一番は尿量の増加! 
飲水を多くして(入院では点滴)尿量を増やして,おしっこで尿路(腎盂腎杯・尿管・膀胱・尿道)を洗い流す.  
膀胱炎を繰り返している人は,1日1,500mL以上水分が摂れているかを 確認してください!

JAMA Intern Med誌から
水分摂取量増加で膀胱炎の再発は減らせる
再発リスクが高い女性に500mLの水を1日3本飲んでもらう研究
2018/10/17 大西 淳子=医学ジャーナリスト

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 膀胱炎を繰り返す女性には、再発予防法として、水分摂取量を増やすことが勧められる。
この戦略が有効かどうかを検討するオープンラベルのランダム化対照試験を実施した
米Miami大学のThomas M. Hooton氏らは、
再発リスクが高い女性に1日に1.5L余分に水を飲むよう指示すると、
対照群よりも1年間の再発率が減少したと報告した。
データはJAMA Intern Med誌電子版に2018年10月1日に掲載された。

 合併症のない急性膀胱炎は、女性に最も多く見られる感染症の1つで、
女性の半数以上が生涯に1回以上経験する。
初回の膀胱炎後、約27%の女性が6カ月以内に再発を経験する。

ヒトへの抗菌薬投与の約15%は、尿路感染症の治療用と推定されており、
その中には膀胱炎の再発予防目的の投与も含まれている。
抗菌薬の使用量増加と耐性菌対策の観点から、抗菌薬を使用しない尿路感染症対策が求められている。

 膀胱炎を繰り返す女性には、水の摂取量を増やすことが推奨されている。
細菌尿の希釈と膀胱洗浄が再発予防に役立つと考えられるからだ。
しかし、水分摂取量と尿路感染症の関係を検証したエビデンスはほとんどなかった。

そこで著者らは、膀胱炎再発歴のある閉経前の女性を対象に、
1日の水分摂取量を増やすことで、膀胱炎の再発率を減らせるかどうかを調べる臨床試験を計画した。

 ブルガリアのソフィア市で地域の医師に連絡を取り、膀胱炎を再発した女性患者の紹介を依頼した。

対象は、一般的な健康状態は良好な年齢18歳以上の閉経前の女性で、
症候性の膀胱炎で過去1年間に3回以上医師を受診し、
そのうち少なくとも1回は、中間尿の培養でコロニー形成を確認しており、
1日の水分摂取量は1.5L未満だと自己申告した患者。

スクリーニング時点で尿路感染症状がある患者、
過去12カ月以内に腎盂腎炎・間質性膀胱炎・外陰腟炎の病歴がある患者、妊娠中や授乳中の女性は除外した。

 参加者は割り付け前に、3日間の水分摂取日記を記録してもらい、
飲料の種類別に摂取量を調べた。

ベースラインの受診前日に、24時間蓄尿検査を実施してもらい、尿量と尿浸透圧を測定した。

排尿量が1.2L未満で、浸透圧が500mOsm/kg以上だった女性に、割り付けに参加してもらった。

 条件を満たした参加者は1対1の割合で、
日常的な水分摂取量のままの対照群と、通常より1.5L余分に水分を増やす摂取群にランダムに割り付けた。

摂取群には1日分としてミネラルウォーター500mLボトルを3本提供し、
食事の開始と共に飲み始め、次の食事までに飲み終えるように説明した。

ミネラルウォーターは2週間毎に摂取群の参加者の自宅へ配送した。

 割り付け後は12カ月まで毎月電話でインタビューを行い、健康状態や使用している薬について聴取し、摂取群にはプロトコールを遵守するよう激励した。6カ月と12カ月時点では、24時間尿量と尿浸透圧も測定した。

 主要評価項目は、12カ月間の膀胱炎の再発頻度とした。

尿路感染症の症状(排尿障害、頻尿、尿意ひっ迫、恥骨上部の疼痛)が1つ以上存在し、
中間尿の培養により1mL当たり1000単位以上の病原微生物によるコロニー形成が検出
された場合に再発ありと判定した。

病原微生物には、グラム陰性菌、ブドウ球菌、腸球菌、B群レンサ球菌を含めた。
2次評価項目は、受けた抗菌薬治療の回数、膀胱炎の発症間隔、24時間尿量とした。

 2013年12月13日から2016年7月13日まで参加者を募集し、
スクリーニングを受けた163人の女性のうち、140人が割り付けに参加した。

両群とも70人ずつ割り付け、12カ月後まで追跡を完了できたのは、
摂取群64人(91%)と対照群66人(94%)だった。

このうち試験終了までプロトコールを守れたのは、
摂取群54人(77%)と対照群59人(84%)だった。

 140人の患者の平均年齢は35.7歳で、
過去1年間の膀胱炎発症回数の平均は3.3回だった。

ベースラインの1日当たりの水分摂取量(アルコール飲料も含む)は平均1.1Lで、
そのうち水の摂取量は0.5Lだった。
24時間の排尿量の平均は0.9L、排尿回数は6.1回だった。
24時間蓄尿の浸透圧の平均は724.3mOsm/kgだった。

 12カ月時点で、摂取群が自己申告した1日の水分摂取量は1.7L(範囲は1.1〜2.8L)に増加しており、
ベースラインに比べると1日当たり平均1.15L(範囲は0.48〜1.63L)増量していた。
対照群では、どちらもベースラインと同様だった。

 12カ月間の膀胱炎の再発回数は、
平均値で摂取群が1.7回(95%信頼区間1.5-1.8回)、
対照群は3.2回(3.0-3.4回)で、平均差は1.5回(1.2-1.8回)だった。

膀胱炎はのべ327回発生しており、111回が摂取群、216回が対照群に発生していた。
摂取群の93%は膀胱炎の発症が2回以下だったのに対し、対照群の88%は3回以上発症していた。

 病原微生物として多かったのは大腸菌で、摂取群78%、対照群77%だった。
クレブシェラ属が9%と10%、プロテウス属が4%と5%を占めた。

 抗菌薬治療を受けた回数の平均は、
摂取群1.9回(1.7-2.2回)と対照群3.6回(3.3-4.0回)で、
平均差は1.7回(1.3-2.1回)だった。

 膀胱炎発症間隔は、
摂取群142.8日(127.4-160.1日)と対照群84.4日(75.4-94.5日)で、
平均差は、58.4日(39.4-77.4日)だった。
割り付けから初回発症までの日数はそれぞれ、
148.0日(範囲は8.0〜369.0日)と93.5日(7.0-291.0日)だった。

 24時間尿量は平均で、摂取群が1.3L増加し、対照群は0.1L増加だった。
1日の排尿回数は摂取群が2.4回増加、対照群は0.1回減少していた。
摂取群では、24時間尿の浸透圧は、摂取群が-391.4mOsm/kg減少し、対照群は-15.5mOsm/kgだった。

 これらの結果から著者らは、膀胱炎の再発リスクが高い閉経前の女性が水分摂取量を増やすことは、
抗菌薬を使用しない再発予防戦略として有効だったと結論している。
なお、この研究はミネラルウォーターの提供を含むDanone Researchの支援を受けている。

 原題は「Effect of Increased Daily Water Intake in Premenopausal Women With Recurrent Urinary Tract Infections」、概要はJAMA Intern Med誌のウェブサイトで閲覧できる。
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田中松平
元消化器外科医で,頭からつま先まで診れる総合診療科医です. 医学博士 元日本外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器外科学会認定指導医・専門医, 元日本消化器内視鏡学会専門医, 日本医師会認定産業医, 日本病理学会認定剖検医,
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